会場で驚いたのは、展示作品に解説などを書いたキャプションがなく作品番号が表示されているだけであったこと。解説等は入口で配布される作品リストのパンフレットにすべて記されている。
最初は作品とパンフレットを見比べるのに慣れず戸惑ったが、だんだんコツを摑めてきた。まずは作品だけを見て、もし気になった点があればパンフレットで確認すれば良いのだ。
山下裕二『商業美術家の逆襲』にも、こんな一節があった。
実作品をナマで、自分の眼だけを頼りに味わう。これが何より大事で、一番面白い美術の見方です。いつも言っていることですが、そのためにも、まずは作者名や作品を解説しているキャプションを読まずに見ることが大事です。知識というフィルターがかかって、眼が曇ってしまうからです。
今後はこういう方式が美術館の主流になっていくのかもしれない。