2022年01月27日

鯨統一郎『金閣寺は燃えているか?』


「文豪たちの怪しい宴」シリーズ第2弾。

前作に続いてバー「スリーバレー」を舞台に、バーテンダーのミサキと、大学教授の曽根原、客の宮田の3人が文学談議を交わす。

取り上げられるのは、川端康成『雪国』、田山花袋『蒲団』、梶井基次郎『檸檬』、三島由紀夫『金閣寺』の4篇。

どれも面白く読めるのだが、前作に比べるとちょっと軽い気もする。シリーズものの難しさだろう。

それにしても、いわゆる文豪の小説はこんなふうに「読者が読んでいること」を前提に話が進められるのがいい。(実際に読んでいるかどうかは別にして)

今ではもうそんな前提が通用する作品はなくなってしまった。(作品の質の話ではなく)

2021年11月21日、創元推理文庫、680円。

posted by 松村正直 at 13:34| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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