1 梅津ふみ子『わらふ山鳩』
2 木畑紀子『女時計』
3 草田照子『天の魚』
4 久慈こうこ『星河原』
5 黒木三千代『クウェート』
6 五所美子『三耳壷』
7 斎藤佐知子『風峠』
8 高旨清美『珈琲パペット』
9 中野昭子『たまはやす』
10 吉宗紀子『緑の卵』
「ニューウェイブ」という名が付けられているが、短歌史的な意味での「ニューウェーブ」とは関係ない。全体にやや地味な印象と言っていいだろう。
この時期、河出書房新社も「同時代の女性歌集」(1991〜1994、15冊)というシリーズを刊行している。
俵万智『かぜのてのひら』
道浦母都子『風の婚』
李正子『ナグネタリョン』
林あまり『最後から二番目のキッス』
大田美和『きらい』
沖ななも『ふたりごころ』
松平盟子『たまゆら草紙』
井辻朱美『コリオリの風』
干場しおり『天使がきらり』
早坂類『風の吹く日にベランダにいる』
今野寿美『若夏記』
米川千嘉子『一夏』
永井陽子『モーツァルトの電話帳』
佐伯裕子『あした、また』
栗木京子『綺羅』
『サラダ記念日』がベストセラーになった俵の第2歌集をはじめ、錚々たる歌集が並ぶ。今ではベテラン歌人ばかりだが、当時はまだ30代・40代の若手・中堅歌人であった。彼女たちを選んだ河出書房新社の力量をまざまざと感じる。