2025年01月01日

歌集・歌書一覧

*この記事は常に一番上に表示されます。
 最新の記事は3つ下をご覧ください。

私がこれまでに出した歌集・歌書は以下の11冊です。

【歌集】
・『駅へ』(2001年、ながらみ書房)
・『駅へ』新装版(2021年、野兎舎)*在庫あり
   野兎舎オンラインストア
   アマゾンKindle版
・『やさしい鮫』(2006年、ながらみ書房)
・『午前3時を過ぎて』(2014年、六花書林)
・『風のおとうと』(2017年、六花書林)
・『紫のひと』(2019年、短歌研究社)

【歌書】
・『短歌は記憶する』(2010年、六花書林)*在庫あり
・『高安国世の手紙』(2013年、六花書林)
・『樺太を訪れた歌人たち』(2016年、ながらみ書房)*在庫あり
・『戦争の歌』(2018年、笠間書院)
・『踊り場からの眺め』(2021年、六花書林)*在庫あり

「在庫あり」のものは、送料無料・振込用紙同封でお送りします。
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また、ネットショップのBOOTHでも販売しております。
どうぞお気軽にご利用ください。
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2024年10月02日

傷痍軍人と国立病院

日本の国立病院(現・独立行政法人国立病院機構)の多くは、戦前の陸軍病院・海軍病院・軍事保護院(傷痍軍人療養所)がもとになっている。

という話を、この夏のオンラインイベント「戦争で負傷した軍人は何を詠んだのか? ― 村山壽春の短歌」でした。

上田三四二は1952年から9年間、京都府久世郡城陽町(現・城陽市)の国立京都療養所(現在の国立病院機構南京都病院)で働くが、ここの前身も1939年設立の傷痍軍人京都療養所であった。

医の業(わざ)をたのしともなく山裾の療舎にわかき十年(ととせ)すぎにき/『遊行』
寝台に正座し待ちし傷痍軍人も診たりきわかき結核医われ

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2024年09月22日

父と過ごす時間

84歳の父は神奈川県でひとり暮らしをしている。

父の家に泊まったついでに、父の生い立ちや親族や仕事のことなど1時間ばかり話を聞いてみた。最初はぽつりぽつりという感じだったが、だんだんと記憶が甦ってきたのか、自分から積極的に話をしてくれた。

父と母は私が高校2年の時に離婚した。それ以前も父とは仲が悪かったので、父については知らないことが多い。今回はじめて知ったこともいくつかあった。

父の生い立ちは複雑だ。父の生母は昭和20年、父が5歳の時に結核性の腹膜炎で亡くなった。ほとんど記憶にないらしい。その後、消防士だった祖父は2人の後妻を迎えた(1人目はすぐに離婚)。

父はもともと兄・姉・弟がいて4人きょうだいだったが、それ以外に義母の連れ子が2人と、新たに生まれた異母きょうだいが2人、全部で8人の子がいた。(後に祖父は2人目の後妻とも離婚する)

「オレみたいに複雑な生まれの人もあまりいないでしょ」

中学卒業後、父は集団就職で東京に出てきて、業務用冷蔵庫の製造・販売・修理の会社で働き始める。二十数年働いたところで会社が倒産(私が小学生の頃)、関連会社に勤めたものの、そこも業務縮小により解雇された。

その後、企業のメール便配送の仕事をして、最後は養護学校の送迎の運転手を80歳まで勤めた。15歳から80歳まで実に65年間も働いてきた人生だったわけだ。

「だから、働き過ぎたんだよね」

父は体調がよくなったら、もう何年も行っていない両親の墓参りに行きたいらしい。また、施設に入っている姉にも会いに行きたいようだ。何とかしてあげたいと思うけれど、現状ではなかなか難しい。

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2024年09月21日

短歌研究三賞授賞式

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昨日は17:00から講談社の26階の会場で、短歌研究三賞の授賞式が行われた。

・第60回短歌研究賞
  坂井修一「鷗外守」20首
  山田富士郎「UFO」24首

・第67回短歌研究新人賞
  工藤吹「コミカル」30首

・第42回現代短歌評論賞
  竹内亮「仮想的な歌と脳化社会 ― 二〇二〇年代の短歌」

受賞されたみなさま、おめでとうございます。

山田さんは体調不良のため残念ながらご欠席。まだ一度もお会いしたことがない。

久しぶりにいろいろな方と話ができて楽しい一日だった。

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2024年09月18日

「ぬえ的」をめぐって

以前、土屋文明が短歌の言葉は文語でも口語でもなく、新旧取りまぜで「ぬえ的」なものだと論じた話をブログに書いたことがある。

https://matsutanka.seesaa.net/article/425594195.html

今日、江戸後期の国学者石原正明の『年々随筆』巻二 にこれとほとんど同じ話が載っていることを知った。

すべて世の事と詞と打ちあいたる物にしあれば、今時の雑事を、古言にいいとらん事、難きわざなり。されば俗語も入りまじりて、頼政の卿の射たりけむ怪鳥のごとく、かしらは猿、尾はくちなはにて、みぐるしきわざならずや。

「頼政の卿の射たりけむ怪鳥」=ぬえ、である。

古い言葉と新しい言葉の混在について、文明が「悪くいえばぬえ的、よくいえば両者の長を取った新しい一つの領域というもの」と肯定的に捉えているのに対して、石原は「みぐるしきわざならずや」と否定的だ。

そうした違いはあるけれど、ぬえに喩える点では約150年の時を隔てて共通しているのが面白い。

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2024年09月11日

残りすくなきいのち

花山多佳子『三本のやまぼふし』にこんな歌があった。

残りすくなきいのちと詠まれし老人は牧水よりも長く生きけむ

この歌の元になっているのは次の歌。

老人(としより)のよろこぶ顔はありがたし残りすくなきいのちをもちて
/若山牧水『山桜の歌』

牧水が1921(大正10)年に上高地を訪れた時の歌で、「わが伴へる老案内者に酒を与ふれば生来の好物なりとてよろこぶこと限りなし」という詞書が付いている。牧水も酒好きだったので、ガイドの喜びようが胸に沁みたのだろう。

