2025年01月20日

映画「キノ・ライカ」

副題は「小さな町の映画館」。

監督・撮影:ヴェリコ・ビダク
出演:アキ・カウリスマキ、ミカ・ラッティ、マウステテュトット、ヌップ・コイヴ、ジム・ジャームッシュほか

映画監督のアキ・カウリスマキが自らの暮らす町に映画館を作るまでを追ったドキュメンタリー。

舞台はフィンランドの人口9000人の小さな町カルッキラ。森と湖の広がる町の工場跡に仲間とともに映画館を作っていく。

冒頭から何度も日本語の曲が流れるのに驚いたのだが、これは1976年からフィンランドで暮らす篠原敏武さんという方が歌っているのだとか。とても印象的な歌声だ。

昨年観た「枯れ葉」で「竹田の子守唄」を歌っていたのもこの方だったそうだ。

フランス・フィンランド合作、81分、京都シネマ。

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2025年01月18日

第17回別邸歌会

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大阪府泉南郡田尻町の「田尻歴史館」にて第17回別邸歌会を開催した。参加者は14名。そのうち2名が初参加。遠く富山から来られた方もあって嬉しい限り。

13:00から17:00まで計28首の歌について議論した。自分では思いもしなかったような読みに出会えるのが歌会のいいところ。今日もそんな醍醐味をたっぷりと味わった。


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田尻歴史館の建物は、もともと大阪合同紡績の社長や日本綿業倶楽部の初代会長を務めた谷口房蔵(1861ー1929)の別荘として大正12(1923)年に建てられたもの。

洋館と和館がつながっていて、さらに庭には茶室もある。建物の見学は無料。また、今回は洋館2階の一室を借りたのだが、貸室料金も何と無料!

1階にはカフェレストランRISIA CODAがあり、食事やお茶も楽しめる。おすすめの場所です。

posted by 松村正直 at 22:44| Comment(0) | 歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月16日

『駅へ』7刷!

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2021年に私の第1歌集『駅へ』の新装版が野兎舎から刊行されました。元の歌集は2001年の刊行なので、20年ぶりの復刊でした。

幸いなことに、新装版は多くの方にお読みいただくことができ、昨年11月に7刷まで版を重ねています。


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在庫はまだまだありますので、版元の野兎舎のオンラインストア、またはアマゾン(電子書籍)、あるいは私のBOOTHにてお買い求めください。よろしくお願いします。


野兎舎オンラインストア
https://yatosha.stores.jp/items/600d346831862555b743dcdb

アマゾンKindle版(電子書籍)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B098T581V3/ref

松村正直BOOTH
https://masanao-m.booth.pm/

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2025年01月15日

亡くなった人とテレビ

昨晩、たまたまテレビをつけたところ「家政夫のミタゾノ」を放送していた。そこに中山美穂が出演していた、喋ったり笑ったり怒ったりしていた。

中山美穂は昨年12月6日に亡くなったが、ドラマの収録はそれより前だったので、亡くなったばかりの人がテレビ画面の中に生きていたのである。

「あれっ? これと同じ事が前にもあったな」と思った。

調べてみると、それは3年前の2022年5月20日放送の「家政夫のミタゾノ」でのことだ。直前の5月11日に亡くなったばかりの「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵が出ていたのである。

その時、ちょっと胸に来るものがあって「海は見えない」という連作10首を詠んだ。
https://masanao-m.booth.pm/items/3908160

あの時と同じことが同じドラマのシリーズでまた起きたのである。

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2025年01月14日

朝日新聞の社説

今日の朝日新聞の社説を読んでいて気になったことがある。

「デジタル化社会を生きる」「「人間であること」という一線」という題の文章で、内容には特に異論はない。気になったのは、文中の短歌の引用に関してである。

 ジタンとかタイパと言ってせわしなく時間に追われる令和の日々かな――先月の朝日歌壇にそんな投稿があった。

という形で、朝日歌壇の入選歌が引かれている。

これは、昨年12月15日の朝日歌壇に掲載された横浜市の西前敦子さんの作品だ。でも、社説には歌だけが引かれていて作者名は載っていない。

こうした引用の仕方には強い違和感を覚える。「西前敦子」の四文字をなぜ入れなかったのだろう。有名歌人でなく投稿歌だから構わないと思ったのか。あるいは作者など誰でもいいと思っているのか。

