副題は「散歩の心理学」。
公認心理師・臨床心理士である著者が散歩の効用について、さまざまな角度から記した本。
散歩は、doing≠ェ、being≠ノなったり、また、doing≠ノ戻ったり、そんな、ふらふら≠キる営みです。
散歩は、いまここで、を味わう時間であると同時に、現在、過去、未来の間を、心や身体がいったりきたりする、そんなあわいに漂う営みです。
近所を散歩していて、小さな祠や橋、むかし小川が流れていた暗渠なども、あわいを感じさせます。
AIが人生を侵食するこれからの時代において、散歩や対話は、大地を踏みしめて世界とつながり直す、人類誕生以来の本質的な営みと交信し、私たちに最後まで残される数少ないあわいを衛(まも)る砦となるのかもしれません。
けっこう散歩はする方なので、面白かった。散歩がこんなに奥深いものだったとは。
2026年5月10日、ちくま新書、900円。


