2024年01月20日

「八雁」2024年1月号

特集「第10回八雁短歌会全国大会 in 神戸」の中に、大辻隆弘さんの講演「継承と独創」が質疑応答も含めて計23ページというボリュームで載っている。

短歌を始めたきっかけや大学時代の恩師の言葉、「未来」入会からニュー・ウェーブ流行に対する反応など、40年に及ぶ歌歴を振り返って話をしている。かなり率直な語り口で、とてもおもしろい。

でもこんなふうに文語で短歌を作っとったら、人気歌人にはなれへんやろうなとか、総合誌から注文が来(け)えへんやろうなとか、正直、そんなさもしい思いもしました。
大体僕の体の三〇%ぐらいは岡井さんでできていて、二九%ぐらいが玉城徹で、二九%ぐらいが佐藤佐太郎。そんなくらい影響は大きいです。
やっぱ、佐太郎はわかりやすいんですよ。茂吉の混沌をもうちょっと浄化して精製して、上澄みを取ったようなところがある。佐太郎から茂吉に入っていくと、逆に茂吉の混沌がよく見えるところがあって、そこからやっぱり茂吉の沼に入っていったって感じですね。

「八雁」主催の阿木津英さんもかつて「未来」に所属していたので、「あのころ阿木津さんは、本当に怖くて(笑)」といった話も出てくる。短歌のことだけでなく、結社の歴史や継承といったことも考えさせられた。

2024年1月1日、八雁短歌会、1100円。

posted by 松村正直 at 11:30| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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