副題は「料理が映す24の物語」。
「世界の台所探検家」を名乗る著者が、世界各国の家庭で作られている料理を紹介した本。
登場するのは、代替肉チャーシュー(ベトナム)、姑の舌(キルギス)、タラトール「ブルガリア」、ソラマトゥル(アイスランド)、ポソレ(メキシコ)、タヤリンヴェルデ(ペルー)、ウム(トンガ)など全24品。
世界地図で生乳生産量の分布を見ると、多くはヨーロッパの国に集中している。乳牛は暑いと夏バテして乳量が減ってしまうので、アジアやアフリカよりも冷涼なヨーロッパのほうが、酪農に適しているのだ。
実はこの伝統食を食べる行事、昔から行われてたものではなく、結構新しい。(…)一つのレストランが提供したのがはじまりで、普段が食べる機会もなくなっていた伝統食を食べる「新たな伝統行事」として定着したのだという。
事は単純ではないけれど、人と人とが互いを理解しようとし、争うよりも協調を目指せたならば、世界はもっと良い場所になると信じている。政治的立場によらず、誰もが日々何かを食べて生きている。ひと皿の向こうの世界に興味を持つことの力を信じたい。
写真やイラストも入って楽しく読める一冊になっている。
2025年3月10日、山と渓谷社、2000円。