同じ新聞に掲載された短歌なので著作権の問題はないのかもしれないが、短歌やその作者に対する敬意がまったく感じられない。他人が苦心して詠んだ作品を、ちょいっとつまみ食いしているようなものではないか。

こうした作者名抜きの引用はダメだと、一歌人としてはっきり言っておきたい。

posted by 松村正直 at 14:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月13日

村上春樹『海辺のカフカ』(下)


小説を読む楽しみはいろいろあると思うが、村上春樹の場合、会話の随所にあらわれる箴言のようなものに惹かれる。

でも私は思うんだけど、生まれる場所と死ぬ場所は人にとってとても大事なものよ。もちろん生まれる場所は自分では選べない。でも死ぬ場所はある程度まで選ぶことができる。
思い出はあなたの身体を内側から温めてくれます。でもそれと同時にあなたの身体を内側から激しく切り裂いていきます。
人間にとってほんとうに大事なのは、ほんとうに重みを持つのは、きっと死に方のほうなんだろうな、と青年は考えた。死に方に比べたら、生き方なんてたいしたことじゃないのかもしれない。

この小説にはさまざまな登場人物が出てくるけれど、最も魅力的だったのはナカタさんかもしれないな。

2005年3月1日発行、2024年11月10日55刷。
新潮文庫、950円。

posted by 松村正直 at 20:35| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月12日

村上春樹『海辺のカフカ』(上)


村上春樹の熱心な読者ではないのだが、時おり何かのきっかけで手に取って読み、そのたびに引き込まれる。『海辺のカフカ』もそんな1冊(上下2冊)だった。

僕らの人生にはもう後戻りができないというポイントがある。それからケースとしてはずっと少ないけれど、もうこれから先には進めないというポイントがある。そういうポイントが来たら、良いことであれ悪いことであれ、僕らはただ黙ってそれを受け入れるしかない。
エジソンが電灯を発明するまでは、世界の大部分は文字通り深い漆黒の闇に包まれていた。そしてその外なる物理的な闇と、内なる魂の闇は境界線なくひとつに混じり合い、まさに直結していたんだ

一つだけ気になったのは啄木に関する記述。

そのお父さん、つまり先々代は、自身歌人でもあり、その関係で多くの文人が四国に来るとここに立ち寄った。若山牧水とか、石川啄木とか、あるいは志賀直哉とか。

小説の主要な舞台となる高松の「甲村記念図書館」に関する話である。架空の図書館の話なので別にこだわることもないのだけれど、啄木は四国には行ってない。四国どころか横浜より西には一度も足を運んだことがない。

そのため、読んでいて「えっ??」と思ってしまったのだった。

2005年3月1日発行、2023年9月30日59刷。
新潮文庫、900円。

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2025年01月11日

オンライン講座「短歌のコツ」

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現在、NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ教室」の受講者を募集中です。

初回は1月23日(木)。毎月第4木曜日の19:30〜20:45、75分間の講座になります。前半に短歌のコツに関する講義を行って、後半は一人1首の批評・添削という流れで、質疑応答の時間も多めに取っています。

ご興味のある方は、どうぞご受講ください。

https://college.coeteco.jp/live/m331crpq

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2025年01月10日

住吉カルチャー&フレンテ歌会

この冬一番の寒波が来て朝からJRのダイヤが乱れていたが、何とか無事に神戸に到着。

10:30〜12:30、神戸市東灘区文化センターで「住吉カルチャー」を行う。初参加の方もいて、参加者は計12名。今日は斎藤美衣歌集『世界を信じる』を取り上げた。内容にも修辞にも見どころが多くて話が盛り上がった。

