2025年09月20日

小池光インタビュー

「歌壇」1月号から連載されている「小池光インタビュー 言葉とことばの出会い―小池光の戦後短歌史」が面白い。今、短歌雑誌で一番楽しみにしている記事だ。

小池の軽妙な語り口が楽しく、深い短歌論もあれば、自歌自註もあり、また雑学的な話もある。どれも小池ファンにはもちろん、そうでない人にも楽しめる内容ばかり。

聞き手の寺井龍哉が小池作品をよく読み込んで十分な準備をして、小池からうまく話を引き出している。

これまで印象に残った小池の発言を引いておこう。

本当に短歌は意味だけじゃないんだけど、ほとんどの人は短歌を意味で読み書きしてたからね。意味で書いて意味で読んで、そうじゃないよね。音楽でもあるんだけどさ、音としてのものがないと。(1月号)
「これなにかこれサラダ巻面妖なりサラダ巻パス河童巻来よ」(『草の庭』)、あれは『サラダ記念日』に対する私の決意表明なわけ。そんなふうに読んでくれた人は誰もいないけど。(3月号)
感傷ということをすごく肯定的に考えるようにはなったよね。文字通り現実の何かに出会って感じて心が傷むのが感傷だから、それは全然悪いことでもないし、歌のエッセンスは感傷にあると思うようになった。(4月号)
深読みすれば短歌というのは短いから理屈をつけていかようにでも読めるわけで、そうすると膨らみがなくなっちゃって面白くないというか良くないんだな。全部はわからない方がいいんだよ、短歌って。(8月号)
連作の作り方のコツがこんな感じですね。みんなマゼランならマゼランばかりで連作を作るよね。多くね。ちょっと間に挟んだ方がいいんだよという感じですね。(10月号)

ほんとうに歌作りの参考になる話がいっぱい出てくる。
おススメです。

posted by 松村正直 at 10:08| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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