副題は「続・はなこさんへ、「二人からの手紙」」。
『高蔵寺ニュータウン夫婦物語』の続編である。
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第T章「私のクラインガルテン12カ月」(津端英子)は、季節ごとの畑の作業や手作りの方法などを記したもの。第U章「拡散する自由時間の旅」(津端修一)は、スペイン・ドイツ・イタリア・ポリネシアなどを旅して世界の今後について考察したもの。
まったく違う内容の夫婦合作となっているのが面白い。文体にもそれぞれの特徴がよく表れている。
あたたかくなると、果樹の下のにらが大きく育ってきます。果樹につく油虫はこれが嫌い。年に五、六回は刈って根元に敷き並べると、消毒の必要がありません。〈果樹とにら〉のような関係をコンパニオン、プランツ、共生植物というのだそうです。(第T章)
年間一兆ドルを上まわる世界の総軍事費支出が、東西の政治的緊張を少しも和らげることができなかったのに、市民たちの自由を求める国際交流は東西の国境を確実に取り払い、それ以上の成果をあげてきた。(第U章)
ちょっと驚いたのが、「日本の本州は、世界第七位」の面積の島だという話。そんなに大きかったのか! 確かに調べてみると、グリーンランド、ニューギニア島、ボルネオ島、マダガスカル島、バフィン島(カナダ)、スマトラ島についで第7位であった。びっくり。
1998年8月10日第1刷、2017年11月10日第2刷。
ミネルヴァ書房、2200円。