2025年07月30日

時田則雄『十勝から』

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月刊誌『NOSAI』の2004年1月号から2024年12月号まで21年間にわたって連載されたエッセイ252篇が収められている。著者の年齢で言えば57歳から78歳までの記録。

日々畑を耕し作物を育て、歌を詠み文章を書き講演をする。その圧倒的な仕事量に驚かされるとともに、読んでいると元気をもらえる。だから私は時田さんのエッセイが好きだ。

『陽を翔けるトラクター』
https://matsutanka.seesaa.net/article/439787773.html
『樹のように石のように』
https://matsutanka.seesaa.net/article/476676221.html

いろいろな数字が出てくるのだが、どれもスケールが大きい。

肥料と農薬だけでも年間に500万円くらいかかる。
今年の作付け内容は小麦16.4ヘクタール、人参9.1ヘクタール、馬鈴薯6.5ヘクタール、小豆3ヘクタール、枝豆1.1ヘクタール、大豆1.4ヘクタール、長芋2.5ヘクタールだ。
数えたことはないけれど、私の蔵書は1万冊以上はあるだろう。
いま私の農場にはトラクターが5台ある。内訳は105馬力1台、100馬力1台、80馬力2台、45馬力1台。合計410馬力。

こうした数詞は歌の中にももちろん登場する。

ぶつ遠し二十五時間働きてあした湯槽に首浮かべをり
畝一本二百七十二メートル行つたり来たりして日が暮れた

連載中に農場の後継者であった長女の夫が急逝するという悲運に見舞われたものの、その後次女の夫が就農して跡を継ぎ、三人の孫も生まれた。十勝の地にこれからも長く時田農場は続いていくことだろう。

2025年7月30日、ながらみ書房、2300円。

posted by 松村正直 at 14:26| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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