13:00からは同じ場所で「フレンテ歌会」、参加者11名。寒さや体調不良のためにお休みの方が多く、ちょっと残念。自由詠1首、題詠「変」1首の計30首について議論した。17:00に終了。

今日はとにかく寒くて交通機関の乱れも心配なので、食事には行かずにそのまま解散。

住吉カルチャー(毎月第1金曜日定例)はどなたでも参加できますので、興味のある方はご連絡ください。初心者の方もベテランの方も、どなたでも大歓迎です!

posted by 松村正直 at 23:32| Comment(0) | カルチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月09日

連載で文章を書く

「角川短歌」に連載中の「啄木ごっこ」の第77回を書いている。2018年11月号から始まった連載は、気づけば丸6年を超えた。

これまで、雑誌の連載をもとに2冊の本を出している。

『高安国世の手紙』(2013年)は2009年から2011年まで「塔」に計35回連載した文章をまとめたものだし、『樺太を訪れた歌人たち』(2016年)も「短歌往来」に2013年・14年に計24回連載した文章が中心になっている。

連載で文章を書く際に大事なのは、「黙々と書く」ことだ。読者からの反応は連載の初めの数回だけで、それ以降はほとんど(あるいは全く)反響はない。書いているうちに、一体自分は何をしているんだろうという疑問も湧いてくる。

そんな時に忘れてはならないのが「黙々と書く」ことである。反応があろうがなかろうが、ひたすら書き進める。書いていくうちに自分なりの発見もあるし、道筋が見えてくることもある。とにかく、黙ってこつこつ書くだけだ。

幸いなことに「啄木ごっこ」は連載の終わりが見えてきた。第80回の完結に向けて、引き続き残りの4回を黙々と書いていきたい。

posted by 松村正直 at 17:05| Comment(0) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月08日

七宮A三『晩年の石川啄木』

1972年に冬樹社より刊行された単行本(宮守計名義)の新書化。著者名がペンネームから本名に変っている。

啄木と啄木が晩年に親しくしていた丸谷喜市(1887‐1974)の関わりを記した本。丸谷は当時、東京高等商業学校専攻部(現在の一橋大学)の学生で、後に経済学者となり神戸経済大学(現在の神戸大学)の学長などを務めた。

許嫁七宮きよとは、大正三年に結婚。息子四人、娘二人を得たが、二人の娘には、それぞれ、京子、節子と名づけた。

丸谷が二人の娘に、啄木の娘と妻の名を付けていたという事実を初めて知った。これは丸谷の啄木に対する深い尊敬を示す話だろう。

著者は丸谷の義理の甥であり、1970年に晩年の丸谷から直接数々の貴重な証言を聞き出している。

丸谷 啄木は、当時、五十年前のロシヤの青年のヴ・ナロード≠ノ非常に感激していたことは事実だ。しかし、その受け取り方は感情的、空想的なものだったと思う。
丸谷 啄木はやはり無政府主義を文学者の見方で見ている。どうしてそこにいくか、それをどういう風にするか、そこまでは考えておらんのですわ。可能性も考えていない。

こうした証言は、啄木の晩年の思想を理解する上で大きな示唆を与えてくれる。

1987年3月10日、第三文明社レグルス文庫、680円。

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2025年01月06日

映画「グランメゾン・パリ」

監督:塚原あゆ子
出演:木村拓哉、鈴木京香、沢村一樹、及川光博、冨永愛、オク・テギョン、正門良規ほか

年末にたまたまスペシャルドラマ「グランメゾン東京」をテレビで見て、その流れで正月にTverで2019年放映のテレビドラマ「グランメゾン東京」全11話を見て、その流れで公開中のこの映画も観た。

これは、まさに制作サイドの思惑通りではないか。

映画は残念ながら今ひとつ。テレビドラマの方が面白かった。舞台がパリということで、日本人がフランス語を話す場面が多くあるのだが、そのたびに何だか緊張してしまってゆったり見られなかった。別にフランス語はわからないのだけれど。

