2022年02月11日

本代

詠みたい本が多くて次々に本を買っていると、あっと言う間に家中が本だらけになっていく。通称「本の部屋」だけでは収まりきれず、机の下や椅子の後ろ、畳の上にもどんどん本のタワーができていく。

一体、1年間でどれだけ本を買っているのかと計算してみたところ、2021年は計403,223円であった。年に40万円。月に3万円以上を本に費やしていることになる。なるほど、これではお金が溜まらないのも無理はない。

posted by 松村正直 at 21:19| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月10日

オンライン講座「短歌のコツ」(全5回)

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を行います。

毎回一つテーマを決めて話をして、その後、事前に提出していただいた歌の批評・添削をします。毎月第4木曜日の夜19:30〜20:45。

どなたでも、お気軽にご参加下さい。

■ 日程(全5回)@2/24 A3/24 B4/28 C5/26 D6/23
■ 時間 19:30〜20:45(75分間)

https://coubic.com/ngaku-online/790442
posted by 松村正直 at 21:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月04日

芥川龍之介の松江旅

1915(大正4)年、芥川龍之介は友人の実家がある松江を訪れる。
書簡に記されている松江までの旅の予定は以下の通り。

8月3日 15:20東京駅発
  4日 05:27京都駅着
     07:20京都駅発
     11:39城崎駅着(1泊)
  5日 09:08城崎駅発
     16:19松江駅着

丸2日掛かりの移動である。東京〜京都が14時間7分、京都〜城崎が4時間19分、城崎〜松江が7時間11分。乗車時間だけを合わせても、計25時間37分も掛かっている。

現在では、東京〜松江は新幹線と特急やくも(岡山経由)で6時間15分。距離の感覚がまったく違うことを実感する。

東京〜京都の比較をすると、現在は新幹線で約2時間15分。在来線ももちろんスピードアップしているのだが、在来線の時間短縮に比べて新幹線による時間短縮は桁違いだ。

posted by 松村正直 at 23:02| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月03日

芥川龍之介に御馳走した人

芥川龍之介の書簡を読んでいるのだが、いろいろと面白い。1915年8月、芥川は松江の友人宅から東京へ帰る途中に京都に寄っている。

京都では都ホテルの食堂で妙な紳士の御馳走になつた その人は御馳走をしてくれた上に朝飯のサンドウイツチと敷島迄贈つてくれた さうして画の話や文学の話を少しした わかれる時に名をきいたが始めは雲水だと云つて答へない やつとしまひに有合せの紙に北垣静処と書いてくれた「若い者はやつつけるがいゝ 頭でどこ迄もやつつけるがいゝ」と云つた 後で給仕長にきいたら男爵ださうである 四十に近いフロツクを着た背の高い男だつた

この時、芥川は23歳。東京帝国大学の学生である。ホテルで見知らぬ人に御馳走になるという、まるで映画みたいな出来事が起きている。これも時代なのだろうか。

調べてみると、北垣静処は日本画家で本名は確。京都府知事として琵琶湖疏水の建設に当たった北垣国道の長男であった。

posted by 松村正直 at 09:54| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月01日

講座「文学者の短歌」

文学者の短歌.jpg


2月6日(日)に大阪で、講座「文学者の短歌」を行います。

森鷗外、芥川龍之介、村岡花子、宮沢賢治、中島敦、北杜夫、石牟礼道子などの歌を紹介して、一人一人の個性に迫るとともに、短歌の持つ魅力について考えます。

オンライン受講もありますので、ご興味のある方はぜひご参加下さい。

日時:2022年2月6日(日)11:00〜12:30
場所:毎日文化センター(JR大阪駅より徒歩8分)

http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

posted by 松村正直 at 06:45| Comment(3) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月29日

講座「現代に生きる与謝野晶子」

与謝野晶子講座.jpg


2月19日(土)に朝日カルチャーくずは教室(大阪府枚方市)で、一日講座「現代に生きる与謝野晶子」を行います。有名な短歌だけでなく、晶子が精力的に書いた評論を取り上げて、没後80年になる今も色褪せることのない魅力に迫ります。

教室&オンラインどちらでも受講できます。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年2月19日(土)13:00〜14:30
場所:朝日カルチャーくずは教室(京阪樟葉駅すぐ、駅ビル3階)

【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/50362444-cbb8-c551-20f6-6176523248a7
【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/11faa639-5eab-41ad-6918-6176537f2bc0

posted by 松村正直 at 21:31| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月20日

講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」

1月23日(日)に講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」を行います。主に歌集に収録されてない歌に焦点を当てながら、啄木短歌の魅力に迫ります。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年1月23日(日)13:00〜15:00
場所:JEUGIAカルチャー京都 de Basic.(地下鉄四条駅すぐ)

https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_2-46106.html?PHPSESSID=1bv8aiijrc9nr28pg1os6j88d2

posted by 松村正直 at 21:56| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月16日

講座「文学者の短歌」

文学者の短歌.jpg


2月6日(日)に大阪で、講座「文学者の短歌」を行います。

森鷗外、芥川龍之介、村岡花子、宮沢賢治、中島敦、北杜夫、石牟礼道子などの歌を紹介して、一人一人の個性に迫るとともに、短歌の持つ魅力について考えます。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年2月6日(日)11:00〜12:30
場所:毎日文化センター(JR大阪駅より徒歩8分)

http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

posted by 松村正直 at 06:21| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月13日

講座「現代に生きる与謝野晶子」

与謝野晶子講座.jpg


2月19日(土)に朝日カルチャーくずは教室(大阪府枚方市)で、一日講座「現代に生きる与謝野晶子」を行います。有名な短歌だけでなく、晶子が精力的に書いた評論を取り上げて、没後80年になる今も色褪せることのない魅力に迫ります。

教室&オンラインどちらでも受講できます。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年2月19日(土)13:00〜14:30
場所:朝日カルチャーくずは教室(京阪樟葉駅すぐ、駅ビル3階)

