2011年07月30日

映画「サンザシの樹の下で」

「初恋のきた道」のチャン・イーモウ監督の最新作。

原作は中国系アメリカ人作家エイミーの書いた中国語小説『サンザシの恋』。ネットで発表されて評判となり、中国で300万部が売れたベストセラーらしい。

純愛モノであるが、ストーリーがやや平凡で、今ひとつの内容であった。宣伝のスチル写真に使われているカットが映画には登場しなかったりするので、あるいは編集の問題なのかもしれない。農村の風景や人々の暮らしの様子などはとても良いのだが。

MOVIX京都、114分。

posted by 松村正直 at 09:35| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

映画「プリンセス・トヨトミ」

MOVIX京都にて。
原作:万城目学、監督:鈴木雅之、出演:堤真一・綾瀬はるか・岡田将生・中井貴一ほか。
119分。

原作の面白さと奥行きをどの程度まで映像化できるのかと心配したが、映画は映画でよく出来ていた。いくつかの設定変更にも無理がないし、脚本も悪くないと思う。でも、原作の持つ広がりを2時間にまとめるわけだから、どうしても話は小粒になってしまう。そこは、まあ、仕方がないだろう。

綾瀬はるかはまずまず。岡田将生はほとんど持ち味を発揮できていない気がした。堤真一は好きなのでOK。

大阪はいつも用事がある時に行くだけなので、今度ゆっくり観光して見て回りたい。

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2011年06月10日

映画「マイ・バック・ページ」

MOVIX京都にて。

舞台は70年安保の政治的な運動が高揚から退潮へと転じる1969年〜72年の東京。運動のうねりの中にあって傍観と行動との狭間で揺れ動くジャーナリストが、朝霞自衛官殺害事件に深く関わっていくまでを描いている。原作は川本三郎の自伝的な小説。

監督は山下敦弘。妻夫木聡・松山ケンイチ主演。妻夫木はこれまでドラマや映画で何度も見たことがある俳優だが、今回が一番良かった。

モデルとなった事件が起きたのは、今から40年前の1971年。さすがに当時と今とでは社会情勢が大きく変っていて、登場人物の思考や感情をすぐには受け入れられない部分も多い。革命や新左翼運動に対するシンパシーも、今ではなかなか理解できなくなっているだろう。

そう考えると、短歌の世界で40年前の作品を普通に読んでいるというのは、ある意味、驚くべきことなのかもしれない。例えば河野さんの『森のやうに獣のやうに』も1972年の歌集であるが、それほど違和感を覚えることなく今でも読むことができる。

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2011年02月13日

映画「毎日かあさん」

MOVIX京都にて。

西原理恵子の人気マンガの映画化。原作の一ファンとしてぜひ見ておかなくてはという感じ。このところ、西原作品の映画化が相次いでいるなあ。

監督小林聖太郎、主演小泉今日子・永瀬正敏。ほぼ原作に忠実なストーリーで、俳優の抑えの利いた演技(あるいは監督の演出)が良かった。子役二人も可愛いくてうまい。途中でホロッと泣きかけた。

内容的にいろいろと身につまされる所があって、しんみりとする。また、マンガのリアリティと映画のリアリティの違いや、表現することが持つ暴力性などについても考えさせられた。

☆☆☆☆(星4つ)
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2010年12月24日

映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」

京都シネマにて。
原作・鴨志田穣、出演・浅野忠信、永作博美ほか、監督・東陽一。

アルコール依存症の主人公が漫画家の元妻などの支えを受けながら、依存症を克服して家族のもとに帰るまでの物語。クリスマスイブに見るにはちょっと重い内容で、いろいろと身につまされるものがあった。アルコール病棟での日々の生活が細部に至るまでリアルに描かれている。

浅野忠信は「PiCNiC」(1996)の頃から、その俳優としての存在感に注目してきた。ただ、この人は演技がうまいのかどうか、どうもよくわからない。演技くさくない演技をしているようでもあり、素のままのようでもあって、何とも不思議な感じだ。

