2022年07月30日

山田七絵編『世界珍食紀行』


アジア経済研究所の職員たちが世界35の国・地域で体験した食べ物をめぐるエッセイ集。「アジ研ワールド・トレンド」「IDEスクエア」に連載されたコラムをまとめたもの。

登場するのは、韓国のホンオフェ(エイ)、ベトナムの卵コーヒー、カザフスタンのクムス(馬乳酒)、デンマークのニシンの酢漬け、南アフリカのブラーイ(バーベキュー)、ペルーのクイ(モルモット)など。

外国から来た料理が現地風にアレンジされて土着化するという現象は、もちろんインドでもみられる。「インド中華料理」はまさにその典型であり、「マンチュリアン」はもっとも代表的な料理といえるだろう。
イランのファンタジーは、イランにしかない欧風パンとして、華麗な呼び名とは裏腹なその庶民的味を守り続けているのである。
タンザニアでは、食事を終えた人が水道で手にこびりついたウガリを爪でこすり落としているのを見ることがある。それを見た外国人は、「スプーンで食べればいいのに」と思うかもしれない。しかし、日本人が白いご飯を箸で食べるのと同じように、ウガリは手で食べて味わうものだ。

ほとんどの料理が一度食べてみたいと思うものばかり。現地でしか食べられない料理もたくさんあって、外国に行きたい気分になる。

2022年7月20日、文春新書、980円。

posted by 松村正直 at 23:58| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。