副題は「建物と暮らしの記録と記憶」。
建築という観点から沖縄の歴史や文化について考察した本。時代も用途も様式もさまざまな建築を取り上げて、建物の来歴や現状についてインタビューをしている。
この本でかたちにしたかったことは、建築や風土の記録とともに、沖縄に暮らす人々の声を聞き、書き留めること。それが写真とひとつになって、沖縄の生きてきた時間を想像させることだった。(岡本尚文「あとがき」)
紹介されているのは、「玉那覇味噌醤油」「津嘉山酒造所」「大宜見村役場旧庁舎」「沖縄ホテル」「親川鮮魚店」「首里劇場」「キャンプタルガニーアーティスティックファーム」「聖クララ教会」「オーアイシーメガネ店」「シーサイドドライブイン」。
他にも、沖縄の建築を理解するのに必要な話を盛り込んだコラムや、地域別の建築物のガイドマップもあり、充実した内容だ。
現在、解体・建て替えが検討されている名護市庁舎も載っている。地域主義建築の代表的な作品で、なるほど、これはすごいと思わせる。
https://maidonanews.jp/article/14944751
2019年12月20日第1刷、2020年2月1日第2刷
株式会社トゥーヴァージンズ、1900円。