2021年10月30日

みんな若くして

最近このブログで取り上げている人って、
みんな若くして亡くなっているな。

・石川啄木  26歳
・小林多喜二 29歳
・佐藤泰志  41歳
・野呂邦暢  42歳
・土方歳三  34歳

posted by 松村正直 at 18:51| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月23日

今年の新刊

今年は2月に『駅へ』新装版(野兎舎)を刊行しました。もともと2001年に出た第1歌集なので20年ぶりの復刊となります。

また、9月には短歌時評集『踊り場からの眺め』(六花書林)を刊行しました。2011年〜2021年の10年間に新聞や短歌雑誌に書いてきた時評類をまとめたものです。

どちらも、まだまだ在庫がありますので、どうぞお読みください。

下記の版元やネット書店等でお買い求めになれます。また、松村宛にご連絡いただければ直接販売もいたします。

○『踊り場からの眺め』
六花書林
アマゾン

○『駅へ』新装版
野兎舎オンラインストア
アマゾンKindle版

また、葉ね文庫(大阪)など一部の書店でも販売しております。

posted by 松村正直 at 11:17| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月22日

『現代短歌分類辞典』

つばた英子・つばたしゅういち『ふたりからひとり』を読んでいて、驚いたことがある。

(英子)しゅうタンの父親は、近代の短歌を調べて全集を残した人ですけど、お金儲けとはまったく無縁な人でね、だからしゅうタンは、中学校も行けるかどうかわからない状況だったらしいの。

「近代の短歌を調べて全集を残した人」って誰のことだろう?と思って読み進めると、さらに、こんな箇所に出会う。

(しゅういち)僕の親父は晩年、いつもカードに歌を書いていました。明治、大正、昭和の時代の短歌分類辞典をつくるためで、六十万枚くらい、そのカードはあったと思います。そんな本をつくるために、既成の出版社からではなく、自分で調べて原稿をつくり、印刷も自分でやって本を出しました。

あっ、と思って調べると、津端亨編『現代短歌分類辞典』のことであった。新装版 61巻を含め、通巻219巻もの大著である。そんな本を手書きのカードで作成したって、一体どんな人だったんだろう。

posted by 松村正直 at 23:55| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月15日

半田

神様は信じないけれど、偶然は信じることにしている。
本を読んでいると、全く関係ない別の本が偶然交差することがある。

最近読んだ『日本発酵紀行』は、初めに東海地方の醸造蔵を取り上げている。

東海エリアでは各蔵がそれぞれ古くからの製造設備を維持して、自社ですべての生産工程を担っている蔵が多い。味の自立性も高ければ、蔵の自立性もものすごく高い。

そして、ミツカンの話も出てくる。

現代における造酢の雄であるミツカンは、知多半島→江戸という東の廻船航路を制覇した。

このミツカンの本社があるのが愛知県半田市。
『ときをためる暮らし』『ふたりからひとり』の語り手、つばた英子さんはこの半田市の出身だ。

私が育った半田の実家は、一〇〇〇坪あまりの敷地に、酒蔵、精米、樽屋などの酒造りの工房があって、中庭を囲むように本宅が建てられていたの。二〇〇年以上続いた小さな造り酒屋でしたけれども、たくさんの人が働いていたんですよね。

まさに醸造蔵を構える家である。
さらに、最近興味を持っている『新版画作品集』の表紙。


 handa.jpg

これは、川瀬巴水の「尾州半田新川端」(昭和10年)という作品。
川沿いに木造の蔵が立ち並んでいるが、これは醸造関連のものだったわけだ。

こういう偶然は嬉しい。
半田・・・ぜひ、一度訪れてみようと思う。

posted by 松村正直 at 19:00| Comment(3) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月12日

エッセイ「投稿が青春だった」

現在発売中の角川「短歌」10月号に、巻頭エッセイ「投稿が青春だった」を書きました。ネットの「試し読みをする」の範囲に全文含まれていますので、どうぞお読みください。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000118/

posted by 松村正直 at 07:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月09日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を毎月2回、木曜日の夜に行っています。毎回1つのテーマ(語順、省略、繰り返し、表記、身体感覚など)について講義をして、作品の批評・添削も行います。

ZOOMを使った講座ですが、顔出しは自由です。
どうぞお気軽にご参加下さい。

日程 @10/14 A10/28 B11/11 C11/25 D12/9 E12/23
時間 19:30〜20:45

https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/7671(3回分)
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/7605(6回分)

posted by 松村正直 at 20:46| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月01日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」が新しいクール(全6回)に入ります。毎回一つのテーマに沿った講義をして、その後、受講生の作品(事前に1首提出)の添削指導も行います。ご興味のある方はこの機会にぜひご参加下さい。

https://coubic.com/ngaku-online/528455

日程 @10/14 A10/28 B11/11 C11/25 D12/9 E12/23
時間 19:30〜20:45
posted by 松村正直 at 07:51| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月24日