牧水はこの旅から7年後、1928(昭和3)年に43歳という若さで亡くなる。「残りすくなきいのち」であったのは、むしろ牧水の方だったのかもしれない。

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2024年08月27日

総力戦というもの

『稲の大東亜共栄圏』を読んで印象に残った言葉がある。

大東亜戦とは米と小麦、水田と畑との文化戦である。稲を作り米を食ふ民衆が、麺麭を食ひ、小麦を作る民族に決して劣らない、否彼の為し得ざる処を成し遂げることを事実に示す秋が到来した。

永井威三郎『随筆水陰草』(1942年)に記されたものだ。永井はまた少年少女向けの『日本の米』(1943年)の中で、ドイツが食糧難により第一次世界大戦で敗北した事実をもとに、

あの大戦争は、つまりはたべ物のあるなしで、勝ち負けがきまつたとも考へられます。

と書いている。

ドイツの敗北から得たこの教訓は、大日本帝国陸軍にも広く共有されたものであった。そこから生まれるのが「総力戦」という考えである。先日読んだ『東條英機』から引く。

東條は、第一次世界大戦を経た今日においては「武力、経済、思想攻略等各種作戦を、一元的に統制する国家が、近代戦争の勝利者たることができる」と言い切り、ロシアなどの対日思想戦、プロパガンダ戦の脅威を指摘して(…)

つまり、戦争は武力だけでなく、経済戦であり、思想戦であり、情報戦であり、文化戦でもあるというわけだ。こうした思考は、いわゆる戦争協力の問題を考える際に欠かせないものだろう。

先日観た映画「アナウンサーたちの戦争」にも「電波戦」という言葉が出てきた。ナチスのプロパガンダ戦にならってラジオ放送で戦意高揚を図るとともに、戦場では偽の情報を流して敵を混乱させるというものだ。

もちろん、歌人も例外ではない。斎藤瀏『わが悲懐』(1942年)には、次のような認識が示されている。

新体制は従つて、国民各自に国防観念と国防力を充実するを要求する。高度国防は国家の総力を綜合することによつて、達せらるゝ故に、政治、外交、産業、経済、教育、文化、思想総てが国防を負担するを要する。(…)このことを歌人についていへば、歌人も国防人であるべく、その行動する短歌も消極的には国防を傷けず、積極的には国防を強化しなければならぬ。

この文章を現在の目で見て批判するのは簡単なことだが、その前にこうした認識がどのようにして生まれたのかを理解しておく必要もあるだろう。

posted by 松村正直 at 07:42| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月15日

東京へ

今日は父の誕生日。
1940年生まれの84歳。

というわけで、東京(厳密には神奈川)にいます。

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2024年07月27日

足で調べる

良真実さんと暮田真名さんのラジオ「短歌・川柳耳学問」の「夏休み集中講座・月のコラムを読むC」を聞いていたら、今年から現代短歌評論賞の選考委員になった私についての言及があった。

11:20あたりから。
https://open.spotify.com/episode/44BqJT41FgxqXitA5ZgQT6

「情熱がすごくて行動派」
「フリーのジャーナリストですかって感じでフットワークが軽い」
「松村さんがヤバすぎるんですよね」

こんなふうに言ってもらえると、けっこう嬉しい。

私が短歌評論を書く際に現地に出向いたりするようになったきっかけは、『高安国世の手紙』の連載8回目「榎南謙一を探して」で岡山県の旧金光町を訪れたこと。この取材で高安の古い友人であった榎南について突き止めることができ、はっきりとした手応えを感じたのだ。

評論にはいろいろなアプローチの仕方があるけれど、私にはこの「足で調べる」方法が向いている気がした。それ以来、高安山荘に行ったり、サハリンに行ったり、渋民に行ったり、北海道に行ったり、堀之内に行ったりするようになり、今に至っている。

posted by 松村正直 at 21:19| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月18日

東京へ

短歌関連の取材と用事で東京にいます。
明日の夜に京都に帰ります。

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2024年07月17日

今後の予定

下記の講座や歌会などを行います。
みなさん、お気軽にご参加ください。

7月27日(土)講座「短歌―歌集の編み方、作り方」(くずは、オンライン)
https://matsutanka.seesaa.net/article/503924191.html

8月6日(火)講座「戦争で負傷した軍人は何を詠んだのか?」(オンライン)
https://yatosha.stores.jp/items/6688a1b2f06ae80578503259

8月28日(水)講座「現代短歌セミナー 作歌の現場から」(オンライン)
https://college.coeteco.jp/live/m331c69e

9月15日(日)第15回別邸歌会(奈良)
https://matsutanka.seesaa.net/article/503430273.html

10月6日(日)講座「没後35年、上田三四二の短歌を読む」(大阪)

11月10日(日)鳥取県民短歌大会 講演「平明で奥深い歌」
https://toricul-kenbunren.jp/pages/50/detail=1/b_id=251/r_id=38/

11月16日(土)第16回別邸歌会(滋賀)【予定】
https://matsutanka.seesaa.net/article/503430273.html

11月24日(日)岩国市民短歌大会講演 講演「短歌と省略」

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2024年07月13日

女性歌人の歌集シリーズ

黒木美千代『クウェート』(1994)は本阿弥書店の「ニューウェイブ女性歌集叢書」(1992〜1995、10冊)の1冊として刊行された。ラインナップは以下の通り。

1 梅津ふみ子『わらふ山鳩』
2 木畑紀子『女時計』
3 草田照子『天の魚』
4 久慈こうこ『星河原』
5 黒木三千代『クウェート』
6 五所美子『三耳壷』
7 斎藤佐知子『風峠』
8 高旨清美『珈琲パペット』
9 中野昭子『たまはやす』
10 吉宗紀子『緑の卵』

