2024年11月04日

楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』


三浦裕子訳。

1938(昭和13)年から翌年にかけて台湾に滞在した日本人の小説家青山千鶴子の旅行記、という体裁を取った小説。

台湾縦貫鉄道に乗って各地を訪れる様子やさまざまな食べ物のレポートなど、実際に戦前の台湾を訪れている気分を味わえる描写が多い。

青山と通訳の王千鶴との交流や、植民地支配をめぐる越えられない溝のことなど、台湾と日本の歴史を考えさせられる内容でもあった。

楊双子……今後、他の作品も翻訳されるのが楽しみだ。

2023年4月25日、中央公論新社、2000円。

posted by 松村正直 at 23:03| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。