新刊『踊り場からの眺め』

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今月、『踊り場からの眺め 短歌時評集 2011-2021』(六花書林)を刊行しました。

毎日新聞の「短歌月評」48回、朝日新聞の「短歌時評」23回、角川短歌の「歌壇時評」18回、現代短歌新聞の「歌壇時評」6回など、2011年から2021年に書いた時評・評論をまとめました。私がこの10年間に考えてきたことの全てが詰まった一冊です。

Amazonhontoe-honなどのネット書店の他、版元の六花書林や一部書店でも販売中です。

また、私の手元にも在庫があります。購入希望の方はメール等でご連絡下さい。masanao-m☆m7.dion.ne.jp(☆を@に変えて下さい)
全330ページ、定価2500円です。

posted by 松村正直 at 08:32| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月17日

文学フリマ大阪

9月26日(日)に開催される第9回文学フリマ大阪に出店します。
https://bunfree.net/event/osaka09/

・日時 9月26日(日)11:00〜17:00
・場所 OMMビル 2F B・Cホール
・入場料 無料

新刊の短歌時評集『踊り場からの眺め』や今年復刊した歌集『駅へ』(新装版)のほか、既刊の歌集・歌書を格安の価格にて販売します。

お近くの方は、ぜひお立ち寄り下さい。
ブースは「やさしい鮫」(J−4)です。

posted by 松村正直 at 06:15| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月10日

30年という歳月

映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」は1991年製作、1992年公開の作品。1992年当時、私は大学4年生だった。

30年経って同じ作品を観ると、以前とは少し見方が違ってくる。

例えば最初のロサンゼルスの話。タクシー運転手(コーキー)のウィノナ・ライダーは20歳、客(ヴィクトリア)のジーナ・ローランズは61歳だ。学生の時は年齢の近いコーキーに肩入れして映画を見ていたけれど、今ではヴィクトリアの気持ちもよくわかる。

車内であれこれ注意するヴィクトリアに、コーキーは冗談っぽく「Sure, mom.」「Okay, mom.」(はい、ママ)と答えるのだが、最後の別れの場面になって、今度はヴィクトリアが「Sure, mom.」と返す。そんなところが胸にグッとくるようになった。

posted by 松村正直 at 14:53| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月04日

歌集の寄贈文化

歌集の寄贈文化については、近年とみに風当たりが強くなっている。歌壇内部の相互寄贈から一般に開かれた販売へ、という流れは今後ますます進んでいくだろう。

そのことについては。全く異論はない。今回考えてみたいのは、そもそも歌集の寄贈とは何だったのか、ということである。

私の考えでは、それは農村の共同作業である「結」や、お金を出し合って輪番制で寺社に参詣する「講」に近いものなのだと思う。

例えば、メンバーが500名の集団を仮定してみる。メンバーは10年に一度、2500円の歌集を500冊刷って全員に寄贈するとする。各メンバーが支払う金額は、自分が歌集を出した時に払う、2500円×500冊=125万円である。

つまり10年間(120か月)で払うのは125万円。もらうのは、500名の歌集1冊ずつ。これを月単位で考えると、毎月約1万円の会費を払って、歌集を4冊手にする計算になる。

ざっとした計算ではあるけれど、大体これくらいの感覚で歌集の相互寄贈は行われてきたと言っていいのではないか。

もちろん、相互寄贈だけでは歌壇外の方に歌集を読んでもらうことはできないし、書店等で一般に流通することもない。そもそも毎月1万円も積み立てられるかといった話にもなるだろう。

そうした問題点を抱えていることは間違いない。今後はもっと開かれた形へと変っていくのが必然だ。

でも、だからと言って、これまでの寄贈文化を単に否定するだけでいいのかという思いも残る。寄贈が果たしてきた相互扶助的な役割や意義についても、この時代の変り目にきちんと確認しておきたいと思うのだ。

posted by 松村正直 at 12:32| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月02日

オンライン講座「はじめての短歌」(全4回)

NHK学園のオンライン講座「はじめての短歌」を行います。
全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/6958

まったく初心者の方も、もう一度基本をおさらいしたい方も、どうぞご参加ください。

■日程・時間
 9月8日・9月15日・9月22日・9月29日(水)16:00〜17:15

■内容
 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り

・全4回一括申込み
https://coubic.com/ngaku-online/915029
・9月8日単発申込み
https://coubic.com/ngaku-online/836794