「ニューウェイブ」という名が付けられているが、短歌史的な意味での「ニューウェーブ」とは関係ない。全体にやや地味な印象と言っていいだろう。

この時期、河出書房新社も「同時代の女性歌集」(1991〜1994、15冊)というシリーズを刊行している。

俵万智『かぜのてのひら』
道浦母都子『風の婚』
李正子『ナグネタリョン』
林あまり『最後から二番目のキッス』
大田美和『きらい』
沖ななも『ふたりごころ』
松平盟子『たまゆら草紙』
井辻朱美『コリオリの風』
干場しおり『天使がきらり』
早坂類『風の吹く日にベランダにいる』
今野寿美『若夏記』
米川千嘉子『一夏』
永井陽子『モーツァルトの電話帳』
佐伯裕子『あした、また』
栗木京子『綺羅』

『サラダ記念日』がベストセラーになった俵の第2歌集をはじめ、錚々たる歌集が並ぶ。今ではベテラン歌人ばかりだが、当時はまだ30代・40代の若手・中堅歌人であった。彼女たちを選んだ河出書房新社の力量をまざまざと感じる。

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2024年07月02日

今後の予定

下記の講座や歌会などを行います。
みなさん、お気軽にご参加ください。

7月15日(月・祝)第14回別邸歌会(京都)
https://matsutanka.seesaa.net/article/503430273.html

7月27日(土)講座「短歌―歌集の編み方、作り方」(くずは、オンライン)
https://matsutanka.seesaa.net/article/503408936.html

8月6日(火)講座「戦争で負傷した軍人は何を詠んだのか?」(オンライン)
https://yatosha.stores.jp/items/6688a1b2f06ae80578503259

8月28日(水)講座「現代短歌セミナー 作歌の現場から」(オンライン)
https://college.coeteco.jp/live/m331c69e

9月15日(日)第15回別邸歌会(奈良)
https://matsutanka.seesaa.net/article/503430273.html

10月6日(日)講座「タイトル未定」(大阪)

11月10日(日)鳥取県民短歌大会 講演「平明で奥深い歌」
https://toricul-kenbunren.jp/pages/50/detail=1/b_id=251/r_id=38/

11月16日(土)第16回別邸歌会(滋賀)【予定】
https://matsutanka.seesaa.net/article/503430273.html

11月24日(日)岩国市民短歌大会講演 講演「短歌と省略」

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2024年06月19日

くにたち短歌大会

 くにたち短歌_表紙.jpg


今年の「くにたち短歌大会」(主催:NHK学園、共催:日本歌人クラブ)の選者を務めることになりました。

たくさんのご応募、お待ちしております。
https://www.n-gaku.jp/life/topics/8719

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2024年06月15日

歌集を読む楽しみ

歌集を読みながら、先行するさまざまな歌からの影響や広い意味での本歌取りを思い浮かべるのは楽しい。

疾風に胸を圧されて自転車を漕ぎなづみゐる女学生ひとり
/大辻隆弘『橡と石垣』
疾風を押しくるあゆみスカートを濡れたる布のごとくにまとふ
/上田三四二『遊行』

「疾風+女性」というモチーフに共通したものがある。

  米国大統領来日
天皇と天皇に身体二倍なるドナルド・トランプ歩みゆく様
/大辻隆弘『橡と石垣』
わが妻のからだ五倍なる小錦が土俵を去りしのちのしづかさ
/小池光『静物』

「身体(からだ)○倍なる」はかなり目立つ表現で印象的。

ひと厭ふこころにあゆむ川の辺は楢のこずゑの夕しづむ音
/大辻隆弘『橡と石垣』
連結を終りし貨車はつぎつぎに伝はりてゆく連結の音
/佐藤佐太郎『帰潮』

文脈上のねじれを伴う歌。大辻が「浮遊する「は」」と名付けた手法である。

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2024年06月14日

小高賢の励まし

黒木三千代の30年ぶりの歌集『草の譜』のあとがきに、こんな一節がある。

早く歌集を出すようにとくり返し励ましてくださった岡井隆先生、小高賢さん、亡くなられたあとに出すようなことになり、慙愧に堪えません。

岡井隆は黒木の先生なのでよくわかるが、小高はなぜ黒木を励まし続けていたのだろう。

そんなことを考えていたら、小高賢編著『現代の歌人140』(2009年)のこんな文章に出会った。

 性愛を卓抜な喩とし、一九九一年の湾岸戦争を鮮やかに主題化した黒木の歌集『クウェート』が刊行されたのは、一九九四年だった。いまでも、たびたび引用されるように時代を画する歌集の一冊である。
 ところがその後、黒木は歌集を上梓していない。もう十五年もたつ。会うたびに、どうなっているのかと、まるで責めるように追求するのだが、なかなか踏み切らない。『クウエート』の後であるから、躊躇する気持も分からないではないが、やはりあまりにも間があきすぎてしまった。こうなったら二、三冊、続けざまに出すほかはない。それくらい待望されているのである。

熱烈なラブコールと言っていい。それだけ黒木の歌を高く評価していたということだ。

『現代の歌人140』は小高の選んだ歌人140名のアンソロジーだが、すべてに小高の鑑賞文が付いている。あらためて読み直してみると、それは140名それぞれに宛てた小高の手紙のようでもあるのだった。