【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/50362444-cbb8-c551-20f6-6176523248a7
【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/11faa639-5eab-41ad-6918-6176537f2bc0

posted by 松村正直 at 22:56| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月09日

アスファルト舗装の歌

  アスフアルト街
暮れてゆくアスフアルト道下駄に鳴らし鳴るをよろこび子らの遊べり
からころと踏めば鳴り出(づ)るアスフアルト道その音をよみ子ら声立てず
        宇都野研『木群』(昭和2年)

今ではアスファルト舗装なんて何の情緒もないけれど、当時は珍しかったから子どもが大喜びしている。

2首目の「音をよみ」がわかりにくかったのだけど、広辞苑で「よむ」を調べると1番目に「数をかぞえる」という意味が出てくる。大伴家持の〈春花のうつろふまでにあひ見ねば月日よみつつ妹待つらむそ〉(万葉集、巻17-3982)や「票をよむ」といった用例が挙がっている。「音をよみ」もその意味かな。

同じ歌集に、長い詞書の付いた舗装工事の歌もある。

  アスフアルト工事
 今年の夏わが病院の前に最新式のアスフアルト道作られぬ。道路をコンクリートに築きかため、その上に砂礫状の過熱せるアスフアルト混合物を敷き、蒸気ローラーにて挽固むるなり。月余に亘れる工事を見て

黒真砂(くろまさご)くゆりてけぶるアスフアルト一息(ひといき)に圧し潰しローラー廻る

「わが病院の前に最新式の」というあたりが、いかにも誇らしげだ。歌の方も機械文明の力を全面的に謳歌している。

posted by 松村正直 at 11:36| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月08日

2冊の本

ジャンルの違う2冊の本に同じようなことが書いてある。
そんな偶然が好きだ。

幹に摑まる力の尽きるときが死と知るはずもなく蟬らは鳴けり
手も足も律儀に揃へ仰向きて蟬が死ぬなり晩夏の庭に
           永田和宏『置行堀』
木につかまる力を失ったセミは地面に落ちる。飛ぶ力を失ったセミにできることは、ただ地面にひっくり返っていることだけだ。わずかに残っていた力もやがて失われ、つついても動かなくなる。
           稲垣栄洋『生き物の死にざま』

トランプの神経衰弱をしていて2枚のカードが揃う時の喜び、と言えば伝わるだろうか。

posted by 松村正直 at 21:50| Comment(1) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月05日

オンライン講座「短歌のコツ」

今年もNHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を行います。

毎回一つテーマを決めて話をして、その後、事前に提出していただいた歌の批評・添削をします。毎月第4木曜日の夜19:30〜20:45。

ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

■ 日程(全5回)@2/24 A3/24 B4/28 C5/26 D6/23
■ 時間 19:30〜20:45(75分間)

https://coubic.com/ngaku-online/790442#pageContent

posted by 松村正直 at 11:24| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

屋根に雪の積もる元旦になりました。
今年の目標は、

・「啄木ごっこ」をひたすら書く
・「パンの耳」第5号、第6号を出す
・作品や評論の発表の場を設ける
・施設に入所中の母の面会に行く
・ひとり暮らしの父にも時々会いに行く
・第6歌集はどうしようかな

といったところでしょうか。
多くの方と会って、話して、考えを深めていければと思います。

今年もよろしくお願いします。

posted by 松村正直 at 08:44| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月31日

2021年の活動記録

作品
 ・「心臓は心臓」7首(「短歌往来」4月号)
 ・「土を掘る」15首(「パンの耳」第4号)
 ・「面と向かって」7首(「短歌研究」5月号)
 ・「心理」3首(「うた新聞」5月号)
 ・「家族会議」10首(第32回文学フリマ東京)
 ・「ハルニレ」21首(「短歌往来」9月号)
 ・「195.7km」10首(「短歌研究」10月号)

連載
 ・啄木ごっこ(第27回)函館へ(「角川短歌」1月号)
 ・啄木ごっこ(第28回)苜蓿社と雑誌「紅苜蓿」
                   (「角川短歌」2月号)
 ・啄木ごっこ(第29回)大森浜(「角川短歌」3月号)
 ・啄木ごっこ(第30回)「五足の靴」と函館の夏
                   (「角川短歌」4月号)
 ・啄木ごっこ(第31回)延びゆく鉄道(「角川短歌」5月号)
 ・啄木ごっこ(第32回)札幌と向井夷希微
                   (「角川短歌」6月号)
 ・啄木ごっこ(第33回)小樽の賑わいと野口雨情
                   (「角川短歌」7月号)
 ・啄木ごっこ(第34回)歌ふことなき人人
                   (「角川短歌」8月号)
 ・啄木ごっこ(第35回)さいはての町、釧路へ
                   (「角川短歌」9月号)
 ・啄木ごっこ(第36回)啄木の歌は素朴か―事実と脚色
                   (「角川短歌」10月号)
 ・啄木ごっこ(第37回)酒色と借金の日々
                   (「角川短歌」11月号)
 ・啄木ごっこ(第38回)東京病と自然主義の流行
                   (「角川短歌」12月号)
 ・干支のうた「卵と肉をめぐる命の不思議」
                  (「NHK短歌」1月号)
 ・干支のうた「人間との長くて深い絆」
                  (「NHK短歌」2月号)
 ・干支のうた「存在感のある体と気配」
                  (「NHK短歌」3月号)
評論
 ・歌枕はなぜ生き残ったのか(「俳句界」9月号)
 ・高安国世と万葉集
        (『万葉を楽しむ 高岡市万葉歴史館論集20』)
時評
 ・今も続く除染(「朝日新聞」1月24日朝刊)
 ・亡き妻と料理(「朝日新聞」2月21日朝刊)
 ・日常生活と社会(「朝日新聞」3月21日朝刊)

