2024年12月08日

明星研究会シンポジウム

今日は第18回明星研究会シンポジウムをZoomで視聴した。時間は14:00〜16:30テーマは「大逆事件に震撼した時代 〜 平出修・啄木・晶子」。

最初の講演は中川滋さんの「〈平出修研究会〉の沿革〜平出洸氏を偲んで」。

中川さんは平出修の孫。平出の息子や研究者を中心として1965年頃に発足した「平出修研究会」の60年にわたる歩みを語られた。平出は35歳の若さで亡くなったが、「明星」「スバル」の歌人として、また大逆事件の弁護人として数多くの足跡を残した。研究会は「平出修研究」第1集〜第50集、さらに『定本 平出修集』全4巻を刊行。平出の書いたものはほぼ全て網羅されているそうだ。

続いて池田功さんの講演「大逆事件・啄木・平出修」。

池田さんは明治大学教授で国際啄木学会の会長を務めている。大逆事件と啄木や平出修の関わりをたどった上で、平出が事件をもとに記した3篇の小説「畜生道」「計画」「逆徒」について詳しく語った。事件に対する平出の考えや態度は小説のなかに明確に記されており、彼の強い信念がよく伝わってきた。

最後に松平盟子さんの講演「晶子とスガ子〜修を介して交差した二人」。

大逆事件で処刑された菅野スガ子はもともと短歌を詠んでおり、平出を通じて獄中に「スバル」と晶子の歌集『佐保姫』を差し入れてもらっていた。時おり劇団青年座の津田真澄さんによる作品朗読を挟みながら、明治に生きた二人の女性に共通する部分と相違する部分を生々しく浮き彫りにする内容であった。

posted by 松村正直 at 23:13| Comment(0) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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