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2021年08月25日

短歌時評集『踊り場からの眺め』刊行予定

9月上旬に短歌時評集『踊り場からの眺め』(2500円)を六花書林から刊行します。

毎日新聞の「短歌月評」48回、朝日新聞の「短歌時評」23回、角川短歌の「歌壇時評」18回、現代短歌新聞の「歌壇時評」6回など、2011年から2021年に書いた時評や時評的な文章をまとめました。

私がこの10年間に考えてきたことの全てが詰まった一冊です。皆さん、ぜひお読みください!

posted by 松村正直 at 23:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月20日

NHK学園のオンライン講座

Zoomを使った短歌のオンライン講座を行っています。
皆さん、どうぞお気軽にお申込みください。

●「短歌のコツ」 木曜日(月に2回)19:30〜20:45
 https://coubic.com/ngaku-online/815976

「可視化」「直喩」「固有名詞」など、毎回一つテーマを決めて歌作りのコツをお伝えする講座です。

●「はじめての短歌」 水曜日(全4回)16:00〜17:15
  9月8日・9月15日・9月22日・9月29日
 https://coubic.com/ngaku-online/915029

全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。

 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り

posted by 松村正直 at 00:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月11日

フォト短歌

同人誌「パンの耳」の仲間の升本真理子さんが、自身のウェブサイトで短歌と写真を組み合わせた動画「フォト短歌」を公開しています。

https://marikomasumoto.com/tanka

「竜巻雲」(約3分)と「「ここから」に立つ」(約3分)の2作品です。ぜひご覧ください!

posted by 松村正直 at 16:15| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月07日

オンラインイベント「『戦争の歌』を読む」(8月12日)

8月12日に野兎舎主催のオンラインイベント「『戦争の歌』を読む」を開催します。戦争を詠んだ短歌を通じて、戦争や表現の問題について皆さんと一緒に考えたいと思います。時間は19:30-21:30。参加費は1000円です。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

詳細について
https://marrmur.com/2021/08/01/3864/
チケット購入
https://yatosha.stores.jp/items/60fb93bf1b946c7782187447

イベントに関連して、原爆を詠んだ短歌3首を引きます。何十年経っても色褪せることのない臨場感があり、戦争の過酷さをまざまざと感じます。

火傷には油が良しといふとにもかくにもバター塗りやる顔に
身体(からだ)に       白木裕『炎』

広島で被爆して妻と二人の娘を亡くした作者。全身に火傷を負いながら何とか自宅まで帰り着いた妻に、必死の思いでバターを塗り続ける。おそらくはもう助からないだろうことを、妻自身も、作者もわかっている。

爆風の一瞬この世に陽の消えてするめの如く背のちぢまる
               井上清幹

昭和29年刊行の合同歌集『広島』は、220名の1753首を収めた原爆歌集。作者は自宅の窓辺にいて激しい爆風を浴びた。引き攣るような背中の痛みが、「するめの如く」という比喩によって生々しく伝わってくる。

亡骸の子はその母に遇ひしかば白きパンツを穿かせられにき
               竹山広『残響』

原爆投下後の長崎の町を捜し回って、ようやく亡くなった子を見つけ出した母。衣服も焼けて黒く変わり果てた姿に、せめてパンツだけでも穿かせてあげたいと思ったのだろう。亡骸となっても大切な子に変わりない。

posted by 松村正直 at 10:18| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月06日

オンライン講座「はじめての短歌」(全4回)

9月にNHK学園のオンライン講座「はじめての短歌」を行います。
全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。

https://coubic.com/ngaku-online/915029
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/6958

まったく初心者の方も、もう一度基本をおさらいしたい方も、どうぞご参加ください。

■日程・時間
 9月8日・9月15日・9月22日・9月29日(水)16:00〜17:15

■内容
 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り  

posted by 松村正直 at 22:37| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月02日

三遠信

JR飯田線について調べていると、しばしば「三遠信」「三遠南信」という言葉が出てくる。初めて知ったのだが、

 三河(愛知県東部、豊橋市など)
 遠江(静岡県西部、浜松市など)
 信濃(長野県南部、飯田市など)

という3県を跨いだ地域を指す言葉らしい。

古くから「塩の道」として知られる秋葉街道や三州街道、あるいは天竜川の舟運によって、人や物の往来が盛んだったとのこと。地域と地域のつながりというものは、単に地図上の距離を見ているだけではわからないのだ。

posted by 松村正直 at 16:33| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月31日

「『戦争の歌』を読む」(8月12日)

8月12日(木)にオンラインイベント「『戦争の歌』を読む」(野兎舎主催)を行います。昨年に続いて2回目の開催で、時間は19:30-21:30。参加費は1000円です。

短歌の好きな方、歴史に興味のある方、戦争について考えたい方など、皆さんどうぞご参加ください!