書評
 ・久我田鶴子歌集『雀の帷子』評(「現代短歌」3月号)
 ・篠弘著『戦争と歌人たち』評(「短歌研究」6月号)
 ・加藤治郎著『岡井隆と現代短歌』評
                 (「現代短歌新聞」10月号)
 ・田中成彦歌集『即興曲』評(「うた新聞」11月号)
 ・時田則雄著『樹のように石にようにU』
                 (「現代短歌新聞」12月号)
その他
 ・「羊・未」入選歌、入選への道(「NHK短歌」1月号)
 ・「猿・申」入選歌、入選への道(「NHK短歌」2月号)
 ・「鶏・酉」入選歌、入選への道(「NHK短歌」3月号)
 ・「犬・戌」入選歌、入選への道(「NHK短歌」4月号)
 ・「猪・亥」入選歌、入選への道(「NHK短歌」5月号)
 ・第8回現代短歌社賞選考座談会(「現代短歌」1月号)
 ・アンケート「新しい読者のための「入門歌集」教えます。」
                   (「短歌研究」2月号)
 ・「連作集三」一首評(「けやき 連作集」四)
 ・アンケート「二〇二〇年の収穫」(「ねむらない樹」vol.6)
 ・20号作品評(「灯船」第21号)
 ・田口朝子歌集『朝の光の中に』解説
 ・乾醇子歌集『夕陽のわつか』栞
 ・わたしの投稿時代(「NHK短歌」8月号)
 ・学徒出陣と教師(「朝日新聞」8月15日朝刊)
 ・一葉の記憶 ―私の公募短歌館―(「角川短歌」10月号)
 ・中村ヨリ子歌集『おもあい』栞
 ・四月の歌(「六花」vol.6)
 ・中林祥江歌集『草に追はれて』跋文

出演
 ・第9回現代短歌社賞選考委員
 ・第23回「あなたを想う恋のうた」審査員
 ・NHK短歌 題「鶏・酉」(Eテレ、1月10日放送)
 ・NHK短歌 題「犬・戌」(Eテレ、2月7日放送)
 ・NHK短歌 題「猪・亥」(Eテレ、3月7日放送)
 ・『駅へ』復刊記念オンライントークイベント(3月27日)
 ・オンラインイベント「『戦争の歌』を読む」(8月12日)

posted by 松村正直 at 23:59| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月26日

『踊り場からの眺め』について

いよいよ今年も残り少なくなってきました。

9月に刊行した『踊り場からの眺め 短歌時評集2011-2021』(六花書林)について、様々な場で取り上げていただいてます。

・後藤由紀恵「時評:時評の賞味期限」
        (まひる野 11月号)
・大松達知「短歌はいま:作歌深化させる批評の強さ」
        (共同通信配信 11月)
・酒井佐忠「詩歌の森へ:死生観の追求目立った1年」
        (毎日新聞 12月9日)
・大辻隆弘「回顧と展望:自閉状態を超えて」
        (角川短歌年鑑 令和4年版)
・藪内亮輔「短歌展望:もうポストニューウェーブはいらない/根強い生の実感/ポップな短歌に足りない部分」
        (現代詩手帖 12月号)

ありがとうございます!
まだまだ在庫はありますので、年末年始にぜひお読みください。

posted by 松村正直 at 23:58| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月20日

講座「文学者の短歌」

来年2月6日(日)に大阪で、講座「文学者の短歌」を行います。

森鷗外、芥川龍之介、村岡花子、宮沢賢治、中島敦、北杜夫、石牟礼道子などの歌を紹介して、一人一人の個性に迫るとともに、短歌の持つ魅力について考えます。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年2月6日(日)11:00〜12:30
場所:毎日文化センター(JR大阪駅より徒歩8分)

http://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/36106

posted by 松村正直 at 13:04| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

山梨へ

2泊3日で山梨(母のとこ)と神奈川(父のとこ)へ行ってきます。

80代の母や父にとっての1年は、私にとっての1年とはずいぶん違うのだと実感する日々です。

posted by 松村正直 at 06:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月11日

講座「現代に生きる与謝野晶子」

来年2月19日(土)に、朝日カルチャーくずは教室(大阪府枚方市)で一日講座「現代に生きる与謝野晶子」を行います。有名な短歌だけでなく、晶子が精力的に書いた評論を取り上げて、没後80年になる今も色褪せることのない魅力に迫ります。

教室&オンラインどちらでも受講できます。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年2月19日(土)13:00〜14:30
場所:朝日カルチャーくずは教室(京阪樟葉駅すぐ、駅ビル3階)

【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/50362444-cbb8-c551-20f6-6176523248a7
【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/11faa639-5eab-41ad-6918-6176537f2bc0

posted by 松村正直 at 23:41| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月10日

伏見の今と昔

1枚の絵葉書を手に入れた。


 P1090451.JPG

大正から昭和初期のもので、キャプションに「伏見桃山 御陵参道伏見大手筋」とある

目に付くのは道路を跨ぐ鉄道のガーター橋。「←奈良電車のりば」と書かれている。その下を見ると、奥に鳥居が立っているのが見える。

左手前には大きな建物がある。塔のような部分に「京阪自動車」とあり、「タクシー」「乗合自動車 六地蔵 木幡 黄檗 岡本 三室戸 宇治 方面行」「六地蔵 宇治 方面行 乗合」「御陵 乃木神社 参拝」といった看板が出ている。

右手には食堂などが並び、「うどん そば 寿し 丼 一式」「御手荷物預所」などの看板が見える。


 P1090433.JPG

同じ場所の現在の姿がこちら。

近鉄の「桃山御陵前」駅の近くである。かつての「奈良電気鉄道」は1963年に近鉄になったが、奥に見える御香宮の鳥居は今も同じ場所に立っている。「京阪自動車」の建物はなくなったが、店の前にこんな碑がある。


