2022年02月28日

雑詠(014)

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駅前のパン屋の棚に残されてクロワッサンは夜をかがやく
みんなみんな働き者と言うように帽子をかぶるパン屋のひとは
にんげんの骨の接ぎ目に手を当ててほぐしゆくひとの太きゆびさき
パンケーキにじゅんと染みゆくはちみつの傷口はまだ濡れているのに
同じ絵を少し離れて父と見る岡本太郎美術館にて
あなたでも私でもない生き方があっただろうに冬のアオサギ
かたくなに謝罪を拒むスタッフのかなたに冬の海はひろがる

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posted by 松村正直 at 08:28| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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