詳細について
https://www.facebook.com/events/1140623766423676/
チケット購入
https://yatosha.stores.jp/items/60fb93bf1b946c7782187447

『戦争の歌』(笠間書院、コレクション日本歌人選78)はBOOTHで割引価格にて販売しております。
https://masanao-m.booth.pm/
posted by 松村正直 at 23:04| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月30日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を毎月2回、担当しています。毎回1つのテーマを決めて歌作りのポイントを解説するとともに、添削指導も行っています。

現在、全4回の枠で申込みを受付中です。
興味のある方は、ぜひご参加ください。

◆日程・時間(全4回)
2021年8月5日・8月26日・9月9日・30日(木) 19:30〜20:45    

https://coubic.com/ngaku-online/924710#pageContent

posted by 松村正直 at 21:16| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月29日

ワクチン接種

1回目のワクチン接種を受けた。

医師の問診で「座った状態での注射でいいですか?」と聞かれて「はい」と答えつつ、(えっ、立ったままで受ける人もいるの??)と思ったのだけど、用紙を見たら「座位」か「臥位」かの確認だった。

そりゃそうだ。
posted by 松村正直 at 12:11| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月26日

オンラインイベント「『戦争の歌』を読む」

8月12日(木)にオンラインイベント「『戦争の歌』を読む」(野兎舎主催)を行います。昨年に続いて2回目の開催で、時間は19:30-21:30。参加費は1000円です。

短歌の好きな方、歴史に興味のある方、戦争について考えたい方など、皆さんどうぞご参加ください!

詳細について
https://www.facebook.com/events/1140623766423676/
チケット購入
https://yatosha.stores.jp/items/60fb93bf1b946c7782187447

posted by 松村正直 at 06:12| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月22日

無料公開中

下記5点の文章・作品をBOOTHで無料公開しています。
興味のある方は、ダウンロードしてお読みください。

・三分でわかる短歌史
https://masanao-m.booth.pm/items/3015943

・十首でわかる短歌史
https://masanao-m.booth.pm/items/3015959

・近代秀歌七十首
https://masanao-m.booth.pm/items/3015967

・エッセイ「岡山時代のこと」
https://masanao-m.booth.pm/items/2835460

・「五反田」7首
https://masanao-m.booth.pm/items/2835462

posted by 松村正直 at 18:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月10日

オンライン講座「短歌のコツ」

今月から月に2回、NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を行っています。次回は7月29日(木)19:30〜20:45(75分)です。

https://coubic.com/ngaku-online/829301

初心者からベテランの方まで、どなたでも楽しんでいただける内容となっています。興味のある方は、ぜひご参加ください。

posted by 松村正直 at 22:17| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月09日

48歳 vs 51歳

将棋の王座戦の挑戦者決定戦は、木村一基九段と佐藤康光九段で争われることになった。年齢で言えば48歳対51歳。どちらが挑戦者になったとしても、すごいことだ。

今年の王座戦は、藤井二冠、豊島竜王、渡辺名人といった強豪が本選の1、2回戦で相次いで敗れる波乱の展開。

永瀬拓矢王座は28歳。タイトル戦五番勝負が楽しみになってきた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/

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2021年07月08日

『駅へ』Kindle版の発売

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今年20年ぶりに復刊した『駅へ』(野兎舎)の Kindle版が発売されました。紙の本より少し安くなっています。電子書籍となってまた新たな読者と出会えますように。

『駅へ』Kindle版(amazon)

紙の方も引き続き「野兎舎」のオンラインストアにて販売中です。
https://yatosha.stores.jp/items/600d346831862555b743dcdb

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2021年07月03日

旧室蘭駅

本を読んでいたら、昨日のブログで少し触れた旧室蘭駅のことが出てきた。

室蘭駅は北海道炭礦鉄道の駅として明治25年開業。ここに残る駅舎は明治45年築で、北海道の駅舎では最古の木造建築物なのだ。寄棟造に破風を配した入母屋風。白漆喰の外壁は西洋モダンの気品を漂わせ、風格がありカッコいい。
           (カベルナリア吉田『肉の旅』)

こういう偶然は嬉しい。

旧室蘭駅にはいつか行ってみよう。
偶然の導くところには、きっと何かがある。

posted by 松村正直 at 09:25| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月01日

オンライン講座「短歌のコツ」

7月から月に2回、NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を行います。全6回のコースの他に1回ごとの受講もできますので、お気軽にお申込みください。

各回75分の講座で、前半は毎回一つのテーマを決めて話をし、後半は参加者の歌の批評・添削を行います。初心者からベテランの方まで、歌歴を問わずどなたにもお楽しみいただける内容です。

■日程・時間(全6回)
7月 8日(木)19:30〜20:45
7月29日(木)19:30〜20:45
8月 5日(木)19:30〜20:45
8月26日(木)19:30〜20:45
9月 9日(木)19:30〜20:45
9月30日(木)19:30〜20:45

お申込みは下記のページから。

■短歌のコツ講座(全6回セット)
https://coubic.com/ngaku-online/804470
■短歌のコツ講座(7月8日単発)
https://coubic.com/ngaku-online/503310

よろしくお願いします!

