2022年04月17日

ノヴォチェルカッスク

ノヴォチェルカッスクはロシア西南部にあって、ウクライナとの国境までわずか70キロくらい。今ニュースでたびたび報じられるマウリポリへも約200キロの距離である。

現在の日本には陸上の国境がないので、どうしても国境に対する意識が薄くなってしまう。その結果、「日本固有の領土」といった不思議な言い方がまかり通っている。

けれども、世界の歴史を見れば国境というのは決して固定されたものではなく、さまざまに移り変わっていくものだ。もともと人間が引いた線なのだから、当然のことだろう。

ノヴォチェルカッスクの歴史も、そのことを考えさせてくれる。ロシア革命の時にはドン・コサック軍(共和国)の拠点(首都)として革命軍と戦ったし、第二次世界大戦中にはドイツに占領されている。

ロシアの中では辺境に位置して、歴史的にも地理的にも中央(モスクワ)とは異なる意識が強いのだろう。思えば、中央―辺境といった概念も、国家や国境があって初めて生み出されるものでしかない。

posted by 松村正直 at 08:36| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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