 P1090437.JPG

「京阪バス発祥之地」。


 P1090439.JPG

 京阪バス株式会社の前身桃山自動車株式会社は、大正11年7月20日中野種一郎を発起委員長とする発起人13名により資本金5万円でこの地に創立され、自動車11両を以てハイヤー営業を開始した。
 大正13年10月28日社名を京阪自動車株式会社に改め、同15年1月1日から京阪電車伏見桃山駅―桃山御陵下間0.8粁の乗合バス営業を開始した。昭和2年10月30日京阪電鉄は京阪自動車の全株式を取得、その後の京阪沿線のバス路線網拡充の基をなした。
 同47年4月1日創立50周年を期して社名を京阪バス株式会社に改めた。
          昭和六十二年五月   式地 晧

こんな身近な場所にも、長い歴史を感じることができる。絵葉書はおそらく1930年頃のものと思われるので、約90年の歳月が流れたことになる。

posted by 松村正直 at 19:33| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月05日

講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」

来年1月23日(日)に講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」を行います。主に歌集に収録されてない歌に焦点を当てながら、啄木短歌の魅力に迫ります。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。

日時:2022年1月23日(日)13:00〜15:00
場所:JEUGIAカルチャー京都 de Basic.(地下鉄四条駅すぐ)

https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_2-46106.html?PHPSESSID=1bv8aiijrc9nr28pg1os6j88d2

posted by 松村正直 at 23:29| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

和語と漢語

『明治天皇御集』の明治37年のところには、日露戦争に関する歌が多く載っている。

つはもののかてもまぐさも運ぶらむ牛も軍の道につかへて
はりがねのたよりのみこそまたれけれ軍のにはを思ひやるにも
品川の沖にむかひていくさぶね進む波路を思ひやるかな

それぞれ「牛」「電信」「眺望」の題で詠まれた歌である。

和歌では基本的に漢語は使わず、和語を用いて歌を詠む。1首目の「つはもの」は「兵(へい)」、「かてもまぐさも」は「糧秣」のことだ。2首目の「軍(いくさ)のには」は「戦場」、3首目の「いくさぶね」は軍艦である。

中でも、2首目の「はりがねのたより」が面白い。近代以降の産物である「電信(telegraph)」には、該当する和語がない。そのため「はりがねのたより」(=電線による通信)と苦心して和語に〈翻訳〉しているのである。

文明開化以降の科学、文化、制度、組織を和語を用いてどのように詠めば良いのか。『開化新題歌集』などにも見られる苦労の跡が、こうした歌からも感じられる。

posted by 松村正直 at 22:32| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月28日

漢語と西洋語

わが足はかくこそ立てれ重力(ぢうりよく)のあらむかぎりを私(わたくし)しつつ
惑星は軌道を走る我(われ)生きてひとり欠し伸せんために

森鷗外はこんなふうに「重力」「惑星」といった言葉を歌に詠んでいる。(旧派)和歌は原則として和語だけを用いて詠むもので、漢語の使用は排除されていた。それが新派和歌(短歌)においては漢語も取り入れるようになったのである。

もともと「和歌」(日本の歌)というのは「漢詩」(中国のうた)に対する言葉である。けれども、和歌革新運動以降の「和歌」の対抗する相手は「漢詩」から「西洋詩」へと変った。

「漢語」と書くと中国を思い浮かべてしまいがちだが、「重力」も「惑星」も1800年頃に長崎のオランダ通詞によって造られた西洋語の翻訳語である。つまり、「重力」や「惑星」は見かけこそ漢語であるが、実質的には西洋語なのである。

Wagnerはめでたき作者ささやきの人に聞えぬ曲を作りぬ

この歌では「Wagner」という西洋語をそのまま歌に取り入れている。現在では「ワーグナー」とカタカナで表記されることが多いが、いずれにせよ翻訳不可能な固有名詞なので西洋語をそのまま使うしかない。

おそらく、鷗外の意識においては「重力」「惑星」も「Wagner」も、同じ範疇の言葉だったのだろう。見た目では「漢字」と「アルファベット」という違いがあるけれど、どちらも西洋由来の言葉という点で共通している。

posted by 松村正直 at 10:01| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月19日

2つの一日講座

来年1月に石川啄木、2月に与謝野晶子についての講座を行います。

啄木については、有名な歌だけでなくあまり知られていない歌も取り上げて解説・鑑賞したいと思います。また、晶子の方は短歌だけでなく、現代にも通じる評論の魅力についてもお話しします。

◎講座「『石川啄木』こんな歌もあったの?」
 2022年1月23日(日)13:00〜15:00
 JEUGIAカルチャー京都 de Basic.(地下鉄四条駅より徒歩1分)

https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_2-46106.html?PHPSESSID=1bv8aiijrc9nr28pg1os6j88d2

◎講座「現代に生きる与謝野晶子」(オンライン受講もできます!)
 2022年2月19日(土)13:00〜14:30
 朝日カルチャーくずは教室(京阪樟葉駅下車すぐ、駅ビル3階)

 【教室受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/50362444-cbb8-c551-20f6-6176523248a7
 【オンライン受講】
https://www.asahiculture.jp/course/kuzuha/3d3aee3e-2b6d-9668-4933-6184b001abe0

ご興味・関心のある方は、どうぞお気軽にお申込みください。

posted by 松村正直 at 07:40| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月17日

モルゲンシュテルン(その2)

森鷗外『沙羅の木』を見ると、翻訳詩はデーメルの8篇から始まって、次にモルゲンシュテルン1篇、そしてクラブント10篇が続く。

その選びや並べ方の意図について、鷗外自身が序文で述べている。

ドイツの抒情詩は、先づ方今第一流の詩人として推されてゐるデエメルの最近の詩集から可なりの数の作が取つてある。後には又殆ど無名の詩人たる青年大学々生の処女作がデエメルと略同じ数取つてある。

