自転車の前後に乗せて二人子にわれは歌へる水師営のうた
まだ小さな二人の娘と自転車に三人乗りしている。「水師営のうた」は佐佐木信綱作詞の唱歌「水師営の会見」。小池の祖父は日露戦争に出征しており、その関連の歌も多い。
子どもに古い日露戦争の歌を聞かせているのがおもしろい。ほのぼのとした歌という印象で読んでいた。
でも、ふと気になって「水師営の会見」の歌詞を調べてみると、ステッセル将軍と乃木大将の会話が歌詞になっている部分がある。
五、かたち正して言ひ出でぬ、
『此の方面の戦闘に
二子を失ひ給ひつる
閣下の心如何にぞ。』と。
六、『二人の我が子それぞれに
死所を得たるを喜べり。
これぞ武門の面目。』と、
大将答力あり。
何と、乃木希典の二人の息子(勝典、保典)の戦死が話題になっているのであった。
小池の歌は、なるほど、自分と二人の娘の関係を、乃木将軍と二人の息子の関係に対比させているのか! 単なるほのぼの歌ではなかったのだ。
その中に「一人息子と泣いてはすまぬ/二人亡くせし親もある」という当時の俗謡が取り入れられています。俗謡なので歌詞に細かい異同はあるようですが、「水師営の会見」然り、そういう歌が必要とされたのでしょうね。
【誤】乃木大将 信州墓参
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【正】乃木将軍 信州墓参
いつもすみません(汗)。
私の家の近くの明治天皇陵のそばに乃木将軍を祀った乃木神社(1916年創建)があります。境内には記念館や宝物館などがあり、「水師営の会見」に出てくる棗の木の子木も植えられています。