2023年01月16日

風来堂『カラーでよみがえる軍艦島』


面積0.063㎢という狭さにもかかわらず、最盛期の1959年には人口5259人に達した長崎県の端島(軍艦島)。2015年には「明治の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として、他の諸施設とともに世界遺産に登録されている。

その島の歴史や炭鉱の様子、島民の生活、住宅状況などを、カラー化した写真とともに紹介した本である。

1972(昭和47)年当時、新卒の月給は5〜6万円だったのに対し、軍艦島では月約20万円受け取っており、極めて恵まれた生活をしていたと想像される。
端島病院には外科だけでなく、内科、眼科など一通りの診療科目がそろっていた。歯科だけはなかったが、端島病院とは別のアパート棟に個人歯科医院が営業していた。
軍艦島には、病院から学校、床屋、麻雀店まであらゆる施設が揃っていたが、墓所と火葬施設はなかった。亡くなった人は舟に乗せられ、軍艦島から北に700mほど離れた中ノ島の火葬場で荼毘に付された。

軍艦島には以前に一度、上陸ツアーの船で訪れたことがある。この時は出航したものの、残念ながら波が高く上陸できなかった。
https://matsutanka.seesaa.net/article/422902360.html

この本にも「端島は荒波の影響もあり、年間100日程度しか一般人が立ち入れない」とある。次の機会を楽しみに待ちたい。

2022年5月20日、イースト新書、1000円。

posted by 松村正直 at 22:54| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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