MOVIX京都、117分。

posted by 松村正直 at 13:23| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月05日

久々湊盈子『加藤克巳の百首』


「歌人入門」シリーズの12冊目。
副題は「生きていることの実感」。

加藤克巳の歌100首の鑑賞と解説「歌人加藤克巳の出立」を収めている。70年以上にわたって歌を詠み、さまざまに作風を変えていった加藤の魅力がよく伝わってくる内容だ。

まつ白い腕が空からのびてくる抜かれゆく脳髄のけさの快感
/『螺旋階段』(1937年)
鶴はしづかに一本の脚でたちつづけるわらひのさざなみにかこまれながら
/『宇宙塵』(1956年)
かなしみとおかしさが一緒にやってくるトランペットトランペット野から山から
/『球体』(1969年)
たましいのあくがれいずるごとくして朴の高枝を花離れゆく
/『万象ゆれて』(1978年)
いとじりを撫でたりするなまだ早い老いぶるなんておかしいではないか
/『矩形の森』(1994年)

写実的な作風とは違うので、一首をどのように読み取るか、さまざまな迷いや試行錯誤が繰り返される。

いずれも超現実的な絵画を思わせるような作りだが、字面をそのまま追ってもつまらない。
高度成長期に入った日本経済の、成功を夢見て逸る青年の姿、などといった小賢しい講釈など抜きに味わってみたい。
いや、ここではそんな対比など思わずに発展をつづける大都会の光景としてのみ鑑賞すればいいのだろう。

画家の瑛九(1911−1960)との交友について知ることができたのも収穫だった。

隣市に住んでいたフォト・デッサンで世界的に著名な瑛九とも親交があり、歌集『宇宙塵』『球体』の表紙絵としたことを無上の喜びと語っていた。

加藤は与野市(現・さいたま市)、瑛九は浦和市(現・さいたま市)に住んでいた。新歌人集団が浦和で発足したことや、「浦和画家」と呼ばれる画家たちがいることを考えると、浦和が芸術・文化の大きな磁場であったことがよくわかる。

2024年10月11日、ふらんす堂、1700円。

posted by 松村正直 at 10:55| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月04日

桑原憂太郎『現代短歌の行方』


第40回現代短歌評論賞を受賞した著者の初めての評論集。

全体が三章に分かれていて、Tは現代口語短歌に関する評論、Uは時評集、Vは歌論集となっている。日本語文法や物語論を踏まえた分析が随所に見られ、説得力のある内容となっている。

現在、様式化していると思われる特徴的な技法として、1動詞の終止形、2終助詞、3モダリティ、の三つの活用による技法について取り上げる。
近代短歌が「静止画的リアリズム」で、現代口語短歌が「動画的リアリズム」だとして、では、なぜ、現代口語短歌はこんな「動画的リアリズム」の手法をとることになったのか。
「私」のことを詠っていれば、〈私性〉ということにはならない。いくら実体験であろうが、短歌文芸で〈私性〉を彫琢するには、そのための技法というものが必要になる。
現代口語短歌には、こうした〈語り手〉の語りと〈主体〉の「心内語」の混然が現時点で確認できる。こうした〈私〉の混然は、少なくとも小説世界の文体では出現していないだろう。

あとがきに「しばらくは書くことが尽きることはないから、これからも短歌の世界で、あれやこれやと書き続けることになるのだろう」とある。今後のさらなる活躍が楽しみだ。

2024年9月30日、六花書林、2400円。

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2025年01月03日

近刊!「パンの耳」第9号

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同人誌「パンの耳」第9号は、1月20日発行予定です。

今回も充実した内容となりました。
みなさん、どうぞお楽しみに!

posted by 松村正直 at 23:29| Comment(0) | パンの耳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月02日

くにたち短歌大会選評座談会

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1月29日(水)19:00〜20:00、NHK学園「くにたち短歌大会」の選評座談会があります。選者の沖ななもさん、佐佐木定綱さん、米川千嘉子さんと私の4人で、入選歌について語り合います。参加費無料ですので、ぜひご視聴ください。

