2023年03月14日

『温泉めぐり』(その2)

母が山梨の身延町に住んでいた頃、鰍沢(かじかざわ)の町を何度か通ったことがある。北斎の富岳三十六景にも出てくる場所だが、今は寂れた雰囲気になっている。

https://matsutanka.seesaa.net/article/478452138.html

そもそも、どうして昔の鰍沢は栄えていたのだろうと思っていたのだが、『温泉めぐり』を読んでよくわかった。

この町(鰍沢)は特色ある町として挙げることが出来た。かつて甲府盆地の交通の中心であったところ、誰れも彼も東京に行くものは、この山裾の河港に来て、そこから富士川の川舟で、半日にして東海道の岩淵へ出て行ったところ、その時分は此処は賑やかであった。いろいろな色彩がそこにも此処にも巴渦(うず)を巻いていた。車馬の往来も絶える間もなかった。

要するに、富士川の河港として賑わった町であったのだ。それが舟運の衰退に伴って寂れていったのである。

従って昔は賑やかで、どんな時でも、あの瓜の皮のような舟が十艘や十五、六艘岸につないでないことはなかった河岸も、いまはすっかりさびれて、一軒残った茶店もあわれに、川はただ徒らに白く流れた。

まさに栄枯盛衰という感じである。舟や鉄道や自動車などの交通体系の変化は、全国各地の町を大きく変えてきたのだろう。

posted by 松村正直 at 21:13| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨日ちょうど我が家で話題にしていたのですが、「富士川町歴史文化館 塩の華」という展示施設が開館したそうです。正直さんのこの投稿に関連しておりタイムリーかなと。内容の充実度はわかりませんが、山梨訪問の際には立ち寄れるといいですね。https://www.town.fujikawa.yamanashi.jp/kanko/gallery/2023-0215-1451-11.html
Posted by myk at 2023年03月16日 16:43
mykさま、コメントありがとうございます。
まさに富士川の舟運の歴史などが展示されているようですね。山梨に行く際にはぜひ立ち寄りたいと思います。富士川ではラフティングをしたり、南部の火祭りをみたりと、いろいろ思い出があります。
Posted by 松村正直 at 2023年03月16日 17:07
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