2022年09月30日

雑詠(019)

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明治二十四年建立の殉難碑 廃トンネルの入口に立つ
ぶらさがり茄子の畑にむらさきの茄子あり茄子のかなしみ深く
スクリーン3の暗がりに身をひたす今日もどこへも行けぬ私が
耳の裏にしきりと汗をかくような身体となってタオルで拭う
男性向け料理教室 廊下まで声は響けり女性講師の
枝に止まるゴイサギふいに両脚にちからを溜めて糞を落としぬ
夢も何もないことなれど田舎町の次男に生まれし竹久茂次郎(もじろう)

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posted by 松村正直 at 07:05| Comment(2) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鉄道トンネル工事の殉職碑二題です。いずれも正確な墓碑銘は写して取ってきていませんが、
@JR武田尾駅下車、北上するバス道から逸れて廃道寸前となっている谷道をツメた集落の外れに、旧・福知山線の工事で亡くなった方の名前が刻まれた殉職碑がありました。中には女性や名前のまだ無い子供もあって、身重の女性も従事していたことが知られました。
A山陽新幹線の六甲トンネルの新大阪側入口上部にある山陽新幹線記念公園の殉職碑には54人の方のお名前が彫られていました。六甲トンネルの工事が始まったのは昭和43年からですが、この時代になってもそんなにお亡くなりになった方がいたんだなと思いました。
Posted by 小竹 哲 at 2022年10月01日 07:16
小竹さん、コメントありがとうございます。
武田尾駅は旧・福知山線の廃線ウォークで訪れたことがあります。「女性や名前のまだ無い子供」というのが、何ともなまなましいです。
トンネル工事だけでなく、黒部ダムなどにも殉職碑がありますね。亡くなった人への供養だけでなく、工事の歴史をたどる上でも、こうした石碑は大切だと感じます。
Posted by 松村正直 at 2022年10月01日 21:01
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