2024年12月30日

雑詠(045)

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あれこれ考えてしまって眠れないのだと八十四歳の父がかなしむ
白菜と豚バラ肉と柚子を買う靴ひもが今日ほどけやすくて
もう家も土地もなければ帰ることなきふるさとの坂とぶらんこ
秋の旅は大きな公孫樹が目に付いてそこが目当ての寺だとわかる
弁当のご飯は冷たいほうが好き喉に詰まるを茶で流し込む
そううまく死ねるもんではないよって父に言うたぶん励ますために
銅像が引き倒されて青空にあらたな次の像が建つまで

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posted by 松村正直 at 23:02| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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