デーメルとクラブントの二人についてこのように記した後で、モルゲンシュテルンについては次のように書く。

そして其中間に、盲目に籤引きをしたやうに、さ程でもないモルゲンステルンの詩一篇が挟まれてゐる。ドイツ人が見たら、いよいよ驚くであらう。しかしデエメルたることを得ずして、僅に名を成してゐる詩人の幾百幾千は誰を以て代表させても好いかも知れない。偶モルゲンステルンが其代表者となつて出ても、忌避すべきではないかも知れない。

くじ引きで選んだように、凡庸な詩人の中から、たまたまモルゲンシュテルの1篇を選んでみたというわけだ。ちょっとモルゲンシュテルンが可哀そうになってくる。

もっとも、ここには鷗外一流の韜晦がある。本国のドイツ人も「驚くであらう」という選びには、鷗外の目利きとしての自信があったに違いない。

ユーモア、ナンセンス、風刺の詩人として今では多少知られているモルゲンシュテルン。当時のドイツでの評価はどうだったのだろう。

posted by 松村正直 at 07:13| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月16日

モルゲンシュテルン(その1)

坂井修一『森鷗外の百首』を読んでいたら、クリスティアン・モルゲンシュテルン(Christian Morgenstern、1871‐1914)の詩の翻訳が出てきた。

かかる珠いくつか吹きし。
かかる珠いくつか破(や)れし。
ただ一つ勇ましき珠
するすると木(こ)ぬれ離れて、
光りつつ風のまにまに
國原の上にただよふ。

「月出」(Mondaufgang)という詩の一部で、パンの神が吹いたシャボン玉の一つが空に昇って満月になったという内容だ。原詩は『In Phanta's Schloß』(1895)のもので、鷗外の詩歌集『沙羅の木』(1915)に収められている。

モルゲンシュテルン!

という驚きがあった。もう30年近く昔の話になるが、私が大学(ドイツ文学科)の卒業論文で取り上げたのが、このモルゲンシュテルンの『パルムシュトレーム』という詩集だった。

当時、モルゲンシュテルンの邦訳はほとんどなく、苦労して書いた覚えがある。今も、生野幸吉・檜山哲彦編『ドイツ名詩選』(岩波文庫、1993)や種村季弘訳『絞首台の歌』(書肆山田、2003)、池田香代子訳『モルゲンシュテルンのこどものうた』(BL出版、2012)があるくらいではないだろうか。

1篇だけとはいえ鷗外が訳していたことを、迂闊にも知らなかった。

posted by 松村正直 at 08:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月12日

カワラナデシコと石竹(その2)

けれども、これは子規の間違いだったわけでもないようだ。子規は8月4日に「石竹」の絵も描いていて、「カハラナデシコ」とは明らかに区別している。


 石竹.jpg

(国立国会図書館デジタルコレクションの画像より)

さらに気になるのは、河野自身が2002年に次のような歌を詠んでいることである。

    子規記念博物館にて「草花帖」を求む
励まして絵筆励まして描きし子規カハラナデシコよき淡彩に
紅紫濃きと薄きを工夫してカハラナデシコ四輪を描く
たいせつなこの世の時間の一筆(ひとふで)の濃淡考へて置きしこの色
            河野裕子『庭』

この歌を詠んだ時点では、河野もこの花が「カハラナデシコ」であることに何の疑いも持っていない。それがどういう経緯で2009年の歌では子規の「間違ひ」と思うようになったのだろう?

posted by 松村正直 at 07:23| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月11日

カワラナデシコと石竹(その1)

なでしこの画を一枚飾るゆゑ暮しの中に子規ありいつも
「カハラナデシコ」と子規直筆にあるなれどこれは石竹(せきちく)、赤紫の花
子規がなぜこんな間違ひをしたのかと百六年後のわたしは思ふ
            河野裕子『葦舟』

正岡子規が「草花帖」に花のスケッチを描いたのは1902(明治35)年8月のこと。8月7日の『病牀六尺』には「草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生して居ると、造化の秘密が段々分つて来るやうな気がする」という有名な一文を記している。

河野はその「草花帖」の1枚、8月12日に描かれた「カハラナデシコ」を見て、石竹の間違いではないかと詠んでいるのだ。


 カハラナデシコ.jpg

(国立国会図書館デジタルコレクションの画像より)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1288389

歌が発表されたのは「塔」2009年7月号だが、「百六年後」から計算すると2008年に詠まれた歌なのかもしれない。

日本の在来種であるカワラナデシコ(ナデシコ、ヤマトナデシコ)と中国原産の石竹(カラナデシコ)は、どちらもナデシコ科ナデシコ属の花でけっこう似ている。でも、河野は「なぜこんな間違ひをしたのか」と手厳しい。

posted by 松村正直 at 23:11| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月07日

ラインについて(その2)

そもそも、川下りが「ライン下り」と呼ばれるようになったのは、1913年に志賀重昂によって木曽川の風景がライン川に似ていると言われたことに始まる。それをもとに、木曽川は「日本ライン」と命名された。日本の風景をヨーロッパの風景に見立てるという点で、日本アルプスとも共通したものを感じる。

ドイツのライン川にはローレライの伝承で有名な舟下りのイメージがある。そのため木曽川の川下りが「ライン下り」と呼ばれるようになっただけでなく、全国各地の川下りが「ライン下り」を名乗るようになったわけだ。


P1090214.JPG

P1090218.JPG


今年の夏に天竜川で「天竜ライン下り」をした。天竜峡温泉から唐笠まで約50分の船旅である。運航会社のホームページのURLは
https://tenryuline.com/
本来はライン川の「Rhein」(ドイツ語)であったはずの「ライン」が、英語の「line」になっている。

こうした例は他にもたくさんあって、

「長瀞ラインくだり」 @nagatoro_line
「荒川ライン下り」  http://www.arakawa-line.co.jp/
「鬼怒川ライン下り」 https://linekudari.com/

