2025年01月31日

雑詠(046)

*******************************

アメリカの四角い背を撫でているどこにお灸を据えればよいか
山火事にロサンゼルスが燃えている風船を飛ばしたわけではないが
いつもその先にあるのがゆうやみで薄くまつ毛の先が濡れゆく
かばんにも靴にも胃にも穴があく五十四年を生きてきて今
どのみちという道があり門を抜けあかるい冬の墓地へとつづく
順調に父の身体は衰えてしばしば部屋のなかでも転ぶ
終ったら呼んでと言って扉を閉める便座のうえに父を残して

*******************************

posted by 松村正直 at 10:29| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。