
7月2日(日)に大阪(梅田)の毎日文化センターで「こんな短歌があるなんて!」と題する講座を行います。時間は14:00〜15:30の90分。
岡部文夫、前田夕暮、加藤克巳、荻原裕幸、フラワーしげる、野村日魚子など、昭和から令和の歌の歴史を振り返りつつ、大幅な字余りや字足らず、破調、自由律などの「異形の歌」の数々をご紹介します。
その上で、短歌とは何か、定型とは何かについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。
https://www.maibun.co.jp/wp/archives/course/43916
教室受講とオンライン受講の併用講座です。
みなさん、お気軽にご参加ください!
「山、山、山」という歌は、私事ですが、物心つくかつかない頃、三重県にある御在所ロープウェイに乗って鈴鹿山脈の山肌を上から見た時、「山やなあ!」を連発したと母から聞かされています。前田夕暮が初めて飛行機に乗って丹沢や甲州の山々を見下ろした時の感情に通じるものだったのではないかと思います。
荻原裕幸さんの「記号短歌」は、日本語として聴き取れない言葉を表わすマンガの手法みたい(近年テレビ番組のスーパーでも散見)、フラワーしげるさんの「もう一度言うがおれは海の男ではない」は、奇才・三代目魚武濱田成夫さんの詩を想起しました。
宮中の歌会始に破調や自由律はやはり馴染まないだろうと思いますが、それ以前に口語体による普通の現代短歌も、歌の調べに乗せてどんな風に吟誦されているのだろうかとふと思いました。
・・・などと言いながら、まだよく消化し切れていないところが多々あります。ではありますが、普段の講座にも益して面白かったです。それは他の受講生の方もそうだったと思います。ありがとうございました。
三代目魚武濱田成夫、なつかしいです。私が短歌を始めた90年代後半によく作品を目にしました。なるほど、確かに通じ合う部分がありますね。短歌の破調や定型について考える際には、そうした隣接するジャンルも視野に入れる必要があるでしょう。私もさらに考えを深めていきたいと思います。