2025年01月14日

朝日新聞の社説

今日の朝日新聞の社説を読んでいて気になったことがある。

「デジタル化社会を生きる」「「人間であること」という一線」という題の文章で、内容には特に異論はない。気になったのは、文中の短歌の引用に関してである。

 ジタンとかタイパと言ってせわしなく時間に追われる令和の日々かな――先月の朝日歌壇にそんな投稿があった。

という形で、朝日歌壇の入選歌が引かれている。

これは、昨年12月15日の朝日歌壇に掲載された横浜市の西前敦子さんの作品だ。でも、社説には歌だけが引かれていて作者名は載っていない。

こうした引用の仕方には強い違和感を覚える。「西前敦子」の四文字をなぜ入れなかったのだろう。有名歌人でなく投稿歌だから構わないと思ったのか。あるいは作者など誰でもいいと思っているのか。

同じ新聞に掲載された短歌なので著作権の問題はないのかもしれないが、短歌やその作者に対する敬意がまったく感じられない。他人が苦心して詠んだ作品を、ちょいっとつまみ食いしているようなものではないか。

こうした作者名抜きの引用はダメだと、一歌人としてはっきり言っておきたい。

posted by 松村正直 at 14:00| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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