さらに、座談会をご視聴くださった方は、続く20:00〜21:00の「N学短歌plus」オンラインライブ講座も無料でご視聴いただけます。2つ合わせて2時間無料というお得な内容です。お申込み、どうぞよろしくお願いします!

https://college.coeteco.jp/live/5zzwcx0d

posted by 松村正直 at 20:16| Comment(0) | カルチャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今年の目標は…

・ 第6歌集を出す。
・「啄木ごっこ」の連載を完結する。
・「パンの耳」第9号、第10号を発行する。
・ 父に会いにできるだけ多く東京に行く。
・ 部屋を清潔に保ち健康に過ごす。

posted by 松村正直 at 03:10| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月31日

2024年の活動記録

作品
 ・「長い散歩」8首(「歌壇」1月号)
 ・「レシート」10首(「角川短歌」3月号)
 ・「甲」15首(「パンの耳」第8号)
 ・「皮膚と戦争」10首(「短歌研究」5・6月号)
 ・「水位」13首(「短歌往来」10月号)
 ・「三角公園」3首(「うた新聞」10月号)

連載
 ・啄木ごっこ(第63回)長男の誕生と死(「角川短歌」1月号)
 ・啄木ごっこ(第64回)短歌滅亡論をめぐって
                    (「角川短歌」2月号)
 ・啄木ごっこ(第65回)『一握の砂』刊行
                    (「角川短歌」3月号)
 ・啄木ごっこ(第66回)泣く、感傷的、青春?
                    (「角川短歌」4月号)
 ・啄木ごっこ(第67回)編集者・歌人西村陽吉
                    (「角川短歌」5月号)
 ・啄木ごっこ(第68回)推敲術あれこれ(「角川短歌」6月号)
 ・啄木ごっこ(第69回)人称と視点(「角川短歌」7月号)
 ・啄木ごっこ(第70回)土岐哀果との一年三か月
                    (「角川短歌」8月号)
 ・啄木ごっこ(第71回)入院の日々(「角川短歌」9月号)
 ・啄木ごっこ(第72回)幻の雑誌「樹木と果実」
                    (「角川短歌」10月号)
 ・啄木ごっこ(第73回)ココアと飛行機(「角川短歌」11月号)
 ・啄木ごっこ(第74回)最後の転居(「角川短歌」12月号)

 ・ことば以上こころ未満(第10回)(「NHK短歌」1月号)
 ・ことば以上こころ未満(第11回)(「NHK短歌」2月号)
 ・ことば以上こころ未満(第12回)(「NHK短歌」3月号)
 ・ことば以上こころ未満(第13回)(「NHK短歌」4月号)
 ・ことば以上こころ未満(第14回)(「NHK短歌」5月号)
 ・ことば以上こころ未満(第15回)(「NHK短歌」6月号)
 ・ことば以上こころ未満(第16回)(「NHK短歌」7月号)
 ・ことば以上こころ未満(第17回)(「NHK短歌」8月号)
 ・ことば以上こころ未満(第18回)(「NHK短歌」9月号)
 ・ことば以上こころ未満(第19回)(「NHK短歌」10月号)
 ・ことば以上こころ未満(第20回)(「NHK短歌」11月号)
 ・ことば以上こころ未満(第21回)(「NHK短歌」12月号)

評論
 ・「以前、身近、普遍性」(「井泉」1月号)
 ・「コロナ禍と短歌」(「歌壇」6月号)