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2021年06月20日

『やさしい鮫』在庫あり

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瀬戸夏子さんの『はつなつみずうみ分光器』(左右社)は、2000年〜2020年に刊行された歌集から55冊を選んで鑑賞・解説を書いた本です。

その中で私の第2歌集『やさしい鮫』もご紹介いただきました。2006年刊行で、アマゾンにも書店にも版元にも在庫がありませんが、私の手持ち分をBOOTHで販売しています。

定価2800円のところ、割引価格1500円(送料込み)にしておりますので、この機会にぜひどうぞ。
https://masanao-m.booth.pm

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2021年06月09日

命名について

1908(明治41)年に青函航路が開設された際、就航したのは「比羅夫丸」と「田村丸」という2隻の船であった。比羅夫丸は7世紀に蝦夷を征討した阿倍比羅夫、田村丸は平安時代に征夷大将軍になった坂上田村麻呂に因んで名付けられている。

こうした命名の方法に、最近関心がある。

例えば、沖縄にある米軍基地のキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、キャンプ・コートニーなども、すべて沖縄戦で戦死したアメリカ兵の名前が付いている。

その意識のあり方に興味を覚えるのだ。

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2021年06月07日

人間の展示

19世紀から20世紀にかけて欧米や日本の博覧会において、しばしば植民地の人々や少数民族の村の展示が行われた。1903(明治36)年に起きた人類館事件などがよく知られている。
https://matsutanka.seesaa.net/article/480261048.html

1912(大正元)年に上野公園で開催された「拓殖博覧会」でも、「台湾生蕃」「北海道アイヌ」「樺太オロツコ」「満州土人」などの展示が行われた。(『拓殖博覧会記念写真帖』より)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/904743

この博覧会を詠んだ歌がある。
窪田空穂『濁れる川』(大正4年)に収められている歌だ。

うち群れて人が遊べるそのなかに交りてあれば楽しきものを
       (四首、拓殖博覧会を観に行きて)
人食らふこの生蕃も妹と背と相住みてその子あやしをるかも
人食らふ生蕃の子のかなしくもさかしき眼してもの眺めをり
大君はかしこしこれのアイヌをも生蕃人もみ民としたまふ

「生蕃」(原住民)の家族や子どもの様子を見て、最後は天皇の徳を讃える内容となっている。「人食らふ」という偏見をはじめ非常に差別的な内容であるが、これが当時の平均的な感覚であった。

歌集には亡くなった「少年職工」を悼む連作や旅先で目にした「製糸女工」を詠んだ歌などもあり、空穂が人並み以上に弱者への思いやりに深い人物であったことがよくわかる。だからこそ、こうした差別の問題はいっそう根深いと言えるのだと思う。

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2021年06月04日

BOOTHの無料ダウンロード

BOOTHに新たに無料ダウンロードの文章を3点追加しました。
興味のある方は、どうぞお読みください。

「三分でわかる短歌史」
https://masanao-m.booth.pm/items/3015943

「十首でわかる短歌史」
https://masanao-m.booth.pm/items/3015959

「近代秀歌七十首」
https://masanao-m.booth.pm/items/3015967

posted by 松村正直 at 21:03| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月29日

「はじめての短歌」申込受付中

NHK学園でZoomを使ったオンライン講座「はじめての短歌」を行います。毎週木曜日(全4回)19:30〜20:45です

・1回目 6月 3日「短歌の基本」
   歴史、定型、韻律、題材、文語・口語、かな遣い
・2回目 6月10日「作者と読者」
   詠みと読み、省略と想像力、短歌はマッチ棒
・3回目 6月17日「表現のコツ」
   語順、「てにをは」、打消、比喩、固有名詞など
・4回目 6月24日「生活と人生」
   日常の豊かさ、家の中のもの、身近な風景

https://www.n-gaku.jp/life/topics/6000
https://coubic.com/ngaku-online/676751

初心者の方も長年短歌をやっている方も大歓迎です。
興味のある方はぜひご参加ください。

posted by 松村正直 at 16:33| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月20日

たいたい歌

このところ、「〜したい」という言い方が短歌に増えてきているように思う。1首に1回だけでなく2回出てくることもある。

今すぐに帰って猫をさわりたい今を今すぐ反芻したい
             山川藍『いらっしゃい』
死ぬまでが暇だな 歌をうたひたい花の名前をもつと知りたい
             逢坂みずき『虹を見つける達人』
いちめんのたんぽぽ畑に呆けていたい結婚を一人でしたい
             北山あさひ『崖にて』
将来は強い恐竜になりたいそしてかわいい化石になりたい
             工藤玲音『水中で口笛』
友だちに会いたい 会って野ざらしの畳の上で花見がしたい
             谷川由里子『サワーマッシュ』

