副題は「ひとり密かに焼きアナゴ、キンメの煮付け、サクラエビのかき揚げ…」。
日本各地の漁港をめぐり、その土地で獲れる魚を使った料理を紹介した紀行文。
登場するのは、羅臼の「黒ハモ丼」、酒田の「ニジバイガイの握り」、銚子の「イワシ塩焼き」、駿河湾の「サクラエビのかきあげ丼」、尾道の「白ハゼの煮付け」、太良の「ワタリガニ」など、計18か所の料理。
ちなみに日本全国津々浦々の漁師町や港町のお寺には、ご本尊様が流れ着いたり網にかかったりするシチュエーションの伝説が多々あるが、流れ着くもの、来るものを拒まない、あっけらかんとした漁師町や港町の気質を感じる話である。
ちなみにマグロといえば、こちこちに凍って真っ白になったもの、もしくはセリにかけられて横たわり、黒光りするものを思い浮かべる方が多いと思うが、実はマグロの本来の背色は濃紺から徐々にグラデーションしていく鮮やかなブルーである。
こういった蘊蓄もたくさん出てきて楽しい。
2021年3月31日、徳間書店、1500円。
ご本尊が流れ着いてくる話で、若い唐人の下半身が漂着したのを祀った神社というのを思い出し、調べてみたら壱岐島の「唐人神」でした。何だかスゴい話です(何で唐人のモノだと判ったんだろう・・・)。
いっぽうミロのヴィーナスが漁師の網に掛かって発見されたような銅版画か木版画を見た記憶があるのですが、こちらは記憶違いだったかも知れません。
隠岐に行かれるのですね。私ももう12年前になりますが、隠岐の中ノ島に行ったことがあります。さざえカレーや、カラフルな色のヒオウギガイなどを食べました。
https://matsutanka.seesaa.net/article/387138308.html