どこで買った本だったかな。
副題は「大貿易時代から首里城明け渡しまで」。沖縄の古代から、三山分立、第一尚氏王統、第二尚氏王統、薩摩藩の侵攻、ペリー来航、廃藩置県までの歴史を記している。
「東洋のジブラルタル」ともいわれる戦略的要衝にある沖縄は、世界や日本の潮流の変わり目ごとにほんろうされ「地理は歴史の母」であることを痛感させられています。
編者が巻末にこのように書いている通り、中国や日本との関わりの中で独自の体制や文化を育んできた沖縄の苦闘の歴史がよくわかる。
中山が1372年初入貢して11年後の1383年、明朝は沖縄を『琉球』と命名、和名の「沖縄」より唐名の「琉球」が国際的通称になった。
幕府が開国を断るなら琉球を占領するつもりだったペリーは、入港10日後の6月6日、大砲2門と210人の海兵隊をひきいて首里城に向かい、開港を強要(…)
琉球藩内では日清両属の現状維持に固執する多数派の頑固党と、百年の大計のためには日本に専属すべしと主張する少数派の対立が激化するが、諸藩と同様に、『琉球藩存続』では一致していた。
本書は1879年の沖縄県設置(首里城明け渡し)で終っているのだが、その後の沖縄戦やアメリカによる占領、本土復帰などを考える上でも、沖縄の歴史をよく知っておく必要があると感じた。
1999年9月、月刊沖縄社、1000円。