2024年06月01日

雑詠(038)

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近鉄が遅れててって片耳で電話しながら駈けてゆく人
赤ちゃんも桜も猫も愛されるヒトの言葉を話さないから
薄れつつ遠ざかりゆく黄昏のひかり集めて干潟は光る
見ないふりしてとあなたは言うけれど青葉は凪のようなしずけさ
新緑の波打つごとき参道を汗ひかりつつ馬はかけゆく
母の日の花屋の前に立ち止まり花を見ており買うことなきを
よき音を立てて二つに分かれたるこの割りばしの兄とおとうと

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posted by 松村正直 at 07:43| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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