2022年04月15日

村瀬信也『将棋記者が迫る棋士の勝負哲学』


2019年から「幻冬舎plus」に連載された「朝日新聞記者の将棋の日々」をもとに、書き下ろしを加えて再構成した一冊。早稲田大学将棋部出身で新聞社で将棋を担当する著者が、21名の棋士を取り上げている。

藤井聡太、渡辺明、羽生善治、佐藤康光、森内俊之、谷川浩司、木村一基、藤井猛、先崎学、深浦康市、久保利明、山崎隆之、豊島将之、永瀬拓也、佐藤天彦、広瀬卓人、斎藤慎太郎、佐々木勇気、里見香奈、米長邦雄、加藤一二三。

近年、将棋の中継では将棋ソフトが「評価値」によって形勢判断を示すし、各棋士の強さも対戦結果をもとに日々レーティングで示されている。
https://shogidb.com/shogiDb/
https://shogidb.com/shogiDb/rating/0/0/

もともと勝ち負けの明確な世界であり、しかも現在では数字が示す世界にもなっているわけだ。それでも(それゆえに)棋士の人となりや性格、人生などのドラマについての関心が薄れることはない。

「観る将」の中には、将棋を見ている人もいれば、人間を見ている人もいる。それを完全に分けることなどできないし、どちらも大切なものなのだ。

2022年1月25日、幻冬舎、1500円。

posted by 松村正直 at 07:34| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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