水中考古学に関する本を見つけるたびに少しずつ読んでいる。
・井上たかひこ『水中考古学』
https://matsutanka.seesaa.net/article/432451230.html
・佐々木ランディ『水中考古学』
https://matsutanka.seesaa.net/article/498479883.html
・山舩晃太郎『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』
https://matsutanka.seesaa.net/article/502639092.html
本書は水中考古学の概要と、日本各地の水中遺跡について記したもの。紹介されているのは、鷹島海底遺跡(長崎県)、エルトゥールル号(和歌山県)、桧原湖(福島県)、ファン・ボッセ号(沖縄県)、いろは丸(広島県)、本栖湖(山梨県)など。
飛行機が使われる以前は、海を渡らずに日本に到達することはできませんでした。横浜や神戸、函館が幕末に開港するまでは、長崎や松前が日本の玄関口でした。江戸時代以前となるとイメージにしにくいという読者もいるかもしれませんが、堺、博多、大輪田泊(兵庫)、もしくは鎌倉も当てはまるかもしれません。
遺跡は、その地域の人々にとって誇りやアイデンティティを感じられるものであるべきです。遺跡を守るのは、その地域に住む人たちです。遺跡は専門家のものではありません。我々は、その遺跡が歴史的にどんなものであるかを解明しますが、その意義や価値を考えるのは、地域の人々だと常々思いながら研究を行っています。
若江島の積石もそうなのですが、江戸城の石垣の石は、伊豆や相模国西部で切り出して江戸まで運んでいます、伊豆半島から小田原にかけては良質で加工しやすい石が多くとれるだけでなく、石切り場から海までの距離が短く、運びやすいのです。
水中遺跡、とくに沈没船は運んでいたものがそのまま残っている、タイムカプセルのような存在です。事故現場ともいえます。普通、陸の遺跡だと貝塚など破棄されたモノや使われなくなった場所に残っているモノからその時代の生活を考えるのですが、沈没船遺跡は、現場検証。
なるほど、なるほど。
とりあえず、家から一番近い葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡資料館(滋賀県長浜市)に行ってみようかな。
2026年2月10日、ちくまプリマ―新書、1200円。



これとは全然関係ありませんが、ドビュッシーのピアノ曲『沈める寺』も水中遺跡のイメージです。海底に沈んだ大聖堂がザッパーン!と海上に現われ、また深く沈んでいって、青暗い海底でゆらゆら揺れている感じです。
この本にも少しですが南洋に沈んだ軍艦の話がありました。チューク諸島には一度行ってみたいものです。