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2024年06月10日

三密と三徳

コロナ禍でさかんに「三密」(密閉・密集・密接)を避けるようにと言われたが、仏教用語にも「三密」というのがある。

司馬遼太郎『街道をゆく32』には次のように記されている。

三密(身・口・意)とは身体と言語と心のことをいう。この三密を法に従って行ずることで宇宙の内奥(仏のこと)に入ってゆくことができ、やがて即身(生きたまま)で成仏できるのである。

先日、ゾロアスター教に関する話を読んでいたら、「善思・善語・善行」の三徳の実践について書かれていた。英語で good thoughts ,
good words , good deeds である。

宗教は違っても、言っていることは共通しているなあと思った次第。

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2024年05月28日

東京から

東京から帰ってきました。
京都は雨。

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2024年05月25日

東京へ

東京へ行ってきます。

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2024年04月24日

90年前の歌

来月の講座「ラジオと戦争」に向けて下調べをしていたら、こんな歌が見つかった。

眉あげて戦争をとく人びとは兵役の関係なきものおほし
/木下国一「アララギ」1932年1月号
たはやすく戦をいふこの人は死を他人事(ひとごと)と思へるらしき
/半田良平「国民文学」1932年5月号
兵役にかかはりの無きがたはやすく世界を敵と戦へと言ふ
/大和勇三「歌と観照」1933年12月号

90年前も今も変わらないなあと思う。

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2024年03月28日

現代短歌評論賞

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今年から新たに現代短歌評論賞(短歌研究社)の選考委員を務めることになりました。川野里子さん、土井礼一郎さん、寺井龍哉さんと私の4名で担当します。

現代短歌評論賞は歌壇で唯一の公募の評論賞として長い歴史を持ち、多くの優れた書き手を輩出してきました。短歌評論を書いたことのある人もない人も、どしどしご応募ください。

応募要項は「短歌研究」4月号の47ページ、または下記の短歌研究社HPにてご確認ください。

第42回 現代短歌評論賞 - 短歌研究社 (tankakenkyu.co.jp)

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2024年03月27日

オーディオドラマ「風がやむまでは」

FMシアター「風がやむまでは」(3月23日放送)の中で、私の短歌を使っていただきました。

抜かれても雲は車を追いかけない雲には雲のやり方がある
                  『駅へ』

主人公の再出発の場面でこの歌が出てきます。

3月30日の22:50まで配信中ですので、お時間のある方はどうぞお聴きください。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0058_01

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2024年03月26日

アオサギ

昨年7月に映画「君たちはどう生きるか」を観た。面白かったけれど何だかとりとめのない感じもあって、正直なところ評価には迷った。

その後、ネットでたまたま英語版の予告編を目にした。
https://www.youtube.com/watch?v=fPa6iL_gQRQ

自分が観た映画なのに、まるで違うもののような感じがして驚いた。何よりタイトルが「The Boy and the Heron」(少年とアオサギ)なのだ。それがとても新鮮に感じられた。

刺激を受けて12月にもう一度映画館で「君たちはどう生きるか」を観たところ、いろいろな場面がすんなりと胸に入ってきて、とてもいい作品だと感じた。映画は何も変っていないのに、観る私の何かが変化したのだろう。

先日批評会が行われた笠木拓歌集『はるかカーテンコールまで』にも、アオサギが登場する。

青鷺、とあなたが指してくれた日の川のひかりを覚えていたい
ぶらんこが軋むみたいな声で鳴きいま青鷺がよぎりぬ春を

そうか、この歌集も「君たちはどう生きるか」だったのか。再読しながら、そんなふうに思ったことだった。

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2024年03月24日

息子の引っ越し

息子が大学を卒業して引っ越すので、昨日は千里山の部屋を片付ける手伝いに行った。ごみを捨てたり業者の手配をしたりして、一日かけてようやく目途が付いた感じ。引っ越しってやっぱり大変だな。

posted by 松村正直 at 10:23| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月23日

笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会

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明日、3月24日(日)に京都で笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会が行われます。参加申込みは下記のフォームまで。

笠木拓『はるかカーテンコールまで』批評会 (google.com)

多くの方とお会いするのを楽しみにしております。

posted by 松村正直 at 08:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月16日

原稿依頼

原稿依頼は重なる時は重なって、身動きが取れなくなる。
今抱えているのは下記の6本。

・角川短歌   連載
・短歌研究   作品10首
・歌壇     評論
・短歌往来   書評
・現代短歌新聞 書評
・NHK短歌  連載

さて、どれから手を付けたらいいものか。

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2024年03月14日

公職追放と教職追放

中村正爾が公職追放を受けていたことを知って少し意外な気がした。それは、

歌作による被追放者は一人のみその一人ぞと吾はつぶやく
           小泉苳三『くさふぢ以後』

という有名な歌があり、歌人で公職追放を受けたのは小泉苳三だけと思っていたからである。「ポトナム」主宰で立命館大学教授であった小泉は、1946年に教職不適格と審査され大学を追われた。

公職追放者約20万人の氏名を掲載した総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』(1949年)を見ると、中村正爾(アルス編集部長)以外にも、

・斎藤瀏(言論報国会理事 明倫会理事)
・吉植庄亮(推薦議員)
・大熊信行(大日本言論報国会理事)
・三井甲之(著書)
・保田與重郎(著書)

といった歌人の名前を見つけることができる。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1276156

ちなみに、この名簿は「安部」から始まって「ア」の名前がしばらく続いた後に「馬場」になる。あれっ?と思ってよく見ると、アイウエオ順ではなくABC順に並んでいるのだった。まさに、戦後という時代を感じさせる名簿と言っていいだろう。

そして、これが大事な点なのだが、小泉苳三(小泉藤造)の名前はこの名簿には見当たらない。つまり、小泉は公職追放を受けてはいないのだ。

小泉が受けたのは「教職追放」であって「公職追放」ではない。まず、この二つを明確に区別しておく必要がある。

・教職追放(1946年5月7日の勅令「教職員の除去,就職禁止及復職等の件」)
・公職追放(1946年2月28日の勅令「就職禁止、退官、退職等ニ関スル件」、1947年1月4日の「公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令」)

教職追放の該当者は大学教授など約7000人であったが、公職追放は国会議員をはじめ約20万人という大規模なものであった。そこには、先に記したように何名かの歌人も含まれている。

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2024年03月13日

中村正爾の歌をめぐって

奥村晃作さんがXで中村正爾(1897‐1964)の歌を紹介して、歌についての疑問点をお書きになっていた。

神無し月十三日けふ金曜日ゆるさし一万九十名の中の一人なり我は
(「ゆるさし」って何?「一万九十名」って何?)

