2023年03月22日

『ことば事始め』(その2)

今年に入って、池内紀が高校時代に短歌をやっていたことを知った。『ことば事始め』にも、その話が出てくる。高校の司書が歌人であったらしい。

あとで知ったのだが、その人は当地で歌人として知られた人だった。短歌雑誌を主宰している。戦争で夫を亡くして、高校の司書になった。

最初に読んだのは、石川啄木の歌集である。

とはいえ高校生には、歌人には何の関心もなかった。ただ啄木が気に入った。暗記するほど読んだ。チンプンカンプンの数学の時間は、啄木短歌を思い出していた。

そして「読むだけでなくつくってみたら」と司書にすすめられて、短歌を詠み始める。

一年あまりして短歌の腕はかなり上がっていたのだろう。短歌雑誌にチラホラ掲載されるようになった。同人誌から誘いを受けた。

けれども、その後、大学入試が迫ってきたこともあり池内は短歌から離れる。「気がつくと歌稿ノートは満パイだったが、つくる気持ちはうすれていた」というのが大きな理由だったようだ。

posted by 松村正直 at 12:27| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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