せっかくなので少し観光をすることにして、まずは「尿前(しとまえ)の関」(宮城県大崎市鳴子)へ。鳴子温泉の近くである。
ここは、奥の細道の旅で芭蕉が訪れたところ。
南部道遥に見やりて、岩手の里に泊る。小黒崎・みづの小嶋を過て、なるごの湯より尿前の関にかかりて、出羽の国に超えんとす。この路(みち)旅人稀なる所なれば、関守にあやしめられて、漸(ようよう)として関をこす。
続いて、県境を越えて「封人(ほうじん)の家」(山形県最上町堺田)へ。正式名は旧有路家住宅で重要文化財に指定されている。
入口に立つ芭蕉と曾良。
「封人」とは国境を守る人のことで、ここは芭蕉が泊まって有名な句を詠んだ家と伝えられている。
大山をのぼつて日すでに暮ければ、封人の家を見かけて舎(やどり)を求む。三日風雨あれて、よしなき山中に逗留す。
蚤虱馬の尿する枕もと
続いて、封人の家から歩いて「堺田分水嶺」へ。JR陸羽東線(奥の細道湯けむりライン)の堺田駅からすぐのところ。
ここで左右に分かれた流れは、西側は102km下って山形県酒田市の日本海へ、東側は116km下って宮城県石巻市の太平洋へ向かう。まさに、運命の分かれ道だ。
ちなみに、国際啄木学会の会場となったのは、吉野作造記念館(宮城県大崎市古川)。
民本主義を唱え大正デモクラシーを主導した政治学者、吉野作造はこの古川の地に生まれた。新幹線の古川駅を出ると「吉野作造生誕の地」という大きな標柱が立っている。
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