願望の畳み掛けに迫力があるのだけど、願いの強さを表しているというよりも、少し投げやりな気分を表している感じがする。

posted by 松村正直 at 07:53| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月16日

オンライン講座「はじめての短歌」

6月にNHK学園でZoomを使った短歌初心者向けのオンライン講座「はじめての短歌」を行います。

https://coubic.com/ngaku-online/676751
https://www.n-gaku.jp/life/topics/6000

ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
毎週木曜日の夜、全4回の講座です。

■日程・時間(全4回)
@ 6月 3日(木)19:30〜20:45
A 6月10日(木)19:30〜20:45
B 6月17日(木)19:30〜20:45
C 6月24日(木)19:30〜20:45

1回ごとの申込みも受付けております。
(今のところ1回目2回目の分が掲載されています。3回目4回目の分も、後日追加されます)

6月3日
https://coubic.com/ngaku-online/642010
6月10日
https://coubic.com/ngaku-online/723137

posted by 松村正直 at 06:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月10日

文学フリマ東京

5月16日(日)に開催される第32回文学フリマ東京に出店します。
https://bunfree.net/event/tokyo32/

緊急事態宣言下ということで参加するか迷ったのですが、
さまざまな状況を考慮して決断しました。

ソ‐09「やさしい鮫」で、私の歌集・歌書および同人誌「パンの耳」1〜4号を販売します。どうぞお立ち寄りください。
https://c.bunfree.net/c/tokyo32/!/%E3%82%BD/9

posted by 松村正直 at 23:01| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月04日

NHK学園のオンライン講座

来月、Zoomを使った短歌初心者向けのオンライン講座を行います。
毎週木曜日の夜、全4回の講座です。

■日程・時間(全4回)
@ 6月 3日(木)19:30〜20:45
A 6月10日(木)19:30〜20:45
B 6月17日(木)19:30〜20:45
C 6月24日(木)19:30〜20:45

5月7日より受付が始まりますので、ご興味のある方はぜひお申込みください。

https://coubic.com/ngaku-online/676751
https://www.n-gaku.jp/life/topics/6000

posted by 松村正直 at 23:18| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月01日

5月

今日から5月。

緊急事態宣言が出ていることもあって、ゴールデンウィークも特に予定がない。家で本を読んだり、原稿を書いたり、調べものしたり、校正したり、掃除したり、昼寝したり。

コーヒー→紅茶→番茶→コーヒー→紅茶・・・と、一日中なにか飲みながら作業している。座っている時間が長いので、腰痛に気をつけないといけないな。

posted by 松村正直 at 23:35| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月28日

第32回文学フリマ東京

5月16日(日)に行われる第32回文学フリマ東京に出店します。
https://bunfree.net/event/tokyo32/

ブースは「ソ‐09」の「やさしい鮫」です。
https://c.bunfree.net/c/tokyo32/!/%E3%82%BD/9

現在出されている緊急事態宣言が延長になった場合は開催中止になるとのことですが、とりあえずお知らせしておきます。

posted by 松村正直 at 22:48| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月26日

BOOTH の商品

BOOTHで下記の本の販売(割引価格)とフリーペーパーの配布をしています。
https://masanao-m.booth.pm/

・第2歌集『やさしい鮫』 1500円
・第4歌集『風のおとうと』 2000円
・第5歌集『紫のひと』 2000円
・評論集『短歌は記憶する』 1500円
・評論集『樺太を訪れた歌人たち』 2000円
・評伝『高安国世の手紙』 2000円
・アンソロジー『戦争の歌』 1200円
・同人誌「パンの耳」第1号〜第4号 各300円

・同人誌「パンの耳」第4号のチラシ 無料
・「五反田」7首 無料
・エッセイ「岡山時代のこと」 無料

第1歌集『駅へ』(新装版)は野兎舎の STORES で販売中です。
https://yatosha.stores.jp/items/600d346831862555b743dcdb

よろしくお願いします。

posted by 松村正直 at 18:23| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月17日

渡辺直己の歌

渡辺直己の臨場感あふれる戦争詠の中に、伝聞や映画をもとに詠まれた歌も含まれていることはよく知られている。

戦は竟に不可避と知りつつも夜襲に向ふ我が道くらし
               『渡辺直己歌集』

例えば、この歌もそうだ。初出は「アララギ」昭和12年11月号。

渡辺が中国へ向けて広島の宇品港を出港したのは11月23日のことなので、これはまだ出征前の歌ということになる。結句には斎藤茂吉の歌の影響が濃い。

ひた走るわが道暗ししんしんと怺(こら)へかねたるわが道くらし
ほのぼのとおのれ光りてながれたる蛍(ほたる)を殺すわが道くらし
                斎藤茂吉『赤光』