調べてみると、これは1950(昭和25)年の歌で、10月13日に10,090名の公職追放が解除(第一次)された出来事を詠んだものであった。

小高賢編『近代短歌の鑑賞77』の中で「ゆるさし」となっているのは誤植で、正しくは「ゆるされし」。アンソロジーには時々こういうことがあるので注意が必要だ。

初出は「多磨」1950年12月号。「解除」という題で9首載っているうちの最初の歌である。ちなみに2首目は、

いまさらの解除なにぞとおもほえど我が反証よつひに徹りし

というもの。不当な公職追放だったという無念の思いが滲む。

そもそも、なぜ中村は公職追放を受けたのか。

昭和23年6月7日の官報の「公職資格訴願審査結果広告第十九号」に、中村正爾は「アルス編集部長」として載っている。
(「中村政爾」となっているが、翌8日の官報に訂正が掲載)

同じく北原鉄雄(白秋の弟)も「アルス社店主」として載っており、出版社での活動が公職追放の原因となったようだ。

この時点で北原の追放は「解除」となったが中村は「不解除」で、中村の追放解除は1950年10月13日まで待たなければならなかった。

アルスは昭和15年から16年にかけて、『日本とナチス独逸』『日独伊枢軸論』『ナチスのユダヤ政策』『ヒットラー伝』など「ナチス叢書」25冊を刊行しており、そのあたりがおそらく追放の原因になったのだろう。

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2024年03月06日

「○○の××」

「○○の××」みたいな言い回しがけっこう好き。

「建築界のノーベル賞」はプリツカー賞
「数学界のノーベル賞」はフィールズ賞

「歌壇の芥川賞」は現代歌人協会賞
「俳壇の芥川賞」は角川俳句賞

「東洋のマンチェスター」は大阪
「東洋のナポリ」は鹿児島

「日本のエーゲ海」は牛窓
「日本のマチュピチュ」は竹田城跡

探せばこんなふうにいくらでも見つかる。

いずれも「…と呼ばれている」という言い回しで使われる。誰が呼んでいるのかは謎のまま。

「すごいんだよ!」という誇りと「本家や本場とは違うけど…」という謙遜が微妙に入り混じって、しかも伝聞の形で使われる。何だか奥ゆかしい。

「○○富士」や「○○の小京都」という言い方もあるから、昔からこういうのはあるんだろうな。

posted by 松村正直 at 15:14| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月28日

摩羅とpenis

先日、砂子屋書房の一首鑑賞「日々のクオリア」で前登志夫の歌が紹介されていた。
https://sunagoya.com/tanka/?p=33308

草もえろ、木の芽も萌えろ、すんすんと春あけぼのの摩羅のさやけさ
    前登志夫『樹下集』(1987年)

山野に到来した春の喜びと自身の肉体を重ね合わせた歌。アニミズム的な世界観を背景に、生命感あふれる一首となっている。

アンソロジーにもよく採られる有名な歌だが、もしかすると次の歌を踏まえているのかもしれないと気が付いた。

キシヲタオ……しその後(のち)に来んもの思(も)えば夏曙(あけぼの)のerectio penis
    岡井隆『土地よ、痛みを負え』(1961年)

60年安保闘争の高揚とその後の退潮や挫折への予感を含む歌で、政治と性を重ね合わせるのは岡井の得意な手法である。

両者を比べると

・上句に命令形がある。
  (「キシヲタオ……」は「岸を倒せ」というスローガン)
・「春あけぼの」と「夏曙(あけぼの)」
・「摩羅」と「penis」

と、見事なまでに符合している。

どちらの歌もそれぞれの作者の代表作と言ってもいい名歌だが、背後にはこんな隠された(?)共通点があったのだ。そこに、1926年生まれの前と1928年生まれの岡井という2人の歌人の関わりを読み取ってもいいのかもしれない。

posted by 松村正直 at 09:56| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月15日

80年前のウクライナ詠

昨日までは大衆の注意を引かざりしウクライナに今戦火は及ぶ
/道久良

ぱっと見たところ2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻を詠んだ歌と思うだろう。ところが、そうではない。出典は「短歌研究」1941年8月号。この年の6月に始まった独ソ戦を詠んだものなのだ。

第二次世界大戦でドイツとソ連は激しい戦いを繰り広げた。当時ソ連領であったウクライナにもドイツ軍が攻め込み、キエフ(キーウ)やハリコフ(ハルキウ)が戦場となった。

当時の短歌雑誌を読むと、独ソ戦の舞台であるウクライナを詠んだ歌がいくつも見つかる。

五百五十のソ聯機がみな火を吐きてウクライナ平原に砕け果てけむ
/藤田富雄「アララギ」1941年8月号
ウクライナの野よ村よ読み親しみしゴーゴリを憶ふ戦の報道(ニユース)に
/前山周「アララギ」1941年9月号
ウクライナの麦枯れそめて陽炎のたつ間潮なしドイツ兵きたる
/高橋絃二「橄欖」1941年8月号
ウクライナ湿地に進む戦車隊の写真に見入る雨の今宵を
/三浦実「ポトナム」1941年9月号
ウクライナ地域に突入せしは独羅聯合機械化部隊としるされありき
/林田寿「ポトナム」1941年9月号
穀倉地ウクライナ今は独軍の包囲の中に麦は刈られぬ
/小山誉美「日本短歌」1941年10月号