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2010年11月26日

映画「マザーウォーター」

京都シネマにて。

京都を舞台に7人の男女(+赤ちゃん)のゆるやかに交差する日常を描いた作品。全編にわたって、鴨川や白川など水の流れる音が響いている。登場人物たちも豆腐屋、喫茶店、バー、銭湯など、水と関わる暮らしを送っていることに気が付いた。

途中でわが家から徒歩で数分の藤森神社が出てきて驚く。藤森神社もまた「不二の水」という湧水が出ることで有名なのだ。それにしても普段見慣れている場所がスクリーンに映し出されるというのは、不思議な気分である。

氷を入れて水割りを作るシーンとか、豆腐の店先で豆腐を食べるシーンとか、何でもないような場面を丁寧に撮っていて、気持ちの良い映画であった。

監督は松本佳奈。出演、小林聡美、小泉今日子、加瀬亮、市川実日子、永山絢斗、光石研、もたいまさこ他。


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2010年07月03日

映画「シーサイド・モーテル」

MOVIX京都にて。守谷健太郎監督。

「シーサイド」とは名ばかりの山の中にある古ぼけたモーテル。そこに泊まる4部屋の客たちはいずれもワケありで、さまざまなトラブルが繰り広げられる。

4部屋で同時進行するストーリーを絡み合わせる手法は、ジム・ジャームッシュ監督の「ミステリートレイン」やタランティーノなどが監督した「フォールームス」を思い出させるが、脚本がよく出来ていて楽しい。

俳優ではヤクザ役の玉山鉄二が特に良かった。男のセクシーさというのだろうか。成海璃子もいい。「武士道シックスティーン」「書道ガールズ」に続いて、このところ映画でよく見かける。この人は眉間に寄った皺が良い。
posted by 松村正直 at 21:48| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

映画「パーマネント野ばら」

西原理恵子原作、菅野美穂主演。「MOVIX京都」にて。

海沿いの町にある小さな美容室「パーマネント野ばら」。離婚して一人娘とともに戻ってきた主人公を中心に、幼なじみや母親・店の常連客といった人々の織り成す悲喜こもごもの日常が描かれる。

圧倒的に女性が強い。登場する男性は、みんなダメな男ばかり。酒飲んだり、暴力振るったり、浮気したり、お金をせびったり、ギャンブルしたり・・・。

笑う場面もたくさんあるけれど、しんみりする場面も多い。自分の家族や友人や故郷のことを思い出したりした。生きるってことは強いことだなぁと、あらためて思う。
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2010年05月25日

映画「ヒロシマ・モナムール」

アラン・レネ監督、マルグリット・デュラス原作脚本、1959年の日仏合作映画。原題は「Hiroshima, mon amour」

「京都みなみ会館」で今週五日間だけの上映。前から見たいと思っていた映画を見ることができた。戦後の広島を舞台に、フランス人の女優と日本人の建築家が出逢う一日の物語。映画はホテルで抱き合う二人の「私はヒロシマを見たわ」「きみはヒロシマを見なかった、何も」という印象的な会話から始まる。当時の原爆資料館や平和公園、原爆ドームなどの映像もあり、印象に残った。

大口玲子さんの歌集『東北』に、この物語を元にした連作「ヒロシマ私の恋人」がある。

  真夏汗して人を抱き敷き立秋の向かうに燃ゆる都市の名を呼ぶ
  君を都市の名前で呼べば痩せて痩せて平凡な死を死ぬ朝の表情(かほ)

また、谷村はるかさんの歌集『ドームの骨の隙間の空に』の歌の中にも、この物語は響いているように思う。

  おまえはまだたった一人を愛し得たことさえないと広島は言う
  平和は愛の別名だから会う会いたいあの街にそれ以外思わない

映画の中の会話はすべてフランス語。岡田英次のフランス語は「ヒロシマ」と言っているが、エマニュエル・リヴァの方はH音のない「イロシマ」。それを聞いて次の歌を思い出した。

  「イロシマハ、ナツノキゴカ」と問ふサラに冬には詠まぬ我を恥ぢたり
                         小川真理子『母音梯形』

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