など、いくつも見つけることができる。語源がライン川であったという意識は、今ではほとんど薄れているのだろう。

posted by 松村正直 at 11:45| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月06日

ラインについて(その1)

京都の宇治から宇治川・瀬田川に沿って滋賀県へ抜ける「滋賀県道・京都府道3号大津南郷宇治線」は、通称「宇治川ライン」と呼ばれている。

宇治川ライン=大津南郷宇治線なので、つい「ライン」=「線」かと思ってしまうのだが、実はそうではない。これはライン川の「ライン」である。

1926年から1975年まで、この宇治川峡谷には観光船が運航していて「宇治川ライン」と呼ばれていた。今は天ケ瀬ダムができて奇岩名勝の多くはダムに沈み、峡谷を通る観光船も廃止されている。

そして「宇治川ライン」という名前だけが、道路の名前として受け継がれているのだ。

宇治名勝御案内附宇治川ライン
(吉田初三郎式鳥瞰図データベース)
https://iiif.nichibun.ac.jp/YSD/detail/004816997.html

posted by 松村正直 at 19:42| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月03日

自然の中での遊び

最近読んだ2冊の本に、子ども時代の遊びについて同じようなことが書いてあるのが目に止まった。

戦後、宮崎の片田舎に引揚げてきた時、まだ少年だった私は近辺の川や山野をかけめぐり、ひねもす遊びほうけていた。だがその体験がどれだけその後の生に彩りを添え、豊かにしてくれたことか。自然との昵懇な歳月は人を豊かにするというが、最近になってあらためて遊びほうけていた日々が貴重な体験であったことをしみじみと感じている。
(志垣澄幸歌集『鳥語降る』あとがき)
私は(…)少年のころを思い出した。そのころの別府(帯広市:松村注)には天然の森があちらこちらにあった。川は曲がりくねっていた。私にとってその森や川は最も身近な遊び場であり、昆虫を捕ったり、魚を釣ったりして過ごしたものである。そうした日々は私の71年の歳月の中で、キラキラと星のように輝いている。
(時田則雄『樹のように石のようにU』)

70代、80代になっても、自然の中で遊んだ体験や記憶が、こんなふうに人生の大きな支えになっているのだ。

私にはそういう体験があるだろうかと考える。さらに、私の息子にはどうだろうかといったことも思う。

posted by 松村正直 at 08:24| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月30日

みんな若くして

最近このブログで取り上げている人って、
みんな若くして亡くなっているな。

・石川啄木  26歳
・小林多喜二 29歳
・佐藤泰志  41歳
・野呂邦暢  42歳
・土方歳三  34歳

posted by 松村正直 at 18:51| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月23日

今年の新刊

今年は2月に『駅へ』新装版(野兎舎)を刊行しました。もともと2001年に出た第1歌集なので20年ぶりの復刊となります。

また、9月には短歌時評集『踊り場からの眺め』(六花書林)を刊行しました。2011年〜2021年の10年間に新聞や短歌雑誌に書いてきた時評類をまとめたものです。

どちらも、まだまだ在庫がありますので、どうぞお読みください。

下記の版元やネット書店等でお買い求めになれます。また、松村宛にご連絡いただければ直接販売もいたします。

○『踊り場からの眺め』
六花書林
アマゾン

○『駅へ』新装版
野兎舎オンラインストア
アマゾンKindle版

また、葉ね文庫(大阪)など一部の書店でも販売しております。

posted by 松村正直 at 11:17| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月22日

『現代短歌分類辞典』

つばた英子・つばたしゅういち『ふたりからひとり』を読んでいて、驚いたことがある。

(英子)しゅうタンの父親は、近代の短歌を調べて全集を残した人ですけど、お金儲けとはまったく無縁な人でね、だからしゅうタンは、中学校も行けるかどうかわからない状況だったらしいの。

「近代の短歌を調べて全集を残した人」って誰のことだろう?と思って読み進めると、さらに、こんな箇所に出会う。

(しゅういち)僕の親父は晩年、いつもカードに歌を書いていました。明治、大正、昭和の時代の短歌分類辞典をつくるためで、六十万枚くらい、そのカードはあったと思います。そんな本をつくるために、既成の出版社からではなく、自分で調べて原稿をつくり、印刷も自分でやって本を出しました。

あっ、と思って調べると、津端亨編『現代短歌分類辞典』のことであった。新装版 61巻を含め、通巻219巻もの大著である。そんな本を手書きのカードで作成したって、一体どんな人だったんだろう。

posted by 松村正直 at 23:55| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月21日

オンライン講座「短歌のコツ」

毎月2回木曜日の夜にNHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を担当しています。毎回一つテーマに沿った講義をして、その後、受講生の作品の批評・添削という流れです。19:30〜20:45の75分間。

https://coubic.com/ngaku-online/730834

現在、10/28(木)・11/11(木)のお申込みを受付中です。ご興味のある方はお気軽にどうぞ。

posted by 松村正直 at 07:08| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月15日

半田

神様は信じないけれど、偶然は信じることにしている。
本を読んでいると、全く関係ない別の本が偶然交差することがある。

最近読んだ『日本発酵紀行』は、初めに東海地方の醸造蔵を取り上げている。

東海エリアでは各蔵がそれぞれ古くからの製造設備を維持して、自社ですべての生産工程を担っている蔵が多い。味の自立性も高ければ、蔵の自立性もものすごく高い。

そして、ミツカンの話も出てくる。

現代における造酢の雄であるミツカンは、知多半島→江戸という東の廻船航路を制覇した。

このミツカンの本社があるのが愛知県半田市。
『ときをためる暮らし』『ふたりからひとり』の語り手、つばた英子さんはこの半田市の出身だ。

私が育った半田の実家は、一〇〇〇坪あまりの敷地に、酒蔵、精米、樽屋などの酒造りの工房があって、中庭を囲むように本宅が建てられていたの。二〇〇年以上続いた小さな造り酒屋でしたけれども、たくさんの人が働いていたんですよね。

