歌会でもカルチャーセンターでも、顔を上げていることがとても大切。これは簡単なようでいて、実際にはできていない人が多い。
話している人の顔を見ながら聴くのと、単に話を聴くのとでは、頭への入り方がまったく違ってくる。歌会もカルチャーも言葉のやり取りをしているように見えるけれど、言葉で伝えられるものなどわずかでしかない。それよりも大事なのは場の空気であり、間合いであり、表情なのだ。
顔を上げずに俯いている人には、それが摑まえられない。耳から入ってくる言葉だけで何となく理解した気分になっている。残念ながら、それは本当の理解とはほど遠いものでしかない。
プリントやノートに熱心にメモをしている人も多い。そのこと自体を否定する気はない。
けれども、メモを取ることに熱心なあまり、ずっと下を向いているようでは弊害の方が大きい。メモを取る量と頭に入る量は比例しない。それどころか、時に反比例するのではないかとさえ思ったりする。
歌会もカルチャーセンターも話し合いの場であり、議論の場である。自分の前の机を見ていても、何も始まらない。まずは、話している人の顔を見ながら話を聴く。この当り前のことから始めてみてはどうだろうか。
2022年03月08日
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