書評
 ・福士りか歌集『大空のコントラバス』評
                  (「現代短歌新聞」2月号)
 ・大塚寅彦歌集『ハビタブルゾーン』評(「短歌」3月号)
 ・三井修歌集『天使領』評(「現代短歌新聞」4月号)
 ・大松達知歌集『ばんじろう』評(「短歌往来」5月号)
 ・大原清明歌集『渚のセレナーデ』評(「現代短歌新聞」7月号)
 ・花山多佳子歌集『三本のやまぼふし』評
                 (「現代短歌新聞」10月号)
その他
 ・秀歌を読もう「田村穂隆」(「短歌春秋」169号)
 ・選者のことば(「彩歌」2024年冬号)
 ・選者のことば(「彩歌」2024年春号)
 ・選者のことば(「彩歌」2024年夏号)
 ・選者のことば(「彩歌」2024年秋号)
 ・合同歌集『さくら 第三十三集』選歌
 ・講演要旨「啄木短歌の超絶技巧」
              (「大阪歌人クラブ会報」第136号)
 ・講演要旨「小池光の歌のあれこれ」
           (令和五年度「和歌山県歌人クラブ会報」)
 ・白井陽子歌集『切り株』栞文
 ・「2023年度秋の大会」傍聴記(「国際啄木学会会報」第42号)
 ・「現代短歌評論賞」選考座談会(「短歌研究」10月号)
 ・藤澤幸男歌集『はる』栞文
 ・宮下重美歌集『北風に立つ』帯文
 ・あらためて読むNHK全国短歌大会作品(「短歌春秋」172号)
 ・七月の歌(「六花」vol.9)

出演
 ・第26回「あなたを想う恋のうた」審査員
 ・講座「短歌ー連作の作り方」(2月4日)
 ・講座「2023年下半期、注目の歌集はこれだ!」(3月16日)
 ・笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会パネリスト
                         (3月24日)
 ・講座「『ラジオと戦争』今、戦時下メディアの責任に向き合う」
                         (5月25日)
 ・講座「短歌―歌集の編み方、作り方」(7月27日)
 ・オンラインイベント「戦争で負傷した軍人は何を詠んだのか?
    ― 村山壽春の短歌」(8月6日)
 ・講座「没後35年 上田三四二の短歌を読む」(10月6日)
 ・鳥取県民短歌大会講演「平明で奥深い歌」(11月10日)
 ・岩国市民短歌大会講演「短歌と省略」(11月24日)

posted by 松村正直 at 22:59| Comment(0) | 活動記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月30日

雑詠(045)

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あれこれ考えてしまって眠れないのだと八十四歳の父がかなしむ
白菜と豚バラ肉と柚子を買う靴ひもが今日ほどけやすくて
もう家も土地もなければ帰ることなきふるさとの坂とぶらんこ
秋の旅は大きな公孫樹が目に付いてそこが目当ての寺だとわかる
弁当のご飯は冷たいほうが好き喉に詰まるを茶で流し込む
そううまく死ねるもんではないよって父に言うたぶん励ますために
銅像が引き倒されて青空にあらたな次の像が建つまで

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2024年12月29日

今日の朝日新聞から

今日の朝日新聞から印象に残った記事を二つ。

まずは、岸本尚毅の俳句時評「「写生」は言語操作」。岸本は宇井十間の評論集『俳句以後の世界』を引きながら、次のように書く。

俳句に「現前性」をもたらす「写生」という手法は、一般に考えられているような「見たまま」の描写ではなく、むしろ「言語操作」なのである。

これは短歌にもそのまま当てはまる話で、とても重要な指摘だ。

もう一つは、有田哲文記者のコラム「日曜に想う」。前田勉『江戸の読書会』を取り上げて、江戸時代の学習法である「会読」について記している。

一つの特徴が「遊び」の要素で、誰が書物を深く読めるかを競い合った。身分の上下に関係なく、実利にもつながらないからこそ、熱くなれた。
もう一つの特徴が、異なる意見に出合い、そこから学ぼうとする姿勢だ。加賀藩の藩校・明倫堂は学生にこう求めた。明白な結論に至るため、虚心に討論しよう。みだりに自分の意見を正しいとし、他人の意見を間違いとする心を持つのは見苦しい――。

これは、まさに歌会のあり方そのものだ。歌の前では誰でも平等。自由に意見を交わし合い、みんなで協力して一首の読みを深めていく。

そうした姿勢が大事なのは、短歌に限らない話なのだろう。

posted by 松村正直 at 23:44| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする