その一つに、「菅公聖蹟二十五拝」の制定がある。これは、北野天満宮(京都)、大阪天満宮(大阪府)、厳島神社天神社(広島県)、太宰府天満宮(福岡県)など、菅原道真とゆかりの深い天満宮25社を巡拝するもの。
松浦は1875年から1886年にかけて25社に神鏡を奉納し、石碑を建立した。また「聖跡二十五拝順拝双六」を発行したりもしている。
ここからが本題なのだが、25社のうち6社が京都にあり、そのうち3社には石碑が現存している。その一つが吉祥院天満宮にあるのだ。
第1番 菅原院天満宮(京都市上京区)*石碑あり
第2番 錦天満宮 (京都市中京区)
第3番 菅大臣天満宮(京都市下京区)*石碑あり
第4番 吉祥院天満宮(京都市南区) *石碑あり
第5番 長岡天満宮 (長岡京市)
第25番 北野天満宮 (京都市上京区)
吉祥院天満宮の境内には数多くの石碑や石柱が立っていて、見つけるのに時間がかかった。20分くらい探し回っただろうか。拝殿前にあるあまり目立たない少し黒ずんだ石が、目当ての石碑であった。
石碑の表面。
部分的にかなり擦り減っているが、「聖■■■■(蹟廿五拝)」「第四番」「吉祥院天満宮寶前」「望月■■■書」とあるようだ。
表面の下部。
石碑の裏面。
こちらには、「発起人 ■■ 松浦武四郎」「資材主 江尻 望月治三郎」と刻まれている。
裏面の下部。
右側に「松浦武四郎」の文字がはっきりと確認できる。
すごいな、武四郎と京都で会えるなんて!
藤棚の藤も咲き始めて、とても雰囲気の良い神社だった。
残りの2社も近いうちに訪ねてみよう。