2023年12月30日

雑詠(033)

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こんなにも人は疲れて早朝の電車に首を折り曲げねむる
二時間に一本のバス遠ざかりまた冬枯れの野のなかの道
誤字ひとつ載せたるままに雨の夜を遠く手紙は運ばれてゆく
それぞれに形異なるじゃがいもを三つ食べたり冬至の夜に
深々とさらに大きな穴を掘る埋めようのない穴を消すため
みずからの遠いいびきに目を覚まし小用に立つ冬のあかとき
誰がもっとも得をしたかと考えて椿の花に気づいてしまう

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posted by 松村正直 at 00:29| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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