毎日新聞社が所蔵する「毎日戦中写真」6万点余の中から動物の写っている200点余を取り上げて掲載したもの。そのうち約半数をカラー化している。
「移動」「建設」「警備」「癒やし」「食」「死」という6つのテーマごとに、馬、象、犬、鳩、猫、猿、インコ、鹿、ガチョウなど、さまざまな動物が登場する。
私はかつて「軍馬という兵器」という評論を書いたことがあり(『短歌は記憶する』収録)、また軍用鳩についても調べたことがあるので、興味深く読んだ。
「軍用鳩の話」
https://matsutanka.seesaa.net/article/480869084.html
「さらに軍用鳩の話」
https://matsutanka.seesaa.net/article/480891612.html
当時の新聞写真は、しばしば国威発揚や戦意高揚といったプロパガンダの意図を色濃く反映していました。つまり、カラー化の元となるモノクロ写真の段階で、既にそこには「演出された現実」としての虚構性が含まれていた可能性があります。AIによるカラー化は、そうした元来の虚構性を、現代の技術によって無意識のうちに増幅し、より魅力的な「真実」として私たちの眼前に提示しているのかもしれません。
コラムや巻末の座談会などで、AIを用いたカラー化の良い点だけでなく問題点も何度か指摘されている。カラー化についてはあまり気にならなかったのだが、下記のAIによる動画化の映像を見ると、確かにフェイクニュースに近い危うさを感じる。
「動物たちのみた戦争」AIによる自動動画化
https://vimeo.com/1088613824/57136d5d95?share=copy
このあたりは、今後難しい問題になっていくだろう。
2025年7月30日、光文社新書、1500円。


