副題は「猟師飯から本格フレンチまでジビエ探食記」。
自らも狩猟免許を持ちエアライフルによる鳥猟を行う著者が、鳥獣のジビエ30種を食べた報告記。
鳥は、バン、ヤマシギ、キジバト、コジュケイ、キジ、ヤマドリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、カワウ、カルガモ、コガモ、マガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、アオサギ、ホシハジロ、エゾライチョウ。
獣は、イノシシ、シカ、ツキノワグマ、ノウサギ、テン、イタチ、タヌキ、キツネ、ハクビシン、ヌートリア、アナグマ、アライグマ、キョン。
どれも写真入りで料理が紹介されていて、興味と食欲をそそられる。
いつも新鮮なジビエを食べていると、たまにスーパーで売っている家畜の肉を口にしても、おいしく感じられなくなるそうだ。
「ジビエに臭みがあるという人がいるけど逆なんだよね。スーパーの肉ににおいが気になっちゃう」
なるほど。確かにそうかもしれない。魚で言えば天然モノと養殖モノの違いで、本来は家畜の肉の方が人工的で不自然な匂いがしているのだ。私たちがそっちに慣れてしまっているだけで。
タイトルになったツキノワグマの話は、雑誌に掲載された際には「ツキノワグマの手を食べる」だったものが、「ツキノワグマの掌を食べたい!」に改題されている。
「食べる」より「食べたい!」の方がキャッチーだ。これは編集者の手柄だろう。
2024年4月5日、山と渓谷社、1650円。