まさに醸造蔵を構える家である。
さらに、最近興味を持っている『新版画作品集』の表紙。


 handa.jpg

これは、川瀬巴水の「尾州半田新川端」(昭和10年)という作品。
川沿いに木造の蔵が立ち並んでいるが、これは醸造関連のものだったわけだ。

こういう偶然は嬉しい。
半田・・・ぜひ、一度訪れてみようと思う。

posted by 松村正直 at 19:00| Comment(3) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

住吉カルチャー

毎月第1金曜日の10:30〜12:30、神戸市東灘区文化センター(JR住吉駅すぐ)で自主的なカルチャー講座を開催しています。

前半1時間は近刊の歌集の紹介と秀歌鑑賞、後半1時間は受講生の作品(1首)の相互批評という内容です。

参加費は2000円。現在の参加者は10名です。

興味のある方はお気軽に松村までご連絡ください。初心者からベテランの方まで、どなたでも歓迎します。
masanao-m☆m7.dion.ne.jp(@を☆に変えて下さい)

posted by 松村正直 at 07:57| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月12日

エッセイ「投稿が青春だった」

現在発売中の角川「短歌」10月号に、巻頭エッセイ「投稿が青春だった」を書きました。ネットの「試し読みをする」の範囲に全文含まれていますので、どうぞお読みください。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000118/

posted by 松村正直 at 07:34| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月09日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」を毎月2回、木曜日の夜に行っています。毎回1つのテーマ(語順、省略、繰り返し、表記、身体感覚など)について講義をして、作品の批評・添削も行います。

ZOOMを使った講座ですが、顔出しは自由です。
どうぞお気軽にご参加下さい。

日程 @10/14 A10/28 B11/11 C11/25 D12/9 E12/23
時間 19:30〜20:45

https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/7671(3回分)
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/7605(6回分)

posted by 松村正直 at 20:46| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月01日

オンライン講座「短歌のコツ」

NHK学園のオンライン講座「短歌のコツ」が新しいクール(全6回)に入ります。毎回一つのテーマに沿った講義をして、その後、受講生の作品(事前に1首提出)の添削指導も行います。ご興味のある方はこの機会にぜひご参加下さい。

https://coubic.com/ngaku-online/528455

日程 @10/14 A10/28 B11/11 C11/25 D12/9 E12/23
時間 19:30〜20:45
posted by 松村正直 at 07:51| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月24日

新刊『踊り場からの眺め』

P1090248.JPG


今月、『踊り場からの眺め 短歌時評集 2011-2021』(六花書林)を刊行しました。

毎日新聞の「短歌月評」48回、朝日新聞の「短歌時評」23回、角川短歌の「歌壇時評」18回、現代短歌新聞の「歌壇時評」6回など、2011年から2021年に書いた時評・評論をまとめました。私がこの10年間に考えてきたことの全てが詰まった一冊です。

Amazonhontoe-honなどのネット書店の他、版元の六花書林や一部書店でも販売中です。

また、私の手元にも在庫があります。購入希望の方はメール等でご連絡下さい。masanao-m☆m7.dion.ne.jp(☆を@に変えて下さい)
全330ページ、定価2500円です。

posted by 松村正直 at 08:32| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月17日

文学フリマ大阪

9月26日(日)に開催される第9回文学フリマ大阪に出店します。
https://bunfree.net/event/osaka09/

・日時 9月26日(日)11:00〜17:00
・場所 OMMビル 2F B・Cホール
・入場料 無料

新刊の短歌時評集『踊り場からの眺め』や今年復刊した歌集『駅へ』(新装版)のほか、既刊の歌集・歌書を格安の価格にて販売します。

お近くの方は、ぜひお立ち寄り下さい。
ブースは「やさしい鮫」(J−4)です。

posted by 松村正直 at 06:15| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月10日

30年という歳月

映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」は1991年製作、1992年公開の作品。1992年当時、私は大学4年生だった。

30年経って同じ作品を観ると、以前とは少し見方が違ってくる。

例えば最初のロサンゼルスの話。タクシー運転手(コーキー)のウィノナ・ライダーは20歳、客(ヴィクトリア)のジーナ・ローランズは61歳だ。学生の時は年齢の近いコーキーに肩入れして映画を見ていたけれど、今ではヴィクトリアの気持ちもよくわかる。

車内であれこれ注意するヴィクトリアに、コーキーは冗談っぽく「Sure, mom.」「Okay, mom.」(はい、ママ)と答えるのだが、最後の別れの場面になって、今度はヴィクトリアが「Sure, mom.」と返す。そんなところが胸にグッとくるようになった。

posted by 松村正直 at 14:53| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月08日

特別講座「短歌のコツ」

9月21日(火)にJEUGIAカルチャー京都de Basic.(四条烏丸)で、単発の講座「短歌のコツ」を開催します。
https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_2-46106.html

「省略」「語順」「具体」「比喩」「固有名詞」といった短歌表現のコツについて、実例をあげてわかりやすくお伝えします。初心者からベテランの方まで、どなたにも楽しんでいただける内容です。

時間は13:00〜15:00。ご興味のある方は、どうぞご参加下さい。

posted by 松村正直 at 23:50| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月04日

歌集の寄贈文化

歌集の寄贈文化については、近年とみに風当たりが強くなっている。歌壇内部の相互寄贈から一般に開かれた販売へ、という流れは今後ますます進んでいくだろう。

そのことについては。全く異論はない。今回考えてみたいのは、そもそも歌集の寄贈とは何だったのか、ということである。

私の考えでは、それは農村の共同作業である「結」や、お金を出し合って輪番制で寺社に参詣する「講」に近いものなのだと思う。

例えば、メンバーが500名の集団を仮定してみる。メンバーは10年に一度、2500円の歌集を500冊刷って全員に寄贈するとする。各メンバーが支払う金額は、自分が歌集を出した時に払う、2500円×500冊=125万円である。

