2022年07月31日

雑詠(017)

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人と人が袂を分かつということの、陽に乾きつつ紫陽花が咲く
われ先に伸びゆく蔓の尖端を指にむしるも朝顔のため
どこまでものうぜんかずら追いかけて夏のわたしが剝き出しになる
大雨のために動けぬ特急のなか煎餅を嚙む音ひびく
四百九十九体ならぶ羅漢堂 残り一つはわが子だろうか
すこやかに伸びゆく稲に囲まれて七つの墓がなかよく並ぶ
感染者、重症者、死者それぞれにずれるピークをひとは苦しむ

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posted by 松村正直 at 19:04| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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