監督:北村皆雄
語り:豊川容子
監修・カムイノミ対語訳:中川裕
1986年に北海道の美幌峠で行われた「キタキツネの霊送り」の記録映像を元に編集した作品。司祭の日川善次郎エカシ(長老)が唱える祈りの言葉には、日本語訳が付けられている。
儀式の内容は、本で読んだことのある熊のイオマンテとほぼ同じだ。
前夜にアペフチカムイ(火の神)に祈りが捧げられ、歌や踊りが披露される。当日は、祭壇にイナウ(木幣)やシト(団子)、トノト(酒)が供えられ、檻から出されたキタキツネをもてなし花矢を射て遊ばせる。そして、最後に二本の丸太で首を挟んで絶命させるのだ。その後、キタキツネを解体して頭骨を飾る。
印象的だったのは、祭に参加した人々の現在の姿を取材しているところ。35年経って亡くなった人も多く、あたりの風景もずいぶんと変った。小学生だったエカシの二人の孫は、今は東京と札幌に暮らしているそうだ。
京都シネマ、105分。
2022年07月15日
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