副題は「地図から消えた歴史の爪痕」。
全国各地の廃村や幻の町、産業遺産、遺跡などを紹介した本。取り上げられているのは、鴻之舞金山(北海道)、大滝宿(福島)、八丈小島(東京)、安濃津(三重)、大川村(高知)、軍艦島(長崎)、アクアポリス(沖縄)など。
書かれている内容が古いと思ったら、2007年発売の『まっぷる選書D〈なるほど知図BOOK〉歴史の足跡をたどる 日本遺稿の旅』に一部加筆修正して刊行されたものなのであった。
アメリカ軍にとって、第二次世界大戦後は文字通りの「戦後」ではなかった。1950(昭和25)年に朝鮮戦争が勃発、1965(昭和40)年にはアメリカがベトナムに本格介入を開始。平和な日本とは裏腹に、アメリカ軍は休む間もなく戦いを続けた。
「米軍府中基地」に関する記述だが、言われてみればその通り。日本とアメリカとで、戦後の意味はかなり違っているのだろう。一度、戦争ごとの死者数などを調べてみよう。
2021年8月15日、昭文社、900円。