2023年04月05日

「現代短歌」2023年3月号

発行からだいぶ時間が経ってしまったけれど、座談会「『つきかげ』はなぜおもしろいのか」(小池光・花山周子・山下翔)を読む。三人とも深く読み込んでいて、とてもおもしろかった。

 暁の薄明に死をおもふことあり除外例なき死といへるもの
小池(…)「除外例なき」っていうのがすごい造語だな。普通は「例外のなき死」と言うでしょう。「地下道(ちかだう)電車」や「売犬(ばいけん)」と同じよ。こういう半造語というか、茂吉の作った新しい熟語みたいのがすばらしくて。ほんとにさ、みんな死ぬんだな、と思うよな。
小池(…)やっぱり言葉で歌を作っている。写生なんて建前で看板には書いてあるんだけどさ、実際やってることは言葉を操作して、新しい言葉と言葉の組み合わせを試してみたりね。簡単に言えば、詩だよね。ポエジー。新しい言葉の発見みたいな意味での詩が、斎藤茂吉にはきわだってあるんだよ。

小池の発言からは、茂吉の歌を通じて小池自身が歌作りにおいて大事にしているものが伝わってくる。

posted by 松村正直 at 10:03| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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