けれども、『渡辺直己歌集』(昭和15年)においては、この歌は出征後の歌として配列されている。「人々の恵みを享けて出でて行く我をぞ思ふ宇品埠頭に」などを含む「征途につく」8首の後に、「戦線に向ふ」という小題で載っているからだ。

『渡辺直己歌集』は渡辺の没後に編まれたものなので、その配列は編集者の手によるものである。編輯後記には

故人の戦歴を審にすることの出来ない吾々は、是等作品の排列に関しては相当に苦心を要したのであるが

と書かれている。「宇品埠頭」の歌は生前未発表で、昭和12年頃と推定される「手帖」から引かれたものだ。出征前に戦闘の歌はあってはおかしいという判断のもと、歌集ではこういう配列になっているのだろう。

posted by 松村正直 at 10:21| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月13日

野兎舎のYouTube

3月27日に開催した『駅へ』復刊記念のトークイベントの録画が、版元の野兎舎のYouTubeチャンネルで公開されています。約1時間の内容です。
https://www.youtube.com/watch?v=E8QcAIAp6bU

また、昨年8月12日に行った「アンソロジー『戦争の歌』を読む」の録画も同じく公開されています。こちらは約2時間となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jN3CYty61oc

どうぞご覧ください。

posted by 松村正直 at 07:24| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月12日

初びわ!


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今年初めての枇杷!
大きくて惚れ惚れしてしまう。

4月にびわを食べるのは人生で初めてかもしれない。
これはハウスもの。

ハウス栽培は、2月〜5月中旬、露地栽培は5月中旬から6月上旬が出荷時期です。

と説明に書いてある。
露地ものの時期は一か月もないんだな。
毎年短いとは思っていたけれど。

posted by 松村正直 at 06:54| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月08日

さらに軍用鳩の話

大正14年刊行の『陸軍歩兵学校案内』(国会図書館デジタルコレクション所蔵)にも、軍用鳩の話が3ページにわたって載っている。

第一次世界大戦(とは言わず「欧州戦」と書いている)において軍用鳩が用いられた話から始まって、次のような説明が続く。

鳩通信は電信電話の如く、敵火の為に破壊せられたり、敵に窃(ぬす)み取られる事が少なく、毒瓦斯に対しても強く、砲煙弾雨の中を勇敢に飛翔して、他の通信機関の使用されない場合に使用して、通信の目的を達成する事が出来るから、重宝なのであります。
当校に飼育して居ります鳩は、一分間に千米位の速度で、八十里以内の通信に堪へますが、夜間は二十五里以内、往復通信で十五里以内に使用する事が出来ます。
国内伝書鳩の総数は僅かに五万羽に満たぬ有様で、これを欧米列国の数百万乃至一千万羽なるに比較して遥かに遜色あるのは、誠に遺憾千万であります。

「五万羽」でも十分多いように思うのだが、欧米では「数百万」〜「一千万羽」も存在していたと知って驚いた。伝書鳩、すごいな。

移動鳩車通信では、新たな位置に到着して後一日で(鳩を飛翔さして地形鳩車の位置等を覚へさす)一里位の範囲の通信が出来、後時日を経るに従つて、十五里以内の通信を行ふ事が出来ますが、一般に雨雪天の時は通信距離が減少致します。

なるほど、「鳩車」というのは単に鳩を運搬するためのものではないのか。基地の鳩舎で行うのが言わば「固定電話」であるのに対して、鳩車は戦場で「携帯電話」的な役割を果たすものだったわけだ。

posted by 松村正直 at 09:03| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月06日

軍用鳩の歌

軍人歌人として知られる菊池剣の歌集『道芝』(昭和3年)に、軍用鳩の歌がたくさん載っていた。菊池は一時期、軍隊で伝書鳩の研究や鳩通信班の任務に就いていたらしい。

大正9年に行われた陸軍大演習に参加した時の歌「鳩車長となりて」という一連5首を見てみよう。

  福岡、大分両県に於て挙行せられし陸軍大演習に
  北軍鳩車長として参加す
  放鳩演習
昼すぎてしきりに睡(ねむ)き眼の前の地(つち)に影おとし鳩かへり来ぬ
いちはやくわが手のうちの餌を覓(と)めて舞ひ下る鳩はいつもこの鳩
  鳩車往来
ことごとく稲は刈られて鳩車みちけさは田の面(も)を斜によぎる
暁(あけ)の田にこる靄ふかみ遠つ嶺ろ低きはかくれ高きはうかぶ
  立石南軍鳩車見学
山峡(やまかひ)は日あたる遅しこのあさけ鳩舎(とや)ぬちの鳩みなふくれ居り

南北両軍に分かれての大規模な演習で、皇太子(後の昭和天皇)の観兵式も行われた。「鳩車」は鳩を運搬するための箱型の荷車のようなもののこと。

この演習については『大正九年度 皇太子殿下行啓陸軍特別大演習記念写真帳』(国会図書館デジタルコレクション所蔵)に、詳しい写真や説明がある。


photo001.png


おお、「軍用鳩」の写真も載っているではないですか!

