2023年09月24日

土井善晴・土井光『お味噌知る。』

著者 : 土井善晴
世界文化社
発売日 : 2021-10-29

味噌について知り、日々の食事に味噌汁を作ろうとすすめる一冊。カラー写真とともに70種類以上の素朴なレシピが載っている。

テレビ番組でもよく見かける著者のやわらかな語り口と、細かなところにこだわらないおおらかさが特徴である。出汁を取らなくてもいいとか、洋食と合わせても美味しいとか、とにかく自由。その上で、守るべきことは何かを伝えてくれる。

味噌汁は濃くても、薄くても、熱くても、冷めてもおいしいのです。味噌に任せておけばいいのです。
かぼちゃなどの野菜の種やワタは、きれいに除くのが日本料理だと昔、言ってきましたが、毎日の食事であれば、全部用いることが大事だと思います。手間を省くというわけではなく、野菜の種の周りや、魚や肉の骨の周りはおいしいものです。それは栄養価値もあるからです。
油揚げは日本のベーコンと考えてもよいでしょう。油揚げを入れる場面では、代わりにベーコンや豚肉、ソーセージに変えてもよいということです。
季節にあるもんを食べるというのは、旬を食べるということです。季節のもんを食べたら、また、一年が過ぎて巡って来たなあ、と思います。旬を食べることを基本にしていると、一年のリズムができて大事なことをちゃんと身体が思い出してくれ、失うものが少ないような気がします。
食べてから身体の外に出るまでが、食事です。頭で考えるだけじゃなくて、自分自身の身体の声をよく聞いてみてください。

料理についての著者の考えの根幹にあるのは「自立」ということだ。

自分の食べるものを、自分で作ることは第一の自立です。お料理には、不思議な力があるんです。
一人でお料理やってみることで、その経験を生かして、だんだん、いろんなことを身につけてもらえたらいいなと思います。お料理することは自立することです。自立して、自由になって、自分の人生を楽しくやってください。

食の大切さや料理の大切さを、押し付けがましくなく、丁寧にやさしく教えてくれる。早速、今日から味噌汁を作ってみようか。

2021年11月10日、世界文化社、1600円。

posted by 松村正直 at 09:36| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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