2首目の「ゴーゴリ」はロシア帝国時代のロシアの作家だが、その出身地は現在のウクライナである。

5首目の「独羅聯合軍」の「独」はドイツ、「羅」はルーマニア(羅馬尼亜)。ルーマニアも枢軸国の一員であった。

3首目や6首目を読むと、昔も今もウクライナは麦畑の広がる穀倉地帯であることがよくわかる。

現在の戦争を考えるには、歴史的な背景を知る必要がある。その際に、こうした過去の歌を参照するのは一つの有力な方法と言っていいだろう。
posted by 松村正直 at 08:43| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月27日

歌集批評会など

これから開かれる歌集批評会などのイベントのまとめ。
コロナが落ち着いて、短歌界隈もまた活発になってきた。

2月10日(土)
 濱松哲朗歌集『翅ある人の音楽』批評会(東京)
2月11日(日)
 野田かおり『風を待つ日の』歌集批評会(京都)
2月24日(土)
 川本千栄『キマイラ文語』を読む会(東京)
3月3日(日)
 森川多佳子歌集『そこへゆくまで』批評会(東京)
3月10日(日)
 現代短歌フェスティバル in 奈良(奈良)
3月24日(日)
 笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会(京都)
4月7日(日)
 丸山順司歌集『鬼との宴』を読む会(京都)
4月28日(日)
 中井スピカ『ネクタリン』批評会(大阪)
5月12日(日)
 橋本恵美歌集『Bollard』批評会(大阪)
5月25日(土)
 吉澤ゆう子歌集『緑を揺らす』批評会(京都)

posted by 松村正直 at 09:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月25日

連載「秀歌を読もう」

NHK学園の機関誌「短歌春秋」に「秀歌を読もう」という短い鑑賞文を計8回連載した。好きな歌について書くのは楽しい。

秀歌を読もう「永井陽子」(「短歌春秋」162号)
秀歌を読もう「石川啄木」(「短歌春秋」163号)
秀歌を読もう「山崎聡子」(「短歌春秋」164号)
秀歌を読もう「小池光」 (「短歌春秋」165号)
秀歌を読もう「河野裕子」(「短歌春秋」166号)
秀歌を読もう「渡辺松男」(「短歌春秋」167号)
秀歌を読もう「与謝野晶子」(「短歌春秋」168号)
秀歌を読もう「田村穂隆」(「短歌春秋」169号)

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2024年01月14日

「蝶は桜にとまるのか」問題

童謡・唱歌「ちょうちょう」の歌詞をめぐって、「蝶は桜にとまるのか」という議論がある。

ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉にとまれ
菜の葉にあいたら 桜にとまれ
桜の花の 花から花へ
とまれよ遊べ 遊べよとまれ

桜の花の周りを飛び回っている蝶が詠まれているが、こうした光景はあまり目にすることがない、というのだ。確かに菜の花と蝶の取り合わせは一般的だが、桜と蝶の印象は薄い。

この歌詞は戦後の1947年に改作されたもので、もとの歌詞(1881年の『小学唱歌集』初編)では、次のようになっていた。

蝶々 蝶々 菜の葉に止れ
菜の葉に飽たら 桜に遊べ
桜の花の 栄ゆる御代に
止れや遊べ 遊べや止れ

これを見るとわかる通り、桜は単なる木としてではなく、天皇や日本の象徴という役割を担っていた。そのため、明治の近代国家成立の時期に、やや無理をして桜を歌詞に入れたのだろう。

この歌詞そのものは、古くからあるわらべ歌が元になっているという。それは、はたしてどんな歌であったのか。

小泉八雲『神々の国の首都』には多くのわらべ歌が引かれているが、その中に次の歌があった。

チョウチョウ チョウチョウ ナノハニトマレ
ナノハガイヤナラ テニトマレ

なるほど。「菜の葉」はあるけれど「桜」はどこにもない。子どもたちが呼び掛けるのは何とも素朴な「手にとまれ」であったのだ。

posted by 松村正直 at 11:41| Comment(3) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月02日

行ってみたいところ

根室(北海道)、襟裳岬(北海道)、角館(秋田)、長岡(新潟)、八丈島(東京)、三国(福井)、諏訪(長野)、伊勢神宮(三重)、友ヶ島(和歌山)、高野山(和歌山)、宇和島(愛媛)、対馬(長崎)、五島列島(長崎)、大牟田(福岡)、水俣(熊本)、種子島(鹿児島)、石垣島(沖縄)

posted by 松村正直 at 18:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月01日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今年の目標!

・「啄木ごっこ」をひたすら書く。
・「パンの耳」第8号を発行する。
・ 父にこまめに電話する。
・ 家賃の安い転居先を探す。
・ 第6歌集か『短歌は記憶する』の続編かどちらか出したい。
・ 健康を大切に。

posted by 松村正直 at 00:11| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月31日

今後の予定

2月、3月に下記の講座や歌会、批評会を行います。
みなさん、どうぞご参加ください。

2月4日(日)講座「短歌 ― 連作の作り方」(大阪)
https://www.maibun.co.jp/course-detail?kouzainfo_id=272

2月24日(土)第11回別邸歌会(大阪)
https://matsutanka.seesaa.net/article/501761224.html

3月16日(土)講座「2023年下半期、注目の歌集はこれだ!」
(くずは)https://matsutanka.seesaa.net/article/501674495.html