北軍所属の軍用鳩班は八屋、南軍所属の同班は立石町を各根拠地として何れも演習の推移に伴ひ種々の方面に活躍 相当の効績を収めた 写真(右)は班員に懐かしむ可愛らしき鳩の群 (下)は将に使命を帯びて鳩舎より放たれたる鳩群

う〜ん、ますます興味深くなってきた。

posted by 松村正直 at 21:34| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月02日

野兎舎のYouTube

3月27日に開催した『駅へ』復刊記念のトークイベントの録画が、野兎舎のYouTubeチャンネルで公開されています。当日参加できなかった方もどうぞご覧ください。約1時間の内容です。
https://www.youtube.com/watch?v=E8QcAIAp6bU

また、昨年8月12日に行った「アンソロジー『戦争の歌』を読む」の録画も、同じく公開されています。こちらは約2時間となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jN3CYty61oc

posted by 松村正直 at 06:19| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月28日

『駅へ』の構成

私の第1歌集『駅へ』のあとがきには「配列は、一部の連作を除いてほぼ制作年代順にしてあります」と書いてある。

ところが、今回トークイベントのために再読していて気が付いたのだが、実は制作年代順でない部分がけっこうある。第2歌集以降と比べると、もっとも制作年代順ではない歌集かもしれない。

T
「フリーター的」 1999年角川短歌賞次席
「函館 一九九六」
「アルバイト募集」 1999年12月号「塔」作品特集
U
「グランメール春日201号」 2002年2月号「塔」風炎集
「福島 一九九七」
「天神橋」
「兎雲」
「石塀」
「あなたがいた夏」
「砂浜」
「未婚の父」
「湖」
「木登り」
「梅酒」
V
「ウォーター感覚」 2000年歌壇賞候補作
「大分 一九九九」
「ストロー」
「秋晴れ」
「睫毛」
「鳥居を渡る」
「墓石」
「結婚式」 2000年6月号「塔」作品特集
「靴箱」 2000年角川短歌賞候補作

歌集には1996年から2000年までの作品が収められているのだが、このように1999年・2000年に詠んだ連作を要所要所に配置した構成となっている。

それらは新人賞への応募作など、もともと連作として詠んだものばかり。それ以外の新聞・雑誌への一首単位の投稿歌や「塔」の月例作品が制作年代順にならんでいるわけだ。

全体として、函館・福島・大分と転々としてきたことや、フリーターの一人暮らしから結婚へという流れがストーリー仕立てで(わかりやすく)提示されている。その点が良くも悪くもこの歌集の大きな特徴になっているのだろう。

(『駅へ』新装版は野兎舎のSTORESにて販売中です。)
https://yatosha.stores.jp/items/600d346831862555b743dcdb


posted by 松村正直 at 17:28| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月27日

伝書鳩の歌

伝書鳩の群の風音(かざおと)はおもおもし再び吾の上を
すぎたる       岡部文夫『寒雉集』
新聞社に〈伝書鳩部〉のありしころ年初の空を飛びし鳩たち
        高野公彦(「朝日新聞」2019年1月1日)

俄然、伝書鳩に興味が湧いてきた。

posted by 松村正直 at 09:03| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月21日

『駅へ』復刊記念のトークイベント


 P1080554.JPG


3月27日(土)20:00〜21:00、第1歌集『駅へ』復刊記念のオンラインのトークイベントを行います。『駅へ』について、短歌について、あれこれ喋ります。無料ですので、お時間のある方はどうぞお申込みください。

https://ekie.peatix.com

また、イベント開催にあわせて、『駅へ』その他に関する質問・感想等も募集しています。何でもお気軽にお寄せください。

https://forms.gle/5ULTBHH7dduTvhCU9

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2021年03月13日

松村正直『駅へ』復刊記念onlineトークイベント

3月27日(土)20:00〜、Zoomを使って『駅へ』復刊記念のトークイベント(無料)を開催します。

https://ekie.peatix.com/

皆さんからの質問などをもとに、『駅へ』について、短歌について、あれこれ喋ります。初めての方も、お久しぶりの方も、どうぞお気軽にお申し込みください。

posted by 松村正直 at 07:49| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする