副題は「対馬へ日本の源流を求めて」。
このシリーズを読むのは3冊目。
・『聖地巡礼 ビギニング』
https://matsutanka.seesaa.net/article/399764437.html
・『聖地巡礼 リターンズ』
https://matsutanka.seesaa.net/article/445838563.html
以前から対馬には一度行ってみたいと思っているので(それなら行けばいいのだけれど)、興味深く読んだ。内田と釈、そしてナビゲーターの永留史彦のやり取りが楽しい。
釈 日本人の職種って大正時代には三八〇〇ぐらいあったのに、今は二五〇ぐらいしかないらしいですね。だから、どれほど多様性のない社会になっているか。
永留 宗家文書というのが一二万点以上あるんですが、今、対馬にあるのと、慶應義塾大学、東京大学とか国立国会図書館とか、そういう所にも保存されています。
内田 日本海海戦は、まさに対馬の海戦だったんですね。
永留 だから、英語では、Battle of Tsushima=B
永留 国境が開かれると、外国への窓口になるんです。閉ざされると条件が一八〇度変わります。
釈 どれほど力の強い場でも、車で乗りつけて車で去っていくと、聖地がわからないんです。そこに到達するまでのプロセスも含めて聖地。
内田 聖地は、あっちからやって来ないですね。
こんなふうに旅をしながら現地で喋ったり考えたりする本が私は好きなんだろう。「街道をゆく」とか「見仏記」のシリーズとか。
本書に登場する永留氏は『街道をゆく13 壱岐・対馬の道』で司馬遼太郎を案内した永留久恵の息子とのこと。いや、何だがすごいな。
2017年9月1日、東京書籍、1800円。