3月24日(日)笠木拓『はるかカーテンコールまで』批評会(京都)
https://matsutanka.seesaa.net/article/501649283.html

3月30日(土)第12回別邸歌会(和歌山)
https://matsutanka.seesaa.net/article/501761224.html

posted by 松村正直 at 13:39| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月25日

古い日記

たまたま古い日記を読み返していたら、2011年2月25日にこんなことを書いていた。
https://matsutanka.seesaa.net/article/387138406.html

昨年出した評論集『短歌は記憶する』の中に「樺太の見た夢」という文章を書いたが、触れられなかった歌人も多く、まだまだ書きたいという思いが強い。いつの日か「樺太を訪れた歌人たち」という連載をして、一冊の本にまとめたいと思っている。

この後、2013年から14年にかけて「短歌往来」に連載して、2016年に『樺太を訪れた歌人たち』(ながらみ書房)を刊行している。

日記に「いつの日か」と書いてから5年で本になっているのだ。そう考えると、けっこう早い。願えば叶うということか。

これからも、いろいろな「いつの日か」を、この日記に書いていくようにしよう。

posted by 松村正直 at 22:53| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月23日

ドラマ「コタツがない家」

テレビドラマは普段あまり見ないのだけれど、10月から放送された「コタツがない家」(全10回)が良かった。

主演の小池栄子の演技が素晴らしい。
吉岡秀隆も見事なダメっぷり。
脚本がよく練られていて、最後まで楽しく見ることができた。

オープニングの石川さゆりの主題歌を聞くだけで元気が出る。

posted by 松村正直 at 21:39| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月18日

53歳

或るサイトの将棋棋士のランキングを見ると、現在のトップ10は以下のようになっている。

1 藤井聡太竜王名人 21歳
2 永瀬拓矢九段   31歳
3 菅井竜也八段   31歳
4 伊藤匠七段    21歳
5 羽生善治九段   53歳
6 豊島将之九段   33歳
7 佐々木大地七段  28歳
8 渡辺明九段    39歳
9 佐々木勇気八段  29歳
10 八代弥七段    29歳

年齢を調べてみると、20代〜30代の棋士のなかに一人だけ53歳の羽生九段が入っているという状況だ。

まだまだ頑張ってほしい。

posted by 松村正直 at 21:55| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月03日

笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会

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来年3月24日(日)に京都で笠木拓『はるかカーテンコールまで』歌集批評会が行われます。もともと2020年6月7日に予定していた会がコロナ禍で中止となり、このたび3年9か月ぶりの開催となります。

『はるかカーテンコールまで』を未読の方は、ぜひこの機会にお読みください。おススメです。
https://matsutanka.seesaa.net/article/471123300.html

批評会の参加申込みは下記のフォームまで。
笠木拓『はるかカーテンコールまで』批評会 (google.com)

来年1月以降、歌集・歌書の批評会が相次いで開催されます。
備忘のためにいくつか書いておきます。

1月21日(日)
 長谷川麟『延長戦』を読む会(福岡)
1月28日(日)
 佐藤華保理第一歌集『ハイヌウェレの手』批評会(名古屋)
2月10日(土)
 濱松哲朗歌集『翅ある人の音楽』批評会(東京)
2月11日(日)
 野田かおり『風を待つ日の』歌集批評会(京都)
2月24日(土)
 川本千栄『キマイラ文語』を読む会(東京)
3月10日(日)
 現代短歌フェスティバル in 奈良(奈良)

posted by 松村正直 at 22:16| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月02日

tankalife

「tankalife(たんからいふ)短歌のある日々、短歌である日々」というサイトがあります。
https://tankalife.net/

一首鑑賞や短歌クイズなど多くの短歌が取り上げられていて、私の歌も丁寧に鑑賞していただいてます。

押ボタン式信号と気付かずにここで未来をじっと待ちます
https://tankalife.net/life34/

悪くない 置き忘れたらそれきりのビニール傘とぼくの関係
https://tankalife.net/umbrella20/

三分間待てずに食べるラーメンの鈍い歯触り悪くもないさ
https://tankalife.net/ramen13/

鋭角の切断面を鮮やかにさらしてサンドイッチがならぶ
https://tankalife.net/bread19/

ハンカチをかぶせるだけの子の手品われは見ており日曜の昼間に
https://tankalife.net/magic4/

穴熊は穴より出でてふらふらと仕留められたり赤い「と金」に
https://tankalife.net/shogi1/

短歌クイズ108
https://tankalife.net/quiz108/
短歌クイズ109
https://tankalife.net/quiz109/
短歌クイズ393
https://tankalife.net/quiz393/
短歌クイズ394
https://tankalife.net/quiz394/

他にも数多くの記事が載っていますので、どうぞご覧になってみてください。
posted by 松村正直 at 12:51| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月29日

納骨など

1泊2日で東京へ行ってきた。

浅草(啄木取材)→茗荷谷(啄木取材)→新百合ヶ丘(父と映画鑑賞)→父の家(1泊)→母の墓(納骨)

以前、浅草観音(浅草寺)についてブログに書いたことがあったので、啄木関連の取材のついでに寄ってみた。

浅草観音(その1〜その4)
https://matsutanka.seesaa.net/article/500016205.html
https://matsutanka.seesaa.net/article/500025235.html
https://matsutanka.seesaa.net/article/500039920.html
https://matsutanka.seesaa.net/article/500045641.html


DSC01548.JPG

雷門。


DSC01547.JPG

五重塔。


DSC01545.JPG

本堂(観音堂)。

話には聞いていたけれど観光客が非常に多い。
令和の世にも「観音力」は健在だ。


DSC01569.JPG

母の墓のある霊園は眺めがいい。
納骨も無事に終わって、ひと安心。

posted by 松村正直 at 20:38| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月28日

