全国各地のご当地パンを紹介した本。
全国規模の大手のメーカーではなく、その町その町の業者が作っている地元のパン。味も形も包装も昭和っぽくて懐かしい感じがする。
昭和50年代から郡山市内のパン屋がつくりはじめるようになったクリームボックス。
新潟ではバタークリームを塗ったコッペパンをサンドパンと呼び複数の店が製造。
石川県の多くのパン屋でつくられるホワイトサンド。
高知県内のほとんどの製パン会社がつくるぼうしパン。
など、地域色満載。
京都伏見の納屋町商店街にある「ササキパン本店」も紹介されていて、早速パンを買いに行ってきた。以前から古いお店だとは思っていたけれど、大正10年の創業なのだとか。
お菓子好きが高じて地元パン採集をはじめ、地元パンを愛するゆえに、パンのよき友である、牛乳やコーヒーまでにも食指が動くように。好き≠ェするする広がって、慕わしい味が増えていく。
著者の地元パンへの愛情がたっぷり詰まっていて、豊富な写真を眺めているだけでも楽しい一冊だ。
2016年2月25日第1刷、2016年6月15日第5刷。
グラフィック社、1500円。