副題は「笹採りも製粉もこしあんも。年5万個をひとりで作る90歳の人生」。
著者は60歳の定年後に本格的な餅作りを始め、75歳で起業し、90歳でこの本を出された。テレビ番組で見た姿がとても印象的だったので購入。
笹の葉も自分で山に採りにいきます。1年で5万個のお餅を作れば、笹の葉だって5万枚要るわけで、これも大仕事です。私の背より高い藪にも入りますし、山では蜂が飛び出してくるので重装備です。
蒸し上がった2kgのお餅を、蒸し布ごと抱えて、平皿に広げる時も、水を入れた大きな蒸し器を抱えるのも、みんな力仕事です。(…)何よりも、奥の倉庫から27kgの米袋を、製粉機まで運んでこなければなりません。
一つ一つのお餅は小さいけれど、こうして数字で示すと大変な作業だということがよくわかる。
「人生80歳からが楽しい」とよく申し上げるのは、80歳になって、自分の中で、焦りというものがなくなったような気がするからです。(…)義務だとか、余計な考えがなくなる。それからが楽しいんです。
よく、こんな年になって新しいことを始めるなんて、という方もいます。でもどうか、自分でこれはできない、いい年してこんなことをしては恥ずかしいなどと決めつけないでください。悩んだりするくらいならば、思いきって新しいことに挑戦してみてください。
80歳からが楽しいと言われると、何だか元気が出るな。
ミサオさんは現在95歳。今も現役で笹餅を作っていらっしゃる。
http://www.superstore.co.jp/sasamochi
2018年1月22日初版、2022年6月22日第4刷発行。
小学館、1400円。