つまり10年間(120か月)で払うのは125万円。もらうのは、500名の歌集1冊ずつ。これを月単位で考えると、毎月約1万円の会費を払って、歌集を4冊手にする計算になる。

ざっとした計算ではあるけれど、大体これくらいの感覚で歌集の相互寄贈は行われてきたと言っていいのではないか。

もちろん、相互寄贈だけでは歌壇外の方に歌集を読んでもらうことはできないし、書店等で一般に流通することもない。そもそも毎月1万円も積み立てられるかといった話にもなるだろう。

そうした問題点を抱えていることは間違いない。今後はもっと開かれた形へと変っていくのが必然だ。

でも、だからと言って、これまでの寄贈文化を単に否定するだけでいいのかという思いも残る。寄贈が果たしてきた相互扶助的な役割や意義についても、この時代の変り目にきちんと確認しておきたいと思うのだ。

posted by 松村正直 at 12:32| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月02日

オンライン講座「はじめての短歌」(全4回)

NHK学園のオンライン講座「はじめての短歌」を行います。
全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/6958

まったく初心者の方も、もう一度基本をおさらいしたい方も、どうぞご参加ください。

■日程・時間
 9月8日・9月15日・9月22日・9月29日(水)16:00〜17:15

■内容
 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り

・全4回一括申込み
https://coubic.com/ngaku-online/915029
・9月8日単発申込み
https://coubic.com/ngaku-online/836794

posted by 松村正直 at 06:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月25日

短歌時評集『踊り場からの眺め』刊行予定

9月上旬に短歌時評集『踊り場からの眺め』(2500円)を六花書林から刊行します。

毎日新聞の「短歌月評」48回、朝日新聞の「短歌時評」23回、角川短歌の「歌壇時評」18回、現代短歌新聞の「歌壇時評」6回など、2011年から2021年に書いた時評や時評的な文章をまとめました。

私がこの10年間に考えてきたことの全てが詰まった一冊です。皆さん、ぜひお読みください!

posted by 松村正直 at 23:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月20日

NHK学園のオンライン講座

Zoomを使った短歌のオンライン講座を行っています。
皆さん、どうぞお気軽にお申込みください。

●「短歌のコツ」 木曜日(月に2回)19:30〜20:45
 https://coubic.com/ngaku-online/815976

「可視化」「直喩」「固有名詞」など、毎回一つテーマを決めて歌作りのコツをお伝えする講座です。

●「はじめての短歌」 水曜日(全4回)16:00〜17:15
  9月8日・9月15日・9月22日・9月29日
 https://coubic.com/ngaku-online/915029

全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。

 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り

posted by 松村正直 at 00:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月11日

フォト短歌

同人誌「パンの耳」の仲間の升本真理子さんが、自身のウェブサイトで短歌と写真を組み合わせた動画「フォト短歌」を公開しています。

https://marikomasumoto.com/tanka

「竜巻雲」(約3分)と「「ここから」に立つ」(約3分)の2作品です。ぜひご覧ください!

posted by 松村正直 at 16:15| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月07日

オンラインイベント「『戦争の歌』を読む」(8月12日)

8月12日に野兎舎主催のオンラインイベント「『戦争の歌』を読む」を開催します。戦争を詠んだ短歌を通じて、戦争や表現の問題について皆さんと一緒に考えたいと思います。時間は19:30-21:30。参加費は1000円です。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

詳細について
https://marrmur.com/2021/08/01/3864/
チケット購入
https://yatosha.stores.jp/items/60fb93bf1b946c7782187447

イベントに関連して、原爆を詠んだ短歌3首を引きます。何十年経っても色褪せることのない臨場感があり、戦争の過酷さをまざまざと感じます。

火傷には油が良しといふとにもかくにもバター塗りやる顔に
身体(からだ)に       白木裕『炎』

広島で被爆して妻と二人の娘を亡くした作者。全身に火傷を負いながら何とか自宅まで帰り着いた妻に、必死の思いでバターを塗り続ける。おそらくはもう助からないだろうことを、妻自身も、作者もわかっている。

爆風の一瞬この世に陽の消えてするめの如く背のちぢまる
               井上清幹

昭和29年刊行の合同歌集『広島』は、220名の1753首を収めた原爆歌集。作者は自宅の窓辺にいて激しい爆風を浴びた。引き攣るような背中の痛みが、「するめの如く」という比喩によって生々しく伝わってくる。

亡骸の子はその母に遇ひしかば白きパンツを穿かせられにき
               竹山広『残響』

原爆投下後の長崎の町を捜し回って、ようやく亡くなった子を見つけ出した母。衣服も焼けて黒く変わり果てた姿に、せめてパンツだけでも穿かせてあげたいと思ったのだろう。亡骸となっても大切な子に変わりない。

posted by 松村正直 at 10:18| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月06日

オンライン講座「はじめての短歌」(全4回)

9月にNHK学園のオンライン講座「はじめての短歌」を行います。
全4回で短歌に関する一通りのことをお伝えする内容です。

https://coubic.com/ngaku-online/915029
https://www.n-gaku.jp/lifelong-school/course/6958

まったく初心者の方も、もう一度基本をおさらいしたい方も、どうぞご参加ください。

■日程・時間
 9月8日・9月15日・9月22日・9月29日(水)16:00〜17:15

■内容
 @短歌の基本
   歴史/定型/韻律/題材/文語・口語/かな遣い
 A作者と読者
   詠みと読み/省略と想像力/短歌はマッチ棒
 B表現のコツ
   語順/動詞の選び/打消・否定・見せ消ち
 C生活と人生
   飲食・料理/気づき・発見/具体・ディテール・手触り  

posted by 松村正直 at 22:37| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする