同人は、安里琉太・酢橘とおる・良真実・西原裕美・屋良健一郎。
同人の俳句・短歌・詩などが載っているのだが、今回最も印象に残ったのは、生活と詩歌の折り合いについての質問に対する良真実の回答であった。
本を書くために二度職を失った。書類上は一身上の都合で、となっている。つまり自己都合退職であるのだが、実質的には短歌都合退職であった。評論を書きながら仕事を続けていたら食べたものの三分の一が胃から出てくるようになった。いまは傷病手当と、連載の原稿料で暮らしている。初の単著である『はじめての近現代短歌史』(草思社)はほとんど無職の期間に書いたようなものだ。
『はじめての近現代短歌史』はとても良い本だった。
https://matsutanka.seesaa.net/article/510118481.html
でも、その印税が「前職の給与三ヶ月分といったところ」では、まったく割に合わないだろう。執筆に要した時間や資料代に到底見合う金額ではない。本が売れるのを願うのはもちろんだけれど、それだけではどうしようもない構造的な問題がある。
若手歌人のビジネスモデルをどう築いていくのかという問題は、良の「現代短歌史を取り戻せ」という文章にも記されている。
https://note.com/nukimidaru/n/n5036a6b51c32
・・・何か良い解決法はあるのだろうか?