2016年に河出書房新社から刊行された『ことばあそびの歴史―日本語の迷宮への招待』を文庫化したもの。
「万葉集」「古今和歌集」から中世、江戸時代、幕末・明治と、豊富な実例を紹介しながら、日本語の言葉遊びの歴史をたどった本。このところ、短歌と言葉遊びの関わり(?)に関心があって読んでみた。
日本語について知らなかった話がたくさん出てくる。
「総ルビ」方式であっても、数字には振仮名を施さないというのがいわば「暗黙のルール」だったようで、数字にはまったくといっていいほど振仮名がない。
明治三十三年八月二十一日に、文部省令第十四号としてだされた「小学校令施行規則」の第一章「教科及編制」の第一節「教則」の第十六条において、「小学校ニ於テ教授ニ用フル仮名及其ノ字体」が示された。(…)この時をもって、それ以外の字体を「変体仮名」と呼ぶことになった。
「ハ行転呼音現象」は日本語全体におこった音韻変化なので、例外がほとんどない。その中で、「はは」が現在も「ハワ」ではなくて「ハハ」という発音であるのは、珍しいことだ。
日本の「ことばあそび」の中核には、和歌や連歌、さらには俳諧、川柳といった韻文の文学があるといってもよい。(…)制約のもとでの表現行為が言語についての観察を精密にし、さまざまな面から言語をとらえる「心性」を養う。
近代以降、言葉遊びの要素は短歌から減っていき今ではあまり目にすることがなくなった。現代では漫才などのお笑いの世界が言葉遊びの中核を担っているのかもしれない。
2020年11月20日、河出文庫、1100円。









