東京へ

1泊2日で東京へ行ってきます。
帰りは明日の夜になります。

posted by 松村正直 at 06:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月09日

帰宅

山梨の母の家より帰宅。

2日間、兄夫婦と一緒にひたすら片付けをした。
車に不要品を満載にしてごみ処理場へ8回運び、
ようやく空家らしくなった。

posted by 松村正直 at 21:55| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月08日

山梨へ

母の住んでいた家を片付けに、山梨へ行ってきます。
最後は東京の病院で亡くなったので、山梨の家へ行くのは久しぶり。

posted by 松村正直 at 04:44| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月29日

エル・おおさか

二日続けて「エル・おおさか」へ。

昨日は5階「研修室2」で、澄田広枝歌集『ゆふさり』批評会。13:00〜16:30。前半はパネルディスカッション(金川宏、田村穂隆、toron*、松村)、後半は会場発言。歌集の多面的な魅力が浮き彫りになる内容だった。

今日は10階「松・竹」で大阪歌人クラブ秋の大会。13:00〜16:00。「啄木短歌の超絶技巧」という題で講演をする。当初60分の予定だったのだが、時間に余裕があるようなので80分喋らせていただいた。

イベントの多かった10月も、これで残り2日。

posted by 松村正直 at 23:25| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月21日

今朝の新聞から

昨夜は永田和宏さん、小島ゆかりさん(ゲスト)と3人でオンライン講座を行った。「過去形と現在形」というテーマで下記のような歌を取り上げて90分話をした。

かつて子が言ひし「自分でできるから」いまは老いたる母が言ふなり
/小島ゆかり『雪麻呂』
熟したる厚き果肉を掘りすすみ核の付近で死んでいる虫
/北辻一展『無限遠点』
五十年も死んだままなるわが母よ茅花穂に立つ穂のなびくまで
/永田和宏『百万遍界隈』

今朝、朝日新聞を読んでいると、ちょうど昨夜の議論に関係するような話が載っている。こういう偶然の一致というのは、何だか嬉しい。

子どもの「自分でやりたい! 出来るようになりたい!」というエネルギーはすごいと子育て中の女性は言う。何かをやり遂げたいときの子どもはほんと一徹で、大人が気をつけないといけないのは、途中で急かせたり邪魔したりしないことだ。
/鷲田清一「折々のことば」
あらゆる生命体は、一瞬たりとも同一状態を保てない。「有る」ということは、刻一刻と「無く」なっていくことと同義だ。一刻一刻を生きている。それは、刻一刻と死につつあるということだ。
/近藤康太郎「多事奏論」

今日は午後から滋賀県東近江市で別邸歌会。

そう言えば、フリースクールをめぐる発言に対して「東近江市長へ批判拡大」という大きな記事も載っていた。

posted by 松村正直 at 08:56| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月15日

ロートル

今日のマラソングランドチャンピオンシップで4位になった川内優輝選手のインタビュー記事をネットで読むと、新聞社によっていろいろと違いがある。

多分(選手の)半分ぐらいは勇気がなくて、私についていくのが怖かったと思う。もう半分ぐらいナメてたんと思う。ロードみたいな選手はどうせ落ちてくだろうって。(東スポWEB)
半分ぐらいの選手は勇気がなくて私についていくのが怖かったのだと思うし、もう半分はなめていたんですよ。あんな選手はどうせ落ちていくだろうと。(スポニチアネックス)
他の選手は怖かったと思う。半分ぐらいは舐めていたと思う。落ちてくるだろうと。(デイリースポーツ)
若い選手の半分くらいは勇気がなくて、私についていくのが怖かったと思う。半分ぐらいはなめていたんですよ。『ロートルみたいな選手は、どうせ落ちてくるだろう』と。(中日スポーツ)
若い選手だから、多分半分くらいは勇気が無くて、私についていくのが怖かった。もう半分はなめていたんですよ、『なに、あのロートル』みたいな。どうせ落ちていくだろうって。(日刊スポーツ)

最初に東スポの記事を読んで、「ロードみたいな選手」ってどういう意味かなと疑問に思った。トラック競技出身ではないのでスパートが弱いという意味だろうか??

その後、中日スポーツや日刊スポーツの記事を見て、「ロード」は「ロートル」の間違いなのだと気づいた。ロートルなら「旬をすぎた人、役にたたない人」といった意味なので、フルマラソン130回完走の大ベテラン川内選手の自虐的な言い回しとしてよく理解できる。

おそらく東スポの担当者は「ロートル」という言葉を知らなかったのだろう。そう言えば、近年あまり見かけない言葉だ。もう日常生活では死語になっているのかもしれない。

そもそも「ロートル」って何語なのかと思って辞書を引いてみたら、中国語であった。「老頭児」と書いて「老人、としより」の意味とのこと。なるほど。それにしても、一体いつ頃から使われて、いつ頃に使われなくなった言葉なのだろうか。

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2023年09月16日

古い友人

真夏のように暑い一日。

13:00から朝日カルチャーセンターくずは教室で、講座「2023年上半期、注目の歌集はこれだ!」を行った。今年1〜6月に出た歌集の中から6冊を選んで、それぞれ5首ずつ紹介した。来年3月頃にまた「2023年下半期」も開催する予定。

以前入っていた結社の古い友人が、講座を聴きにきてくれた。会うのは5年ぶりくらいだろうか。まさか会えるとは思っていなかったので嬉しかった。先月亡くなった母にと素敵なお花をいただいた。

講座が終わってから近くのカフェで話をする。同世代の気安さで、短歌のこと、暮らしのこと、結社のことなど、あれこれ喋った。今年は私の人生にもいろいろあったので、心配して顔を見に来てくれたのかもしれない。古い友人というのは、やはり有難いものだ。

posted by 松村正直 at 23:35| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする